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アンケートから始まる異世界生活  作者: 仁奈
第一章 アンケートから始まる異世界生活
3/17

第三問 名前欄に本名かニックネームで迷うのは僕だけじゃないはず。


初めまして、仁奈です。

練習の一環として挙げていきます。ちなみに何の練習かは…秘密です。

よければ忌憚ない意見をくださいね。

※建前ですので、本気にしないでください。心閉ざすかも。笑。


お待たせしました。第3話です。


コミュ障にとってニックネームは、ハードルが高いものです。

そしてセリフを考えるのは金メダル級に難しい。

次回以降、セリフどうしよう?


全13話を予定しております。

短い間よろしくお願いします。

「Hello Sirシア。異世界に来たけどどうすればいい?」


ポンッ


『すみません。経験がないのでわかりません。』


そっかー、先生でもわからないか。なら仕方ないよね。


僕は手持ちのスマホでこの状況の解決策を調べたが結果は芳しくない。まあネット回線がないからできる事はないんだけど。ちなみに充電は残り80%。音楽でも聴こっかな。画面の再生ボタンを押し音楽が流れたのを確かめつつ、膝でぐっすり眠る少女に視線を向けた。

言わずもがな、先生にこの件についても先ほど、尋ねている。しかし「寝ている少女がいるけどどうしたらいい?」と尋ねたら『´д` ;#Metoo案件ですか』と返さられた。先生が冷たい。一人泣きそうになった事は内緒だ。


しかし、よく寝ているような。さっきまであんなに頭を撫でられていたのに。どうしてこんなところにいるんだろう。状況から考えるに攫われたところをさっきの黒ずくめの人に助けられたってところかな。身長は140ぐらいで、黒を基調とした控えめなゴスロリ服に身を包み、腰回りまで伸ばしたプラチナゴールドの髪がよく映えている。幼さを残した顔つきに何処か気品のようなものを感じられる。どこかの令嬢だろうか。そう思えるほど少女は清潔感のある姿をしていた。

しばらく顔を覗いていると、うっすらと瞼が開き、アメジストのような輝きを持つ瞳と目が合った。


あ、これはまずくないか。目が覚めたら知らない男性に膝枕され、顔をジロジロ見られていたら…先生!これは#Metoo案件ですね。


おおお落ち着け、僕。まだ事案ではないはずだ。目が覚めたばかりで状況がわかっていない今、落ち着いて説明すれば大丈夫なは…ず。よ、よし、第一声が重要だからな、うん、失敗するなよ僕。


「お、おはよう、気分はどう?」


「っっ!!」


少女は声にもならない悲鳴をあげ、勢いよく起き上がり、あたりに鈍い音が響き渡った。

うん、そうだよね。あれはダメだよね。

僕は強い衝撃受けると共に意識が飛んだ。




どのくらい意識が飛んでいただろうか。気がつくと少女が手にしたスマホと僕に慌ただしく視線を動かしていた。


「何してんの?」


僕が声をかけると、少し体をびくつかせながら、少し申し訳なさそうにスマホを差し伸ばしてきた。スマホからは某アニメのサウンドトラックが鳴っていた。そういえば音楽を流していたんだっけ。スマホを受け取ると少女は少し震えた声で応えた。


「さっきはいきなり殴って、ごめんなさい。でもあれは仕方ないと思うの。だから許してね。」


「いや、それについては僕も軽率でした。何もしてないから安心して。」


「当然よ。そ、それでそれはなんなの?音楽はそれからなっているように思えるんだけど?アーティファクトか何かなの?」


少女はそう言って、先ほど僕に渡したスマホに指を差しながら尋ねてきた。

しまったな。スマホの説明は正直めんどくさい。とりあえず、音楽は消すか。


「Hello Sir 音楽消して」


ポンッ


『了解しました』


「え!喋った?これ今言葉を話したよね。使い魔か何かなの?」


少女は顔を近づけ迫るように問いただしてきた。


ち、近い。もうすぐで鼻が触れそうだ。けどまあ、そうだよね。急に話したらそう反応するよね。少し軽率だったと後悔しつつ、めんどくさいが正直に答えることにした。


「さっきのは先生、このスマホっていう道具の機能の一つ。スマホは、まあ便利だったものだよ。」

「うん?だったもの?今は違うの?」


「そうだよ。脳みそとも言える本体と切り離されたし、残りの寿命も数時間ってところだからね」


「ねぇ、それって大丈夫なの、先生もう直ぐ死んじゃうってことだよね。」


あーどうやら、勘違いは正せなかったようだ。まあテレビを知らない人に見せたら中で生きていると思うって聞くしな。もう面倒だからそのままにしよっか。どうせ使えなくなるしそれでいいや。それよりもずっと気になることがあるし、それを解決する方が重要だ。


