表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/7

狙い

 その頃、森長可は木曽義昌との境界付近で緊急の軍議を開催。議題は勿論、木曽義昌への対応。そこへ……。

「殿!春日信達に御座います。」

森長可:春日殿か!入られよ。

春日信達:持ち場を離れてしまった事。お詫び申し上げます。

森長可:いや緊急事態故仕方ない。ところで上杉の動きはどうだ?

春日信達:はい。長沼城より

「異常無し!」

との報告を受けています。連絡体制に不備はありません。もし緊急事態が発生しましたら……。

森長可:海津城に戻り、指揮を採るようお願いする。

春日信達:わかりました。ところで木曽義昌は今どちらに?

森長可:木曽福島にも深志にも居らぬ。

春日信達:えっ!?となりますと安曇の何処かに?

森長可:いや。そこでも無い。奴は今……。


 伊那郡に入っている。


森長可:伊那郡は毛利秀頼が治めていた場所であるが、彼は尾張に戻っている。今、あそこを治めている者は居らぬ。

春日信達:伊那郡の接収に乗り出しているのでありますか?

森長可:私もそれを疑った。故に奴の家臣を引っ張り聞き取り調査を行った。その結果、奴の狙いがわかった。それは……。


 森長可の不在を衝き、川中島の制圧を狙っている事を。


春日信達:私の所でありますか?となりますと木曽は上杉と手を。

森長可:更に調査を進めたが、その証拠を得るまでには至らなかった。

春日信達:殿は木曽と上杉の関係について、どのように考えられているのでありますか?

森長可:仮に木曽と上杉が通じているのであれば……。


 もっと早い段階に。それも最短距離で川中島を目指していたであろう。


森長可:それに木曽が上杉と手を結ぶ事は、織田と手を切る事を意味する。

春日信達:はい。

森長可:ならば主の居なくなった伊那郡を接収するのが先であろう。

春日信達:確かに。

森長可:しかし奴がやっているのは……。


 兵の募集。


森長可:奴の手勢だけでは川中島を奪う事は出来ない。つまり上杉と挟み撃ちにする段取りが出来ていない事を意味している。恐らく奴は、私を避けるように伊那から諏訪。小県を経て川中島を目指すと考えている。途中、協力者を募りながらな。

春日信達:殿は如何為されますか?

森長可:少なくとも私の管轄を狙っているのは事実。このまま美濃に戻るわけにはいかない。それに義昌不在とは言え、木曽谷は奴の本拠地。その向こうの美濃の情勢も不透明。簡単に通れるとは考えていない。

春日信達:殿。

森長可:如何為された?

春日信達:私の策を……聞いていただく事は可能でありましょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