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アンケートから始まる異世界生活  作者: 仁奈
第一章 アンケートから始まる異世界生活
4/17

第四問 選択肢の『その他』って大抵、冒険者のことらしい。


初めまして、仁奈です。

練習の一環として挙げていきます。ちなみに何の練習かは…秘密です。

よければ忌憚ない意見をくださいね。

※建前ですので、本気にしないでください。心閉ざすかも。笑。


お待たせしました?

第四話です。


その他って何かと便利ですよね。

その他な人生を送りたい。


全13話を予定しております。

短い間よろしくお願いします。

「あいつ、やりすぎだろう」


僕は、目の前の惨状を改めて見て思わず呟いた。


木片が道の至る所に散らばり、馬車の原型はすでに残っていない。飛び散った木片は黒ずんでおり、炭化が進んでいるものもある。血がついているものも多くあるが、不思議なことに死体は一つもない。きっと黒装束のあいつが何かしたんだろう。想像はしたくないが。


食糧を探そうとか言ったがこの惨状だと何も残っていないのかもしれない。だが、半日も歩く上で、水は必要なので、探すしかない。


根気よく探していると、小さな袋を見つけた。中を覗こうとしたら後ろから声をかけられた。振り向くと、この馬車の持ち主に攫われたという少女リディアが呆れた顔で立っていた。


「ねえ、カイ。これだけの騒動の中、よく眠っていたよね。大丈夫?心配になってきたんだけど?」


「う、僕だって気にしているんだから。わざわざ蒸し返さないでよ。」


そう、僕はこれだけの騒動があった中、そばで寝ていた。それはもう朝起きるまで気が付かないほどぐっすりと。自分が信じれらなくなる出来事の一つだった。


「それよりも、何か見つけたの?」


「いや、こっちには何もなかったよ。カイは何か見つけたの?」


「一つだけ、小さな袋を見つけたよ。中は今から確認するところ。」


そう言って、袋を開けると中には数枚のコインが入っていた。この世界の貨幣だろうか。とりあえず、全部出してみると、銅色のコインが10枚、銀色のコインが9枚、金色のコインが10枚ほど入ってた。


「リディ、どのくらいの価値なりそうなの?」


こっちの貨幣の価値を知らない、僕は素直に隣で金色のコインを触っている彼女に聞いた。


「えーと、そうね。1シルつまり銅貨1枚で水を一杯買えるぐらいの価値で、銀貨がその10倍の価値があって、それ1枚で、お店で昼食が食べられるかな。そしてこれが準金貨。」


「準金貨?金貨とは違うの?見た目同じに見えるけど。」


彼女が両手にそれぞれ手にしてる金貨は見た目はそっくりだった。しかし彼女は右手に持っているものは準金貨と説明する。


「うーん、見た目は確かに同じだけど、重さが全然違うの。準金貨の方が軽くて金貨の方が重い。価値的には準金貨が銀貨の10倍で、金貨はその10倍に相当するの。それでも分かりづらいから、金貨は単体で用いることが多いわ。」



えーと、銅貨が10円ぐらいで、銀貨が100円、準金貨が1000円、金貨が10000円ってところかな。まあ、物価はこっちの方が安いみたいで、金貨1枚で一般的な宿に何泊かできるらしい。それにしても、準金貨か。日本でも昔似たようなものがあったらしいけど、異世界でも変わらないんだな。


「全部で56,000シルね。」


「当分は大丈夫そうかな」


「うん、これだけあれば何日かは町で過ごせると思うよ。でも、金貨は早く換金したほうがいいかも。何かとトラブルの種になるし。」


彼女はそう言って、シルを袋に戻す。


この後もすこし、一緒になって探してみたものの水や食糧は見つからず、日が高く登り始めたので、街に向かうことにした。


道中、ここが夜になると魔物の巣窟になるというリディの言葉が嘘のように魔物一匹も見当たらず、平和的で穏やかだったが、4時間ほど歩いたところで初めて魔物と出会った。それは一匹のスライムで、昨日から喉を潤わしていない僕にとって、とても水々しく見えた。


スライムの動きは緩慢で、すぐに捕まえることができた。特に攻撃もされることはなく、よく、創作物で描写されるような、酸で溶かされるとか、飲み込まれて窒息死させられるとかそういうことは一切なかった。どうやらこの世界のスライムは安全らしく、悪いスライムではないらしい。