「うん、そうだね死んじゃうね。それよりも、どうしてこんなところにいるの?」


「軽!ねぇ、あなたの大切な使い魔じゃないの?あなたって見た目より冷たいんだね」


適当に流したら冷ややかな目で失礼なこと言われた。女の子から面と向かって冷たいとか言われると結構心にくる。うん、泣きそう。でもさ、仕方ないじゃん。スマホは大切だし、先生には日頃学校でお世話になったよ。でもここではろくに使えないし、それよりも今の状況を知ることが僕にとって大事なの、と心で反論しつつ、先を促す。


「まあいいわ。あなたと先生の問題だし。そうね、私にもわからないことが多いけど、突然家が燃え出して、気づいたら袋詰めされていたの。袋から出ようとしたけど、からだを縛られているみたいでうまくいかなくて、死を覚悟したわ。これからの奴隷人生を思ってね。そしたら今度は、大きく体が揺れて大きな衝撃を受けて気を失ったみたい。そこから何があったか分からないけど、目が覚めたらあなたに膝枕されていたのよ。」


そう話すと少女は視線を下にむけ、息を吐くように小さく掠れた声で「みんなは大丈夫かな」と確かに呟いた。


…うん、すごく重い。正直関わりたくないと思ったが、聞いた手前、無視するわけにもいかない。ふと名前を聞いていないことに気づいたので聞いてみることにした。


「それは、大変だったね。ご愁傷様です。…ところでお名前聞いてなかったね。」


「うん?名前?あなたが先に名乗りなさいよ。それが礼儀でしょ。」


「あ、ごめん、そうだよね。僕の名前はカイト。峰岸 邂人です。で、君の名前は?」


「えっ、カイト?…女の子みたいなのに…」


僕が名乗ると、鳩が豆鉄砲を食ったように唖然とした表情を浮かべ、ジロジロとこちらを見てきた。そんなにおかしな名前だったのだろうか。普通の男の名前だと今まで思って過ごしてきたけど、女の子と言っていたことから、カイトはこの世界では女の名前っぽいな。そう考えるとこの反応は納得がいくし、そうなると返す言葉は決まっている。


「男の名前で何が悪いんだ!僕は僕だ。…ゴホン、まあ、別にいいだろう。それよりも君の名前をまだ聞いていないんだけど?」


少し滑ったような気がしたが、言いたいことを言えたのでよしとしよう。一人満足気な顔をしていると、申し訳ないような、少し同情を含んだ表情で彼女は言った。


「あ、ごめんなさい。そうよねあなたはあなただよね。うん、えーと私の名前は、リディア=クレモニア クレモニア家の一人娘よ。」


クレモニア家?やはりどこかの貴族だろうか?そう思って思わず聞いてみたが、失敗した。


「そうね、立派な領主だったわ…今も無事なら」


彼女は悲しそうな表情でそう呟いた。


僕は場をとりなすべく慌てて、話しかけた。それはもう、これ以上重い話に関わりたくない一心で。


「ねえ、リディ。ここがどこかわかるかな?どっちに行けばいいか分からないんだけど?」


「リ、リディ⁉︎…ま、まあ別にいいわ。えーと」


どうやら愛称で読んだのがまずかったようだ。彼女は少し戸惑いながら、辺りを見渡した。


まあ、慌てて読んでしまったけど、女の子にいきなり愛称はないよね。少し恥ずかしくなった。次からはさん付けしよう。リディアさんが場所を確認している間、反省しているとこっちをみていたので、どうやらわかったようだ。


