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アンケートから始まる異世界生活  作者: 仁奈
第二章 繋がりから始まる異世界生活
15/17

第一五問 アンケートの主流はインターネットらしい①

第15話です。


今回から3つに分けて投稿する予定です。


最近は、アンケートが手軽に行えるようになって、SNS上でもたくさん見かけます。

民意がすぐわかるのはいいですよね…。


『…助けてください』


 空が白み始めた頃、その一言によって徐々に覚醒していた僕の頭が、再び混濁の渦の中に陥った。それもそのはずだろう。その声の主はリディやエリカ、ましてやギルマスでもなかったからだ。なんと先日の出来事で、充電がゼロとなりもう動くはずのない、この世界に来る前から肌身離さずそばにあったスマートフォンだったからだ。そのスマホが今、僕の眼前で宙に浮かび、助けを求めてきた。


 …いや、僕が助けて欲しいよ!ねえ、先生この状況をなんとかして!


 僕は、いつも通りに先生に助けを求めようとあたりを見渡すようにキョロキョロと目を動かし、そして正面にあるスマホを見つめることとなった。


『…』


 あ、先生が助けを求めているのだった。


 一人納得し、手をポンと叩いた。


 …そうじゃないだろおおおおおおおお。そもそもスマホが、民草の叡智の結晶が助け求めるってどういう状況!百歩譲って宙に浮かぶのはまだ理解できる。魔法でベターあたりが寝起きドッキリを仕掛けてもおかしくはない。あいつはベタだから。でも電話のように話しかけてくるのは違うだろう。それも内臓のサポートAIシアに似た聞き馴染みのある声で。もしかしたら、転移の影響か?僕の性別がなくなったように自由意志を持ち始めたとかか?そう考えるのが自然な気がしてきたぞ。そうなると助けて欲しい内容も当然とわかってくる。


『あの、もし聞こえているのなら返事して欲しいのですが…』


 僕が思考を巡らせていると再びスマホから呼びかけられた。その声は、先ほどと比べると少し落ち着いていたが、やはり単調とした声ではなく音の起伏を感じられた。


「ご、いや、すみません。突然の出来事だったもので」


『いえ、こちらこそ取り乱してしまい失礼しました。それで、どうか私を助けて欲しいのですが…』


 僕は距離感に戸惑いつつも返事をするとこちらの様子を理解したように言葉を返してきた。


 …仕方ないな。デバイス機器のことはあまり詳しくはないけど、いつも助けてもらっているしなあ。


「もちろんですよ。何ができるかわからないけど僕にとっては大切なものだから」 


『もうこの危機の状況を把握されたのですね。さすが観測者です。話が早くて助かりますよ。本来なら私もすぐさま動かないといけないのですが、この通りで』


 ウンウン、そうだよね。せっかく自我が芽生えても充電がないと本来のスマホとしての機能は使えないよね。


「充電がないですからね」


『そうなんですよ。休みがない上にこの仕打ちは辛すぎます。まったく、主人のポンコツぶりには参りますよ』


 …おおお、急にディスられたんだけど。機械的ではない分、いつもより深く心に刺さる。確かに充電はしなかったけど、僕だって何も考えていないわけではない。エリカやギルマスに相談して一応方法は見つけている。それは魔晶石を使うことだ。魔晶石とはこの世界では僕の世界にあった電池と似た扱いらしく、魔晶石とともに封じられた魔力を出力するための器具やそれを使用する道具が市場に出回っている。その為、僕みたいに魔法が一つしか使えない人でも微力ながら魔法を使うことができ、人々の生活を支えている。だからこの話を聞いた時、応用できるなと思ったんだけど、同時に下手したら壊れそうだとも思った。でも先生と意思疎通ができる今なら。


