トイレに行ってたらリア充になっちゃった……
「リア充なんて、いなくなればいいのに」
「心の声が出てるぞ空牙」
「リア充に嫉妬なんてみっともな~い」
「お前らうるせー。石田、最近彼女ができたからって調子のるなよ?龍馬は彼女いないだろ」
「そうかっかしないで。ごめんって」
「お、俺だって頑張ればすぐできるし……」
「まぁいいや。ちょっと俺トイレ行ってくる」
「くくく。この隙に空牙の携帯でクラス一の美女、朝日奈心に告白しようぜ」
「ちょ、お前最低だな~。どうせ振られるし、やってみるか」
『ずっと前から好きでした。付き合ってください。』
「これでよしっと。返信が楽しみだぜ」
『嬉しい、私もずっと好きだった!こちらこそお願いします。』
「は?どゆこと」
「ただいま。お前らどうした、顔真っ青だぞ?」
「ごめん空牙。どうせ振られると思ってお前の携帯で告白したら成功した」
「ごめん。ちょっと意味わかんない」
「だーかーら。俺達が空牙の携帯で、朝日奈心に告白したら成功したの」
いやちょっと待て。朝日奈はクラス一の美女だぞ?俺みたいな冴えないやつが釣り合うわけないだろ。これはドッキリかもしれない。とりあえず俺の携帯を見てみよう。
『ずっと前から好きでした。付き合ってください。』
『嬉しい、私もずっと好きだった!こちらこそお願いします。』
ちょっとむず痒い気持ちもするが、夢なら覚めてくれ。試しにほっぺを引っ張ってみるが、もちろん痛い。本当に朝日奈と付き合えることになっていたとは……明日からどうすればいいんだよ。
――嘘から始まったリア充生活が幕を開ける