「ここは、スタディアの街付近ね。こんなに広けた草原は他にないもの。クレモニアとも森を挟んだところにあるから位置的にも間違いないと思う。それよりも、どうしてあなたが知らないよの。こんな一本道で迷子なわけがないし。あなた…カイは何者なの?」


すこし、警戒はされているようだが、名前で呼んでくれた。しかも女の子に愛称で。少しテンションが上がり、心のHPが回復すると同時に、その質問の答えに困った。異世界から来ましたなんて言って信じてくれるだろうか。少し考えるも面倒なので正直にいうことにした。


「えーと、気づいたらこの世界にいたんだよね。あっ、昨晩の騒動とは無関係だからね。どこに行けばいいか分からず、野宿してて、起きたら、ああなっていたから。ほんと、犯人じゃないから、ただの一般人だから。安心して。」


「その言い方だと、全然安心できないんだけど。…でもこの世界ってことは別の世界からあなたは来たの?」


僕は軽く頷くと、彼女は何か考えるように下を向き、突然ハッと顔を上げた。


「カイ!あなたこんなところで夜を明かしたの?馬鹿なの?あなたの世界の常識は知らないけど、普通道があるなら歩くでしょ!ここは昼間は魔物はほとんど出ないけど、夜は魔物の巣窟よ。死にたいの?馬鹿なの?」


何をいうかと思ったらいきなりの罵詈雑言。もっと異世界のこととか気になるところはあると思うんだけど。しかも、馬鹿って2度も言われた。僕の心のHPは赤く点滅している。ほんと泣きそう。お前もそこで寝ていたからなと反撃したかったが、不利だと思ったので、話を変えるように答える。


「うん、そうだね。気をつけるよ、リディアさん。ところで、スタディアの街はここから近いの?とりあえずそこに向かうと思うんだけど、どうかな?」


「え、えーと、ここら半日も歩けば着くと思うけど、ほんと何も知らないのね。」


そっか、半日歩けば街に着いたのか。昨日の僕選択間違っているよ。でも、まあ…


「そうだね、リディアさんに会えて良かったよ。馬車の残骸に食料とかあるかも知れないから探してから街に行こう。」


こんな何もない草原でも、夜は魔物の巣窟とか、異世界怖すぎるだろう。一人だと絶対に死ぬ。彼女に会えたことは不幸中の幸いだったな。


そんなことを考えながら、残骸に足を向けると、後ろで何かつぶやく声が聞こえた。「え」と問い返すと彼女は何故か恥ずかしそうに声を荒げた。


「名前!リディでいいよ!」


彼女はそう言葉を残し、残骸の方に走って行った。


なんか知らんけど、愛称呼びが認められた。こ、これは、噂に聞く『ツンデレ』とやつですね。先生。こっそり、先生に問いかけると『違います。勘違いしないでください』と返ってきた。まあ、それもそうか。と納得し、僕も残骸を漁ることにした。


お読みいただきありがとうございます。

皆様、前書き振りでございます。最近、音楽同位体なるものにハマり始めた仁奈です。

本編はいかがでしたか?よろしければ感想を書いていただければ幸いです。pv数が少なすぎて、フィードバックができておりません。多少の罵詈雑言には耐えられると思います。先日、先達の魔導書で食いしばり?を覚えましたので、きっと大丈夫です。

さて、少し本編に触れたいと思います。皆さんお分かりいただけましたように、Hello Sirは 某音声アシストからアイデアを拝借しております。最初は、先生、ティーチャーにしようとしましたが、英語圏では、Sirサーというらしいです。勉強になりましたね。本編主人公は親しみを込めてSirシアと呼んでいます。決して、友達がいないとかではございません。本当です。ちなみに私の学生時代、そんなことをした経験はございません。これも本当です。だから、哀れみの目を向けて、星5評価を入れるのはやめてください。傷つきます。

まあ、冗談はこれぐらいにして、本編も4分の1が終わりました。少しネタバレすると冒険者になったり、衝撃の事実が判明したりしなかったりします。現実のせいで少し期間が空くと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

※ついでに後書きの練習をしてみました。いかがでしたか?

まだ見ぬ、書籍化に思いを馳せて。

敬具


次回 選択肢のその他って大抵冒険者のことらしい。

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