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勇者パーティーから追放された異常な【賢者】のイカれた行動と【勇者】の善行  作者: 金銅才狸


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え4.、マフィア姉妹7、【光あれ】


 目を覚ますと全裸だった。

 隣には彼女の妹が寝ている。


 どうしてこうなってる?

 酒に酔って潰れた?

 マフィア孫妹に薬をもられた?

 そんな疑いを持ちたくもなる。

 夢の中にいるようにふわふわフワフワ


 目を覚ました彼女の妹のミコは、慌てもせずに冷静にベッドの中から去っていった。

 

 なのに、俺はアワアワ慌てるばかり



 朝、目を覚まして、昼になったのに……

 俺は食事も取らずにボケ〜としてた。

 そこにミコが……やってきて文字が書かれた紙を差し出す。



【姉さんは死にました】


 紙の一行目にはそう書かれていた。

 ん???

 さらに頭が混乱する


「ど、どういう事だ!」

「………」


 紙に書かれた内容、死んだ?

 ぼ〜となった頭で理解すると

 俺は何も喋らぬマフィア孫妹の肩をつかんでゆさぶる。

 マフィア孫妹は冷静に紙の続きを指差し、手紙の続きを読む様にうながす。

 手紙には………


【        遺書

 この手紙を読んでる時、私はこの世にいないでしょう。

 父から私の素行の悪さ全部がバレたと聞きました。もう………生きていけません。


 貴方に会えて私の人生は変わりました。

 私はもっと早くに貴方に会うべきでした。

 馬鹿を……やる前に会いたかった。

 私は貴方に相応しく無い。

 

 だから……もう一度会って嫌われる前に消えます。

 貴方に酷い事を言われる前に、この世を去ります。

 貴方との、いい思い出だけを持っていたいから。


 最後に……

 もしも貴方が私の事を少しでも好きでいてくれたなら……

 どうか……私のかわりに妹を大切にしてあげてください

 妹なら、私と違って貴方のことを幸せにしてくれるはずだから……

             貴方の女より】


 これ………マフィア孫姉ニコの手紙、か?

 遺書と書かれた手紙を読んで呆然とする俺


 そんな俺に………

 サラサラとマフィア妹は紙に何かを書き始める。

 そこには……

【姉さんの遺言だから………】

 と書いてあった。


 

 だから……何だよ?

 手紙の衝撃から立ちなおれない俺

 俺は……呆然としてる。


 マフィア妹は俺を落ち着かせようと、飲み物を差し出してきた。

 青い果実酒?

 良く考えもせずにそれを飲んだ。

 力がぬける

 またしてもふわふわ


 マフィア妹は俺の手をとって何処かへ連れて行こうとする。

 俺は更にマフィア妹のされるがまま

 記憶が……


 目を覚ますと、マフィア妹の部屋にいた。


 その日から、なかば強引に、マフィア孫妹に流されるまま過ごした。

 まるで抜け殻の様。

 勇者パーティーから追放された時にさえ反骨精神の塊だった俺が……


 俺は……最低だ!

 ニコが……ニコに……

 俺が浮気して……


 浮気?

 くそう。

 全部俺の下半身が悪い。

 強く自分の股間を引っ叩いた。


 股間に……激痛が走る。

 潰れはして無いかもしれないが、潰れても良い。


 もう一度ニコの笑顔が見たかった。

 声が聞きたかった。

 ニコに……もう一度、俺のクズ行動を肯定してもらえるのならば、金玉を1つササゲルクライ……ナンデモナイ。


 俺は廃人の様になった気がしたよ。

 ニコの事が好きだったのか?