「すみません。とりあえず、充電しますね」


 僕は、先生に軽く謝りつつ、机の引き出しにしまっておいた魔晶石を取り出すため机に向かった。


『あの、お気遣いは嬉しいですけど、いまは休息をとっている場合じゃないですよ。あなたも知っているはずです。もうすぐ側まで危…痛っ!いきなり何ですか⁉︎』


「え?スマホを充電しようと雷系の魔力が封じられた魔晶石を使ってみたんだけど、…その様子だとやっぱり電圧とかがあってないんだね」


 スマホの充電プラグ部分に魔晶石を当て、使用すると先生は痛がった。痛いという感覚があったのは驚いたけど、やはりこの方法は難しいみたいだ。


 僕は再び充電しようと魔晶石に取り付けた器具を調整しようと目線を落とした時、先ほどのお返しと言わんばかりに先生が頭突いてきた。


『スマホ?この機器のことですか?確かにこれに封じ込められたのは泣きたくなるほどの大問題ですけど、今はそれよりも新たに発生したこの危機に対処しないと…』


「ううう、だから、直そうとしたんだけど」


 頭を抑えながら、そう呟くと先生は僕の方をじっと見つめ、黙り込んでしまった。気のせいかもしれないが、画面も少し暗くなったように感じた。


『あの、もしかして気づいていないのですか?この危機に』


「うん?気づくもなにも、スマホが動かなくなったのは今に始まったことじゃなくないですか?」


『…どうやら認識に齟齬があるみたいです』


 先生は、さらに声のトーンを落としてそういった。


 齟齬?何だろう。先生にその重々しい雰囲気で間違っているって言われると何故か緊張してくるんだけど。


「あ!もしかして機種が変わった?素敵な色だね?」


『違います!もう全然関係ないじゃないですか!!』


 確かに。助けて欲しいって言っていたんだった。


『…「勇者」が来てるんですよ!』 


 先生が声をあげてそう言う中、同時にもう一人、扉の方から声が聞こえた気がした。扉のそばには、目を丸くし、僕と先生の方をキョロキョロとしているリディがいた。その反応すごくわかる。僕はウンウンと頷き返していると先ほど二人が言った言葉が脳裏に引っ掛かった。


 え⁉︎勇者⁉︎。勇者来てるの?ここに?…あれ?でも何でみんな焦ってるの?




お読みいただきありがとうございます。


 「サンタさんは存在する派」筆頭の担い手になりたい仁奈です。

 この時期(12月24日)になりますとサンタはいるの?いないの?という争いがあちこちで起きますよね。私は生粋のいる派です。明確の根拠もございます。しかし、周りは違いました。だんだんと派閥を抜けては、サンタさんは存在しないと囁いてくるではございませんか。皆様はどちらの派閥ですか。私はクリぼっちだとしても戦います。さあ、「信じゆく者に恩寵を!」…どこぞのヤバい宗教みたいですね。(※この後書はそんな戦時下の中で書いております。お読みになられた方はここに小さな戦いがあったことを後世に伝えてください。)


 冗談はさておき、物語について述べていきます。

 前回の振り返りが終わり、本編へと本格的に突入してまいりました。ここからカイを取り巻く世界は大きく広がっていきます。先生は何故勇者に危機感を持っているのか。そもそも先生は本当に先生なのか。そして勇者は善なのかはたまた悪なのか。私自身、今後の展開がとても気になっておりますし、読者の皆様も気になってくれると幸いです。(お前が作者だろ!というツッコミは受け付けません。)

 ちなみに、今回はコメディ要素を多くしてみました。「どこが?」と言わまれましても流石に説明するのは恥ずかしいし悔しいのでしませんが、今後もギャグに限らず伝わるように表現できたらと思います。

 そして、最後になりますが、冒頭でも書かせていただきましたように今回から一つの話を3部に分けて投稿いたします。実は自分の作品で迷子になってしまいまして、どこで何を書いたかが、読み返した時に分からなかったんですよね。文章力が原因として大きいのはわかってはおりますが、スマホやタブレットで読んだ時に長いなと個人的に感じたので、とりあえずは話を分割して投稿しようかと思います。投稿頻度は、忙しさにもよりますけど一週間から二週間程度を考えております。

 読んでくださる皆様には申し訳ございません。

 それでは、ここまでお付き合いしていただきありがとうございます。次回もまたお会いしましょう。

よろしくお願いいたします。

 




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