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神々の寵愛  作者: Memu
第三章
19/20

幕間

 圧倒的な光景だった。主の強さを疑っていたわけではないが、この戦いを見て彼女の強さを再確認した。そして、あの方と互角に渡り合うウル。自分はきっとあのリングの上で、一分も立っていられないだろう。

「すごい...」

漏れ出た称賛の言葉は、そのままリンカの心情を表していた。驚いていたのは、彼女だけではなかった。同じように隣から息を吐く音が聞こえてきたからだ。

「ああ、全くだ。ウルもカリンも相当にやるようだね」

エルの姿を盗み見れば、彼は食い入るように二人の戦いを見つめていた。実は、この戦いを一番楽しく思っているのはエルなのではないか。そう思わせるほどに、瞳を輝かせて正面の情景に魅入られていた。

 いつの間に時間が過ぎ去っていったのだろう。気がつけば、二人の戦いは佳境へと差し掛かっているようだった。見たことのない色の炎を両手に纏い戦うウルと相対する氷華の姫君。すると、突然カリンの雰囲気が変わった。具体的にどう表したらいいのかはわからなかったが、とにかくいつもとは明確に違うということだけがわかった。リンカは驚いて、自然とエルの方を見た。しかし彼は先ほどと違い、何事かを考えている様子で、目を閉じて顎に手を置いていた。

「国王様、何か問題でもお有りですか?」

「...いや、少々考え事をしていただけだ。それよりも、リンカ。君に一つお願いしたいことがあるんだ」

 リンカの顔を正面から見据えて、エルは言った。国王、という立場にあるのだから、現状不安定な立ち位置に身を置いているリンカのことなど粗末に扱ってしまえばいいのだ。だが、彼は真剣に誰に対しても平等な"お願い"をしようとしている。こういうところは、少しだけ自分の主に似ている、と僅かに言葉を詰まらせた。

「_...どのようなものかお伺いしても宜しいでしょうか?」

恐る恐る、といった様子でリンカは尋ねる。そんな彼女の心情を少なからず察したのだろう。エルは表情を和らげて、やや低めの声音で笑みを漏らした。

「そんなに身構えないでくれないか。お願いだとは言ったが、ただ...気になっただけなんだ」

そこで言葉を切り、エルはリングの上へと目線を向けた。つられてリンカも二人の姿を視界に収めた。戦いを見守る二人の間へ、しばしの沈黙が訪れた。やがて、彼は妹の勇姿に目を細めながら口を開いた。

