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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

短編集

オネェな兄と私の×××

作者:Ami
私は子供の頃の記憶がない。

なぜないのか、何を忘れているのかは誰に聞いてもわからないままだった。

それでも私は幸せだ。
だって大切な家族がいつでも側にいてくれるから・・・。


ピピピピピッ

何度目かの目覚ましの音が鳴り響いているが、私はうぅぅ・・・と唸り声をあげると、音を遮断するように布団の中へ潜り込んだ。
煩わしい音にしかめっ面で蹲っていると、部屋の扉がバンッと開く音がした。

「もうそろそろ起きなさい!学校に遅刻しちゃうわよ!」

私は怒りが混じったその声にビクッと反応すると、眠い目を擦りながらも布団から顔をだした。

「ふぁぁ・・・おはよう」

まだ完全に目覚めていない私は、ぼうとしながら大きな欠伸をする。

「もう、まったく!!」

声の主は私が潜っていた布団を勢いよく剥ぎ取ると、冷たい空気が私を包み込んだ。
さむぃ・・・
私は寒さに震えながらゆっくりと体を起こし、背筋を伸ばす。
布団を剥ぎ取られた私は声の主に向かって低く唸りながら、渋々といったようすで立ち上がると、ブレザーに手を伸ばし、パジャマのボタンをはずしていく。

「こらっ!まったく・・・私のいる前で着替えないの!!!恥じらいを持ちなさい!!」

頭に響く怒鳴り声に振り返ると、男物のブレザー姿に、黒髪に軽くワックスを付けた[お兄ちゃん]がたっていた。
私は、はぁ~ぃと軽く返事を返すと、お兄ちゃんが出て行った事を確認し、のそのそと着替えを始めた。
ブレザーのボタンをきっちり留め、スクールバックを手に取ると、そのまま洗面所へと向かう。

鏡にはボサボサ頭で締まりのない顔をした私が映った。
私は蛇口へ手を伸ばすと、パパッと洗顔をすませ、髪に櫛をいれ整える。
長くなった髪は鬱陶しい為、後ろにまとめポニーテールにした。

美味しそうな朝食の匂いが鼻を掠めると、そのままリビングへと向かう。
朝食の用意をするお母さんと、椅子に腰掛け新聞に目を通しているお父さんの姿が目に入った。
後ろからお兄ちゃんがやって来ると、食卓の輪へと入っていく。
家族団らんで朝食を済ませると、父さんは会社へ、私とお兄ちゃんは学校へと向かっていった。

お兄ちゃんは私の一つ年上で同じ高校に通っている。
私はこの春から高校2年生となりお兄ちゃんは3年生になった。
頭もよく、格闘技をやっている為か運動神経も抜群の自慢の兄だ。
さらに顔立ちも整っており、身長も高く黙っていれば女子からの人気のあつい男子高校生なのだが・・・。
なぜかしゃべり方がオネェ言葉なのだ。
本当なら女子からキャーキャー騒がれる存在のはずなのに・・・もったいない。
そんなお兄ちゃんに、どうしておネエ言葉なの?と昔に聞いてみたこともあるが、軽くはぐらかされてしまった。

お兄ちゃんと一緒に学校へ登校し、授業を受け、友達とくだらない事で笑ったり、恋ばなに花を咲かせたり、テストの点に一喜一憂したり・・・。

これが私の日常だった。

あの日が来るまでは・・・。

春も終わりをつげ、暑い暑い夏がきた。
いつものように朝起き、リビングへ向かうと、父さんと母さんは旅行バックを持って玄関の前にたっていた。

「ふふっ、二人で旅行にいってくるわ!後の事はよろしくね~」

そう私とお兄ちゃんに話すと、二人は車で出掛けていった。
あの様子だと一週間ほど帰ってこないだろうな。
そんな事を考えながら二人を見送ると、お兄ちゃんに視線を向けた。