手に持ち近くでよく見てみると、透明感があり、陽の光を受け青く輝き、プルンッとした張りのある弾力感を手に感じられた。まるでゼリーのようだった。思わず口にしようとしたが、このゼリーが生きていることを思い出した。


僕、しらすの踊り食いとか嫌いなんだよね。


創造物の知識をもとにスライムの中の丸い物体を見つける事ができたので、手を突っ込み握りしめると、スライムは液状になって弾けた。慌てて、手でコップを作りなんとか一掬いする事ができた。


僕は、少し躊躇いつつも、一口飲んでみた。すると口一杯に微かな酸味が広がり、爽やかなハーブのような香りが鼻に抜け、ほのかな甘みだけが口に残った。レモンティーを飲んでいるような味わいがあり、とてもおいしく、残りも一気に飲みほした。


僕はあまりにのおいしさに物足りなさを感じ、あたりを見渡すともう一匹いたので、同じようにしようとすると、リディもいることを思い出した。


彼女も喉が渇いていると思い、差し出してみると、ゴミムシを見るような目つきで、無言で手を叩かれ、距離を取られた。


「…」


えっ…この反応はツラすぎるんだけど。思わぬ反応に僕は固まった。ゴミムシ・無言・距離の女の子されると死ぬと言われる上位トップ3のコンボを決められ、心のHPは0になった。僕は泣いた。表情には出さなかったが、いや、目尻まで涙が出たが、なんとか頑張った。ここで泣くときっと立ち上がれないと思ったからだ。


何が原因かわからなかったので、先生に尋ねてみると、『すみません、自分で考えてください。』と返された。…先生も冷たい。


僕は、気を取り戻すため、バックからレーズンサンドを取り出し、食べた。リディは拒んだが先程のスライムドリンクとすごく合った。

レーズンサンドを食べていると、リディが不思議そうにこちらを見つめていたので、僕は、バックからもう一つ取り出し、差し出した。


彼女は少し躊躇いつつも、受け取ってくれた。


よかった。


僕が一安心していると、彼女は、袋を破り、そこからレーズンサンドを半分ほど取り出し口に運んだ。


すると彼女の顔がほのかに赤く染まり、今まで見せたことのない笑みを浮かべ、見た目相当なはしゃぎぶりを見せてこう言った。


「え、何これ、すごく美味しいよこれ。なんのフルーツ?かわからないけど、酸味があって、周りのクリームの甘さを引き立てて、それを挟むような板状の生地がサックとした食感で、とにかくすごく美味しい。ねえ、なんていうのこれ?お願い、もう一個ちょうだい。」


おお、予想だにしない反応で、少し慄いたが、先程の失敗はどうやら忘れてくれたらしい。

しかし、こんなにも気にいるとは思わず、これが最後だっていうことを伝えるのが怖くなった。しかし、黙っているわけにもいかないので、仕方なく伝えることにした。



「あー、これはレーズンサンドと言って、僕がいた世界のお菓子。すごく美味しいよね。でもね、…これが最後の一つなんだ。…そのごめんね。」


僕がそう伝えると、リディはまるで死刑宣告を受けたようにテンションが下がり、膝を抱えてうずくまった。


えっ、そんなにショックだったの?


まあ、その気持ちはわからなくもない。レーズンサンドにはそれぐらいの価値がある。


僕は、彼女の肩にそっと手を置き、街に着いたら探してみようと言い、僕たちは歩みを進めた。


僕たちが、まだ見ぬ、スタディア街のレーズンサンドに思いを馳せながら、道沿いにしばらく進むと、高く聳え立つ壁が見えた。どうやら、街についたようだ。


街の入り口にあたる門には、関所が設けられているようで、多くの人が並んでいた。


僕らもその列に並ぶと、周囲が少しざわつき、視線が集まるのを感じた。

どうかしたのかと周りをうかがうと当初は周りが中世ヨーロッパ風の服装に身を包んでいる中、僕のパーカーにチノパンとスニーカという一人場違いの服装が珍しいのだろうかと思ったが、僕だけではなく、リディの方も注目を集めていたことからどうやら異世界の服装が珍しいというだけではなさそうだ。まあ、僕ら子供二人だけっていうのが珍しいのだろう。周囲は馬車を引き連れた成人男性やいかつい格好をした冒険者風の人たちが多く、子供の姿は見られなかった。