「あの子のことなんだ。...嫌だったら言ってあげて。そちらの方がきっと喜ぶだろう」

あの子、というのは、ウルのことなのだろう。だが、それだけがわかったところで、如何せん話が見えてくることはない。

「失礼ながら何のお話でしょうか?特段、嫌なことなど御座いません」

 眉を顰めながら尋ねれば、エルは一瞬だけ此方を横目で眺めて、また正面へと視線を戻した。

「そうかい。ならいいんだが...いや、ね。実は君たちに声を掛けるより早くから、あの状況を見ていたんだ」

少しばかり入りづらくてね、と頭をかきながらはにかんだ。確かに、自分が彼の立場なら同じ対応を取っただろう。リンカは一つ頷きを返した。

「そうだったのですか。だとしたら本当に、嫌なことなど思いつきませんが...?」

ホールを出た後のやり取りを回想してみても、やはり筆頭して思い当たるものはなかった。首を傾げるリンカの方へまた視線を移し、彼は自身の感覚のまま心象を告げた。

「リンカ。君はあの一瞬だけウルのことを警戒した。...より厳密に言えば、ウルが君に向けて伸ばした手を、かな?」

「.........」

返す言葉が止まる。すぐさま否定しようと思った言葉の限りは、全て喉の奥につっかえて出てくることはなかった。エルはその様子を何処か悲哀を帯びた眼差しで見つめていた。

「だが、すぐに、諦めたような気配を感じて、警戒が弱まった。リンカはヒトに触れられるのが苦手かい?」

核心を突かれ、リンカの中に動揺が走る。この短期間で、彼は一体何処まで見透かしているのだろうか。どこまでも真っ直ぐなその瞳は、昔のあの方にも引けを取らない。

「多分、そうなのでしょう。カリン様にも、昔同じようなことを聞かれた憶えがあります。ですが、それは誰かに触れられることに慣れていないせいだと思います。実際、王女様に頭を触っていただいたときも、嫌ではありませんでした。むしろ......」

 温かな感触。リンカを見つめる優しい眼差し。数年前の自分ならば、それが誰に向けられたものなのかもわからなかっただろう。温もりの一つでさえも、感じることができなかっただろう。彼女の視線は自然とリングの上に立つ主の姿を捉えた。

 非情で何モノにも無関心。執着するものはなく、他者からそれを求めたこともなかった。冷徹な人殺しには似合わない、と切り捨て、研ぎ澄まされた刃は、いつの間にか収める場所を見失っていた。彷徨うほどに赤く、移ろうほどに気色の悪いあの感覚は、収めどころを得るまで続いた。あの日、確かに生きたモノの温もりが全身に覆い被さった。同時に、欲しかった熱を奪っていく鉄のような臭いが鼻腔を掠めた。

(そうでした。鮮明に覚えています。あの日もこんな感じで......)

脳裏に描かれた記憶が、朧げに捉えていた事象へとリンクしていく。その内、目の前の状況にリンカの思考が止まった。リングの真下にいる隊員達も、隣りにいるエルでさえも動揺を隠しきれないようだ。そんな中、事態の中心に属するハーフツインの少女は彼らへ向かって声を投げる。

 ウルから出された指示に隊員達が行動を始める。その様子を一通り眺めて、ようやくそれが現実であるということを咀嚼する。リンカは精一杯の速歩きで主の下へ向かう。

「王女様、私は何をお手伝いすればよろしいのでしょうか?」

ウルへと話しかけながらも、リンカの視線は一向にカリンの方から外されることはなかった。ほんのりと頬が朱に染まっているようだ。普段、どちらかと言えば、人形じみた真っ白な顔色をしている彼女。初対面の者達が揃って帰依することもあったそうだ。...まあ、その気持ちはすごくわかる。

 余談はさておき、水属性系統の魔に目に見て取れる程の温かみがあっては駄目なのだ。血液を伝い、全身に流れた魔法が熱と反発し合うことによって、命に関わることも少なくはないのだ。

「あら、リンカも手伝ってくれるのね!それなら、先に部屋へ戻って、カリンを寝かせるための準備とか医療機器を置くためのスペースの確保とかしててもらえるかしら」

この状況には似つかわしくない明るい声音が聞こえて、ようやくリンカの目線がウルの顔を捉えた。その表情を見て、すぐに気を使われたのだろうということがわかった。だからこそ、リンカもつとめて明るく返した。

「はいっ、喜んで!!」

一度だけ主へ視線を移し、リンカはその場を後にした。王城にしてはやけに人気のない城内を通り、足早に部屋へと向かう。スペースの確保とは言われたものの、主の部屋は相変わらず生活感がほとんどない。その中で、勤勉な彼女が広げていた資料の山を手に取り、側の机へと積んでいく。島の歴史書から魔法の詠唱が書かれた本、果ては言語についての本まで。その種類は多岐に亘った。

 作業を続けるうちに、リンカの手は段々と速まり、程なくして全ての本が机の上にキッチリと積み上げられた。その光景を満足そうに眺め、リンカはウルの手伝いへ向かおうとする。

(...っ......!?)