「ねぇ!今日は夜更かしして一緒に映画でも見よう!」

私がそう話すと、お兄ちゃんはいいわよと優しく微笑んだ。

その日私は学校が終わり、お兄ちゃんと一緒に帰るため学校で待っていると、お兄ちゃんからラインが届いた。
(ごめんなさい、ちょっと時間がかかりそうなのよ・・・先に帰っていてくれる?)
私はわかったと返事を返すと、家路へと向かった。
途中コンビニに寄り、今日映画を見る時に食べる為のお菓子屋ジュースを買った。

家につくと、カギを取り出し扉を開けようとすると、カギがかかっていなかった。
あれ・・・・閉め忘れたのかな?
ゆっくり扉を開き玄関を覗くと、夕日が差し込んだ廊下がなぜか不気味に映った。
靴を片づけ中へ入ると、リビングの方で何か物音が聞こえた。
お兄ちゃん先に帰って来ているのかな?

「おにいちゃん・・・・?」

リビングを覗き込みそう声を出した瞬間、後ろから誰かの腕がのびてきた。
咄嗟に逃げようとするが・・・ときすでに遅し、私は体をバランスを崩すと、フローリングへと倒れ込んだ。

すると私の上に誰かが覆いかぶさってきた。
驚き顔を上げると、そこには口許には大きなマスクをし、目にはサングラスをかけた、ニット帽をかぶった小太りな男が私をじっと見下ろしていた。
私は瞬時に状況を把握すると、ガタガタと体を震わせた。
なに・・・強盗・・!?
馬乗りになった男は徐にマスクを外すした。
床に寝そべった私を見てニヤリと笑ったかと思うと、徐にスカートの中へ手を忍ばせてきた。
やだっ!怖い・・・怖い・・・!!!
私は必死に男から逃げようともがくと、男はキラリと光るナイフを取り出し、私の瞳の前に突きつけた。
鋭いナイフを目の当たりにすると、恐怖のあまり声を出すこともできず、体が氷のように固まった。
ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ・・・!!!
男はナイフを翳したまま軽く舌を出すと、またスカートへと手を伸ばし始める。
露わになった太ももをいやらしく触る男の手の感触に鳥肌がたった。
次第に私へ近づいてくる男からふと懐かしい香りが鼻を掠めると何かが脳裏を過った。
私・・・しってる・・・これ・・前にも・・・

「うそ・・・・」

口からこぼれ落ちた言葉に今まで忘れていた記憶が鮮明に蘇らせた。

私が小学6年生だったある夜、いつものように塾から送迎バスに乗り家に帰ると、いつもついているはずの部屋の電気が消え、中はシーンと静まり返っていた。

「お父さん?お母さん・・・?」

暗い廊下に向かって二人を呼ぶが、お母さんとお父さんの声は返ってこない。
そのまま恐々リビングまで歩き、扉を開けると目の前には、ドロップペインティングで書かれたように壁の至る処に描かれた真っ赤な部屋だった。
呆然とその光景を眺めていると、床の上に寝そべる人影を見つけ、ゆっくり視線を向けると、私は凍りついた。
お父さんは背中を滅多刺しにされ、身体中切り刻まれ、血の海の中横たわっていた。
お母さんは服を着ていない全裸の状態で、首にはロープがかかっている。
苦渋の表情を浮かべ固まった母の光を失った瞳と目があうと、私の体がガタガタと震え始めた。

あまりの惨劇に声も出すことも、動くこともできなかった。
すると突然私の体が宙に浮いた。
歯はガタガタと音を立て、体は氷のように冷たくなっていた。
すると目の間に、真っ赤な血で染まった包丁が現れた。

「よ~し、いいこだ。叫ぶんじゃねぇぞ・・・」

後方から図太い男の声が耳に届くと、体がゾクゾクと震えた。
男が私に顔を寄せると、ふとタバコと体臭が混ざった不快な臭いが鼻を刺激した。
真っ赤な血で染まった包丁を私の服へと寄せると、楽しそうな様子で切り刻んでいく。
私は泣くことも暴れることもできず、気持ち悪い臭いに嗚咽を感じながら、ただただ真っ赤な包丁を見つめていた。
(成長すればもっと美味しく食べられそうだな・・・・)