そうこうしている間に僕らの番がやってきた。


僕はどうすればいいのかわからないので、リディの方に視線を向けると少し顔を俯かせ、僕の服の袖をギュッと握っていた。リディも緊張しているのだろうか?いや、本来なら奴隷商の荷物として運ばれてくる予定だったから、どこかにいる飼い主に正体がバレるのを恐れているのかもしれない。


仕方ないので、僕が代わりに、門の前に立つ銀色の鎧を見に纏った僕より背の高い体格の良い門番に話しかける。


「街に入りたいのですが、大丈夫でしょうか?」


「そうか、身分証は持っているのか?」


身分証?どうやら、街に入るには身分証が必要らしい。それも当然か。身分証を持っているかどうか、リディの方に視線を送ると、彼女は小さく首を横に振った。まあ、彼女の身に起きたことを考えると持ってる方がおかしいか。仕方がないので、正直に答えることにした。


「いいえ、持っておりません。お金で何とかなりませんか。」


こういう場合は、お金を払えば何とかなるはずだ。多くの異世界ものの創作物ではそうだったから、きっと大丈夫。


「ああ、通行税一人2万シルを払えるのだったらそれで構わない。だが…」


よし!これで問題なく通れるな。あとは異世界ものでよくある魔法の水晶とかで犯罪歴を洗い出すとかいう痛くもない腹を探られるだけだろう。そう思いお金を袋から出そうとしていると門番は威圧感を込めて続けてこういった。


「…その前にいくつかこちらから質問をする。」


まじか、そうくるか。質問形式は困る。具体的には異世界人だから正直に答えても信じてもらえないもしくは怪しまれることがすごく困る。どうしようかと身構えていると、早速質問してきた。


「そっちの彼女とはどういう関係なんだ?」


「彼女は友達です。それで街に入ってもよろしいですか?」


「そう、友達か。街に入るにはもう少し待て。あといくつか質問する。」


「どうして、子供だけなんだ?」


「えーと、乗合馬車がありますよね。恥ずかしながら、休憩中、気分転換にと二人で寝ていましたら、置いていかれまして、仕方なく歩いてきました。では、街に入ってもよろしいですか?」


「親は気づかなかったのか?」


「私たちの親はその場にはいません。そもそも親が生きているかどうかもわかりません。ただ、生きるために冒険者になるべく、この街に来ました。もういいですか、街に入っても?」


「っ!さっきからふざけているのか?街に入りたい、入りたいとしつこいんだよ。質問に答えれば入れると言っているだろう!お前ら奥まで来てもらおうか」


門番は怒鳴り声をあげ、僕の腕に掴みかかった。リディが不安そうにこちらを眺めていたが、安心して欲しい。予定通りだ。僕の異世界妄想…じゃなかった異世界知識を舐めてもらっては困る。最初に質問をすると言われた時点、バッドエンド確定だ。だからあえて、質問に答えつつも、相手を怒らす。「質問に答えれば入れる」という言質をとる必要があったからだ。あとは、リディが上手く合わせてくれることを祈り、彼女に目配せし、僕はお腹を抱えてこう言った。


「やめて、漏れる。お腹が痛いんだよ!質問には正直に答えたし、通行税も払える。だから街に入らせてよ!野糞は嫌だ。う…恥ずかしいから言いたくなかったのに。」


僕は悲壮感あふりれる演技でそう言い、リディをチラッと見る。彼女はどうやら察してくれたらしく、小さく頷き口を開く。


「あ、スライムなんか食べるから。」


「…」


辺りが凍りついた。なぜか、門番だけではなく、周りの人たちからも哀れみの視線を感じたが、うん、ほんと、なぜだろう。


「あ、えーと、悪かったな、嬢ちゃんたち。トイレはこの近くだと、この先の通りをまっすぐ行ったところにある冒険者ギルドに行くといい。ついでに身分証も作ってもらえるから。早く行くといい。それと…スライムは食べるんじゃないぞ。」


門番は、さっきまでの喧騒な雰囲気はなりを顰め、優しく冒険者ギルドの方を指差し言った。


少し、思っていた反応と違うが、僕は、リディから通行税の2万シルを受け取り、それを門番に渡し、彼女の手を引き、足早にその場を離れた。


冒険者ギルドを向かう道中、やはり、周囲の視線を感じたが、この服装と、子供だけっていうのが目立つのだろう。隣で歩くリディの方を見るとまだ少し緊張しているようだった。さっき咄嗟に掴んでしまった手を離してくれない。