もう少しでドアノブへ掛けられようとしていた手は、既の所で止まった。ドアの外に何者かの気配を感じたのだ。城に従事する者ではないはずだ。何故ならば、希薄な気配の中に微量な殺気が見え隠れしているのだから。

 思わず、リンカは腰に帯びた短剣へと手を伸ばした。固く冷たい柄を握りしめ、一息にドアを開けた。

「どなたでしょう?」

「っ......」

部屋からいきなり飛び出してきたリンカに一瞬面食らうものの、正面にいた気配の主は気さくに声をかけてきた。

「何だ、リンカか」

口を開いた彼の姿を目に止めて、リンカはため息がちに警戒を解いた。もう、彼から滲み出ていた殺気は綺麗になくなっていた。

「何だ、ではありませんよ。全く、今まで一体何処にいたのです。ラウ?」

死者の象徴である白き耳と尻尾を輝かせながら、ラウは言いにくそうに口ごもる。虚脱感の後、呆れた目で彼を見つめていれば、やがて曖昧な返答と共にそれは返ってきた。

「すまん......」

ラウのその行動にリンカは目を見開いた。目の前で彼が反省したように頭を下げたからだ。初めて見る光景に、自ずと気分が良くなってしまうが、同時にリンカはため息をつく。一目瞭然だ。彼にはこの件に関して一切の説明を行う気がないのだ。

「はあ、仕方のない後輩ですね」

 疑ってくれて構わないくらいには思っていたのだろう。情けないほどに下がった尻尾が、僅かに揺れ動いた。らしくもなく下げられた頭が上がり、ようやくラウと目線が合う。

「本当にすまんな。リンカ...ところでカリン様とご一緒ではないのですか?」

彼の表情がいつもの取り繕った笑みに変わり、嘘くさい口調とともに問いかけられる。しかし、ラウの偽った平常運転に対して、リンカは心の何処かで安堵する。それがどうしてなのかはわからなかったが、確かに虚像の彼を見て心が落ち着いた。

「カリン様は王女様との試合の最中に突然、倒れられました」

「っ...!?」

リンカの話もそぞろにラウは目の色を変えて、その場から駆け出そうとする。彼の中心には、いつだってカリンの存在がある。それに関しては、リンカも他者をとやかく言うことはできないのだが、目の前でこうも自分の鏡写しを見せつけられると自然とため息が出てしまう。

「話は最後まで聞くものですよ。カリン様のことは現在、王女様が診てくださっています。日頃のお疲れがたたったのでしょう」

「王女様というのは、あのピンク髪のことか...」

リンカの言葉にラウのテンションが目に見えて下がる。相変わらず、彼はカリン以外のものを信用していない。

「それにしても、素晴らしいお二人の試合を見ることができなかったワンちゃんが可哀想でなりません」

手で目元を覆い隠し、泣いているような仕草をすれば、指の合間から額に青筋を浮かべる彼の姿が目に入った。

「チッ、自慢話かよ。うぜえ」

不満げに尻尾を揺らし、口の隙間から生え揃う牙で威嚇してくる、その様はやはり獣なのだとリンカに強く思わせた。

 感情のまま、それ以上に何かをすることはなかったが、不機嫌そうな様子で「もう話が済んだなら、俺はカリンのところに行くからな」とその場を今度こそ後にする。

「そういえば、片付けは終えたのですか?」

 彼の背が少し小さくなっていたとき、後手にふと思い出したことを呟けば、ラウの足が不自然に静止した。流石にそれを看過するほどリンカは易しくない。静かに彼の背を追いかけ、手を掴む。

「おい!リンカ、放しやがれっ......いってぇな!!」

「そんなことだろうと思いましたよ。全く、仕事くらいはして下さい」

掴まれた手を振り解こうと試行錯誤していたラウだったが、その前にリンカが力を緩めた。やけにすんなりと解放された彼は短い思案の後、ホールの方角へと歩き始める。リンカはその後を先程より柔らかな表情で追いかけていった。