 ビッチでも……良かったのだ。

 永遠に失うよりは……

 なのに……俺はニコと別れるだの、ニコの浮気旅行だとか考えてた。

 

 俺は最低だ。




 そして……

 マフィア姉が、でかけてから10日目。

 そのあいだ俺はミコのへやにいた。

 ミコと一緒にいた。

 俺は抜け殻のようだったと思う。

 当初の予定ではニコが帰ってくると約束した10日目がやってきた。


 しかし……今日彼女ニコが帰って来ない事を俺は知っていた。

 ニコの遺書を妹のミコは、俺以外のまだ誰にも見せてないそうだ。

 皆はマフィア孫姉ニコが今日帰ってくると思っている。

 帰ってこないのに。


 マフィア孫妹の方は、手紙を皆に

 見せても、どうにもならないと……

 そのうち別の知らせが届くから遺書は知らせなくていい。

 私達だけが知っていれば良い。

 何をしても死者は蘇生しないから

 何があっても……

 と言う。

 違うな、書く。

 マフィア孫妹は筆談で俺に意思を伝える。


 俺は呆然としてた。

 マフィア孫姉ニコの事が好きだった。

 ビッチだと知らされて後は、その確信が無かったけども……


 死んだと知らされると話は別だ。

 頭の中グチャアグチャアだ!

 頭に炎と氷が突っ込まれた、みたい。


 今日も俺はマフィア妹から手を引かれた。

 されるがままについていくと、マフィアニコの部屋に連れて行かれた。


 ニコの部屋にはニコの描かれた絵、位牌と線香が供えられていた。

 まるで亡くなった人を弔うかの様。


【姉への弔いです。ここで一緒に寝ます】

 と書かれた紙を差し出してくるミコ

「え???」


 マジカ?

 マフィア妹の弔い方法はぶっ飛んでる。

 ジジイも姉のほうもぶっとんでたが、妹も同類だったかな?

 そんな弔い方法があってたまるか!

 そう思ったが、抵抗する気力がなかった。


 何やらマフィア妹はそわそわして、タイミングをはかってるように見えた。


 だが、さほど気にもせず

 流されるままに裸になり……

 マフィア姉のベッドに二人で潜り込んだ。


 しばらくすると……

 バタン。

 部屋のドアが開いた。


「ただいま〜」


 そこには……

 死んだはずの、マフィアニコが立っていた。



「え?」

「え?」

「………」


 戸惑う俺とマフィアニコ

 無言で微笑むマフィア妹。

 裸の俺


【裸で抱き合って何が悪い?】

 俺の耳にそんな声が聞こえた。


 マフィア妹は……恐ろしく邪悪な笑顔と、ゾッとするような声色で、ピンピン生きてる自分のニコに向き合って……


『姉さん……男を取られて……今どんな気持ち? ねえ、どんな気持ち? 

 やっほ〜。

 ねぇ、お姉ちゃん見てる? 

 今、どんな気持ち? どんな気持ち?』


 ニコの妹ミコの声

 しゃべれないはずなのに……

 ソレは………ゾッとするような

 ゾッとするような

 キレイなキレイな妹の声だった。

 姉のニコに向かって。

 

『姉さんが不幸にならないと、私は前に進める気がしません』


 状況は

 何がなんだかよく分からなかった。

 だが………


 きっと俺はハメられた。

 利用された。

 妹の姉への復讐に、まんまと利用された。

 それだけはわかった。


 てか妹のミコ、喋れ無い筈なのに、さっきからやけにペラペラ話せるじゃないか。

 そこから騙してたのか?

 俺も爺も姉も……騙されてた。


 俺は……

 もう一度ニコに会えるのならば、自分の金玉を生贄に捧げても良いとは言ったが……

 こんな事は……

 彼女の妹と彼女の部屋で布団で裸で……以下略。

 言い訳出来ない。

 俺はハメられた。

 しかし、この状況でそんな言い訳信じてもらえる訳が無い。

 逆の立場なら絶対に信じない。

 コレは、あんまりだ!

 酷いトラップだ。


 どうしよう?

 どうしてこうなった?

 どうして


 異世界から召喚されて……

 魔王よりも勇者よりも『青の魔法使い』よりも、ニコ姉妹が怖かった。


 姉妹の一人ミコは邪悪な顔で勝ち誇り、もう一人ニコは般若の顔で怒ってる。


 コレが修羅場だ。

 魔王相手でも命を賭ければ刺し違えれる気がした俺だが……

 正直、ニコには金玉を生贄にささげても許してもらえる気がしない。


 てか……

 俺は悪く無いのに……

 ニコの妹に騙されただけなのに……

 般若の顔で俺らを見つめるニコから怒られる気しかしない。

 理不尽だ。


 どうして、どうしてこうなった?

 



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