僕の視線に気づいたのだろう、彼女は心配そうな顔でこう言った。


「お腹は大丈夫なの?スライムなんて食べるからよ。」


「うん?さっきのは演技だし、スライムは美味しいからまた見つけたら食べるつもりだよ。」


僕がそう言うと「えっ、うそ、え?」と彼女は困惑し、「あんなに恥ずかしい思いをしたのに」と小さく呟いていた。


そうこうしているうちに、門番の人に案内してもらった冒険者ギルドがある建物についた。


中に入ろうとすると彼女は足をとめ、握る手を強めた。


どうやら、大勢の人前に出るのが苦手のようだ。それとも、例の事件で何かトラウマでもあるのだろうか。


僕は、彼女に優しく、「大丈夫だよ」と声をかけ、扉をくぐる。


僕の異世界知識第2弾を見せてあげるよ。


中に入ると、飲み屋みたいな内装になっており、多くの冒険者たちが騒ぎながら酒を飲んでいた。奥のカウンターにはアーマースーツのようなゴツい筋肉に今にも破れそうなギチギチのタキシードに身を包むスキンヘッドの男性がグラスを磨いていた。


どうやら、あのガチムチがここのギルドマスターのようだ。


僕は、周囲の視線をものともせず、自然な足取りで、カウンターの席に座り、ガチムチマスターに注文する。


「ミルクを2つ。」


決まった。このようなバー的な冒険者ギルドでは初めにこうするのがお約束だ。あとは…


マスターがグラスを2つカウンターに置き、ミルクを注ぐと、横から手が伸びてきた。


僕は「きた!」とこの後の流れを確信しながら、手が伸びてきた方に目をやる。


そこには、金髪のツーブロック、耳にはイヤリングをし、片方の腕だけ鎧に身を包んだ青年が立っていた。青年は、グラスをつかんだ腕を大きく振り上げこう言った。


「乳臭いガキが!ママのところに帰りな!」


そう、これが、異世界冒険者ギルドでの洗礼の儀だ。これをするとしないでは今後の流れが大きく変わる。僕は、満足気な表情で、顔面にミルクをぶちまけられながら、あたりを伺う。


多くの冒険者たちは体を震わせながら笑いを堪え、ガチムチマスターは微動だにもしていなかった。しかし、僕の後ろで座っていた彼女だけは、先ほどまでの不安そうな顔はどこへとやら、怒りの表情を浮かべ、手に力を込めていた。


僕は慌てて、彼女の前に手を差し出し、ミルクをぶちまけてくださった青年に感謝を込め、サムズアップしながらこう言った。


「ナイス、冒険者魂」


すると、またしても場が凍りつき、リディの方を振り返ると呆れた顔をしていた。


おかしい、僕は空気を読み正しい選択をしたはずなのに。


僕はどうしてかと先生に問いかけようとポケットのスマホを取り出そうとすると、ガチムチマスターがタオルを差し伸べこう言った。


「嬢ちゃん、とりあえずこれで顔を拭きな。」


僕はタオルを受け取り顔を拭く。…うん?嬢ちゃん?


僕は少し疑問に思いながらタオルを置くとガチムチマスターは続けてこういった。


「で、嬢ちゃんたちは何しにここにきたんだ。こいつの言う通り女の子が来る場所ではないぞ。」


また、嬢ちゃんって言った。しかも今度は女の子とはっきりと。そういえば門番の人も嬢ちゃんと言っていたな。僕は生まれてこの方どう見ても男なのに。


僕は自然と疑問を口に出していた。


「あの、僕、男なんだけど。」


「「えっ!」」


周囲は騒然とし、椅子や机がガタガタと音を立てる。ずっとそばにいたリディまでもが驚きの表情を浮かべていた。


「えっ!」嘘でしょ。


僕が、みんなが狐にばかされているんじゃないかと困惑しつつ疑っているとリディがオドオドと口を開いた。


「カイ、あなた男だったの?どう見ても女の子に見えるけど。鏡見たことある?」


失礼な、鏡ぐらい…そう思ったが、こっちの世界に来てから自分の姿を見ていないことに気づいた。そして、股間に感じる圧迫感がないことにも今更になって気づいた。


僕は顔を青ざめながら、マスターにトイレの場所を聞こうとする。


するとリディが何かを悟ったようにこういった。


「そういえば、カイ、トイレに行きたかったんだっけ?ゆっくりしてくるといいよ。」


僕はその言葉を耳で聞きながら、案内されたトイレに入り、恐る恐るズボンを下ろす。


「っ!」


そこには、あるべきものがなかった。

そっかー、女の子になったのか。今、流行りのTSだな。しばらく呆然としていると今度はあるはずのものがないことに気がついた。僕は男だったが、女性の体の構造ぐらいは知識として知っている。しかし眼前に広がるそこにはあれがない。それは…つまり。