_______

 水の流れ続ける音だけが聞こえる中、三人の間を少しギクシャクとした空気が通り抜けていった。いや、厳密に言えば、二人と一人の間に、だろうか。居心地悪く、ただ黙々と同じ作業を繰り返している二人に対し、幾らかゆったりとした独特の雰囲気を身に纏いながら、最後の一人が口を開いた。

「いやあ、お二人さん。手伝ってもらって助かりましたよ。ありがとうね」

男はドヴァーと名乗った。大きな体躯とは反対にとても優しい目元をしている。何より、彼の言葉からは嘘が感じられなかった。荘厳な静謐さ、そして近寄り難さを打ち消す柔らかな印象。きっと、ドヴァーという人格はそうやって形成されてきたのだろう。

「いえ、問題はありません。元は私達の仕事でしたので」

皿を洗いつつ、含みを込めて視線を隣へ送れば、ラウに素知らぬ顔で躱される。ドヴァーはその様子を何処か楽しげに眺めていた。

 ホールの片付けを終えた後、二人は下げた食器類を戻すため、キッチンへと足を運んでいた。そこへ後からやって来たのが、ドヴァーだったというわけだ。キッチンには誰もおらず、リンカ達が手を貸すと申し出た。外部の者だから、と断られる覚悟はしていたのだが、ドヴァーは疑いの目を向けることもなく、快く受け入れてくれた...というより、心底申し訳なさそうに彼は頭を下げていた。

「そうでしたか。それにしても良い手際だ。ぜひとも、我らも見習いたいものですなあ」

他の者に言われれば、嫌味かと身構えるところだが、それが徒労に終わるということだけはこの短い時間の中でもわかっていた。

 何処となく空気を察してか、彼はこうして定期的に二人へ話を振ってくる。その中でわかったことだが、彼も訓練場にいた兵士の一人らしく、キッチンには気まぐれに足を運んでは料理を作っているらしい。農家の出らしく、良い食材を触っていると心が落ち着くそうだ。

「そういえば、貴方以外の方はどちらに?」

ずっと尋ねあぐねていた疑問がふと自分の隣から発せられた。見上げれば、空色の瞳に映る疑念、疑惑、警戒。

「すみません。失礼なことを___ 」

水分をとった皿を棚に戻し終え、リンカはラウの頭を引っ掴んで、力いっぱいに下へと下げた。横から不満そうな声が聞こえてきたが、それには気がつかなかったフリをした。ドヴァーは何に謝られたかも理解していなかったようで驚いていたが、少しして考えがそこまで至ったようで、申し訳なさそうに目尻を下げた。

「いえいえ、大丈夫です。気になって当然でしょうからね」

先程までと大差ないゆるりとした語り口調。気分を害してはいなかったようで、一先ず安心する。ようやくリンカの手から解放され、文句を言いつつラウは顔を上げる。そして、その表情が傍目にもわかる程に固まった。

「...っ...ドヴァーさん?」

 リンカも直ぐにそれが示す意味を知ることになる。正面の彼は目尻を下げたまま、穏やかな表情を崩してはいなかった。捻ったままの蛇口からは絶えず水が溢れ出し、彼はその冷水に手を浸ける。

「俺は兵士ですから、城内で働いてる者たちのことにはあまり詳しくありません。ですが、一つだけ思っていたことがあります」

ほんのりと上がった口角から、低い声音で語りだされる。リンカとラウは手を止めて、彼の続く言葉に息を呑んだ。ドヴァーは二人の様子を気にも留めず、淡々と手を洗い流していた。

「_...数年前、陛下の御父上が他界されました。先代の国王です。柔らかな物腰でどんな者にも手を差し伸べる、とても優しいお方でした」

リンカにも覚えがあった。直接の面識はなかったが、彼の評判を耳にする機会が幾度かあった。昔は光に覆われた美しい剣を手に戦場で数々の功績を上げたそうだ。しかし、先々代が病に伏した際、今後を憂いて直ぐに彼は前線を引いた。その後はどこぞの名家の令嬢と婚約し、彼が剣を握ることはなくなったそうだ。その名声は、壁の向こうにも轟くほどだったという。実際、その話を西側で聞いたのだから、それに関して過度な脚色はなかったとみるべきだろう。

 一通りの思考を終え、リンカの意識は現実へと戻ってくる。いつの間にか、ドヴァーは手を洗い終えたようで、どこからか取り出してきたタオルで手を拭いていた。水気を念入りに取り終え、彼はようやく此方を向いて言った。

「そこからなんですよ。城がこんなにも()()()()()()のは」

ドヴァーの話にリンカは、思わず止めていた息を吐く。彼女の知る限り気丈なあの国王がそんな行動を取るとは思えなかった。だが、彼の語った事実が、それを裏付け肯定する。

「エル陛下も以前とはお人が変わられたように、公務に身を捧げるようになり...」

哀愁の見え隠れする瞳で二人を見つめ、どこか虚ろに話を続けていた。しかし、その踏み込んだ内容にようやくドヴァーは口元を抑えた。

「おっと、失礼しました。これは、お客人に聞かせるようなことではありませんな。どうか忘れてください」

ドヴァーは焦ったように、手早くキッチンを片付け、「それじゃあ、お先に」と部屋を出ていってしまった。取り残される形となった二人は思わず顔を見合わせたが、シンクの隣に重ねられた食器に気がつく。

「「.........」」

さっきの話は、だとか、国王のことだが、とか、話を切り出すには十分だったが、誰も何を口にすることもなく、黙々と作業に準じた。

「なあ、リンカ」

 ラウが声をかけてきたのは、ちょうどリンカが最後の皿を手にしたときだった。

「何でしょう?」

棚に向かいつつ、後手にそう返した。彼の表情を一時として窺うことはなかったが、何処となく張り詰めた空気が周囲に漂っているように感じた。

「一つ聞いてもいいか......お前にとってカリンは何だ?」

 無言で先を促せば、何とも突飛な質問がラウの口から発せられた。いや、普段の彼の言動を考えれば、それも当然のことなのかもしれなかった。

「随分とまた、おかしなことを聞くものですね」

音を立てないよう慎重に皿を置き、リンカはようやく後ろを振り返った。いつになく真剣な表情をしたラウが静かに返答を待っていた。淀みのないその双眸が、リンカの姿を捉えて離さなかった。

「私にとってのカリン様ですか。大前提として、あの方は私の...いえ、彼女に追随する者達の全て、でしょうね。それを踏まえて、何かと問うのならば、カリン様は”光”です。私がお側で支えるとても美しく手折れやすい一時の輝き。その光彩を永遠とするために、私達はあの方に付き従う。私にとっては、この世の何よりも大切な主なのです」

それは、時として、自身の命すら惜しむことはないだろう。今まで何度も考え続けてきたことだ。例え、リンカがいなくなって、主を苦しめる結果になったとしても。いつか、彼女が笑える日は来るのだ、と信じているから。そう、信じさせてくれる者の存在が今、リンカの正面にはいるのだから。

「そうか...」

返ってきたのは、何とも素っ気ない彼らしい一言だった。それだけで興味を失くしたように、ラウは視線を逸らした。リンカも特に気にすることなく、「私はこれで」とキッチンのドアへ手を掛け、音一つ立てることなく部屋を出ていった。

(”大切な主”)

誰もいなくなったキッチンで、先程の会話を反芻する。紺碧の深くて濃い青色は、背後にある黒と綺麗に混じり合って、溶け合っていた。あの問いは彼の心に整理をつけるために、必要なものだった。だが、今、リンカの答えにラウは顔を抑えて呻くように呟いた。

「何やってんだよ、リンカ」

その響きは酷く悲しく、微かな親愛の情を孕んでいた。

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