無性。どうやら僕はニュータイプに生まれ変わったらしい。


どうしようかとひとしきり悩んだが、別に困ることではないと気づき、トイレを後にした。


僕がトイレから出て席に戻ると先程のミルクをかけてくださった青年、確か名前は…まあベスト冒険ボウケ二ストでいいか、がニヤニヤしながら話しかけてきた。


「おまえ、男だと思っていたんだって?随分とお楽しみだったじゃないか。」


僕は、はーとため息をつき肩をすくめてこう返した。


「女でもなかったけどな」


すると、いつの間にかガチムチマスターのそばに立っていたオレンジ色のショートヘアの細マッチョな女性が、僕の腕と隣にいたリディの腕を引っ張り「こっちにきな」と言い、裏口の方に連れて行った。


僕たちは、なされるがままに部屋に連れて行かれると僕たちを引っ張った女性、うーんとオレンジ細マッチョ、が僕の方を見てこう言った。


「服を脱げ。」


は?何を突然。変態かな。と僕は「いやだ」と答えると、体を拘束され、なぜかリディまでもが協力して服を脱がし、恥部をまじまじと見られた。やめて、お嫁?にいけない。


「本当だ。何がとは言わないが、何もない。カイ、こっちの世界にくる際に何かされた心当たりはないの?」


そんなことを言われても、アンケートに答えたら、いつの間にかこっちに来ていたしな。そういえばアンケートの性別欄にその他って選択した覚えがあるな。…でもその他って答えたくないときに選択するものだし、関係ないか。

僕は一人納得し、「ないかな」と答えると、彼女は何か呟きながら考え事を始めた。


僕は、場を取り持つように「気にすることはないよ。困ることは何もないし。」と明るくいい、部屋を出ようとする。


後ろで、「そんなんじゃないし」と声が聞こえたが、気にせず、扉のドアノブに手をかけながら、彼女たちも一緒に戻るよう話しかける。


「さあ、さっきのカウンターで、ガチムチマスターに冒険者登録してもらお!」


すると、リディの肩に手を置いていたオレンジ細マッチョがこう言った。


「冒険者ギルドのマスターは私だよ!」


「「えっっ!」」


僕たちは予想だにしなかった答えに、驚きを隠せなかった。


じゃあ、あのガチムチマスターは一体何なの?




お読みいただきありがとうございます。


先日、推しのシンガーのアニメ化pvが発表され、一喜一憂な日々を過ごした仁奈です。


皆様、たくさんの感想ありがとうございます。

面白い、つまらない、表現が稚拙、パクリ、読みづらい、ツンデレが適当、後書きが余計、リディかわいい

等々とても参考になりました。・・・・・・・・・・

はい、嘘です。感想は相変わらずゼロでございます。


全て、もう1人の私が垂れ流す幻聴でございます。

数十人の貴重な読者様、思ってた感想はございましたか?もしあるようでしたら安心してください。もう1人の私が逐次、あなた様の感想を代弁してくれます。 感想がなかった方々、不満は残さず、規定に引っかからない程度で一緒に発散しましょう。


さて、今回も本編に少し触れていきましょう。

この度、ついに主人公の容姿が描写されました。



正直言って、生きる上で性別って邪魔じゃないですか?

-それってモテないやつの僻みじゃ。

…違います。彼彼女がいたことがないからではありません。 

-じゃあ、ただのー。

はいそうですよ。彼彼女がいないからこうなりましたよ。私はどうすればいいんだよ! う、うう、人の温もりが欲しい。



はい、申し訳ございません。もう1人の私が取り乱しました。あくまでももう1人の私が思ってることで私とは違いますのでご承知ください。フィクションでございます。


まあ、そういうわけで、主人公は無性ですけど、まだ芽生えぬ彼女の恋心はどうなるのでしょうか?私もすごく気になります。


ということで、ここまで、読んでくださった皆様ありがとうございます。次回、ついにスキルが、魔法が出てきます。やっと異世界らしくなってきましたね。


では、引き続きよろしくお願いいたします。


次回 住所不定は、『お住まいの地域』ってどうすればいいの?


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