ハッと意識を取り戻すと、男のゲスな笑い声が響いた。

「ほぉ・・さすが俺の目に狂いはなかったな・・・大人しくしていれば痛くねぇからよ」

男は私の首もとへナイフを突きつけると、空いている手でセーラー服のリボンをほどいていく。
私はこれから起こる行為が頭をよぎると、恐怖にガタガタと体を震わせ、目に涙を浮かべた。
口をパクパクさせながら助けてと何度も叫ぼうとするがなんの音にもならない。

真っ暗な世界の中、諦めににた感情が過ると、視界が暗くなっていく。
男は興奮するように荒い息を繰り返すと、露わになった私の下着へとナイフを寄せた。

すると突然大きな音が聞こえたかと思うと、私に馬乗りになっていた男の体が勢いよく離れた。
私は乱れたブレザーを握りしめると、震える体をゆっくりと起こす。
薄暗い部屋の中、ナイフが男の手から離れたかと思うと、そのまま男は誰かに投げ飛ばされていた。

「お前・・・死ぬ覚悟はできてんだろうな・・・」

聞いたことのないドスの聞いた声に私は体をビクッと震わせる。
そっと顔を上げると、そこには今まで一度も見たことがない怒りの表情を浮かべたお兄ちゃんが立っていた。
投げられた男は慌てて逃げようと体を動かすと、そこにお兄ちゃんの鋭い蹴りが男の腹へと入った。
グフゥ・・・と呻き声を上げた男はその場で力尽きた。

お兄ちゃんは私と目があうと、焦った様子で私を抱き抱え、自分が羽織っていたブレザーを私の肩へとかける。

「大丈夫か・・・?帰ってくるのが遅くなってごめん・・・・」

いつものオネェ言葉ではない、男らしい言葉に私はじっとお兄ちゃんを見上げると、一滴の涙がこぼれた。

「おに・・・・・としあき君」

敏明君と呼ばれたお兄ちゃんは大きく目を見開くと、徐々に顔を歪めていく。

「あなた思いだしちゃったの・・・?」

私はゆっくりと首を縦に振ると、小さな声でごめんなさい、ごめんなさいと何度も謝った。
そんな私の様子に彼は何も言わず、ただただ私の背中を撫でていた。

その後、警察を呼び、男は無事取り押さえられた。
事件を聞きつけた両親は旅行をキャンセルし急いで家に戻ってきてくれた。
焦燥した私を二人は強く抱きしめると、私が落ち着くまで、ずっとそばについててくれる。
そんな彼らの姿に私の涙は止まらなかった。
本当の家族じゃないのに・・・、こんなにも優しくしてくれる家族に・・・。

あの事件の中、私の無くなっていた記憶が戻ったと知ったお母さんとお父さんは悲しい表情を浮かべた。
あなたのお父さんとお母さんは戻ってこないけれど・・・あなたが無事で本当によかったわ・・・。
そうお母さんは話すと、私を強く抱きしめてくれた。

それから私がここに引き取られるまでの経緯について二人から話を聞いた。
私はあの時両親二人を殺され、そのショックで記憶をなくしていたらしい。
犯人は未だ捕まっておらず、私はなぜか無事だった。
両親二人をなくした私を、死んだ母の妹だったお母さんが引き取ってくれたそうだ。
あの辛い惨状を思い出すことで私が壊れてしまうかもしれないと考えた二人は、私に自分たちが家族だと伝えたと言っていた。
そんな優しいお母さんとお父さんの気持ちに涙を流すと、血がつながっていなくても私の娘だからねとお父さんは優しく私の頭を撫でてくれた。


そうして記憶が蘇ったあの事件後、私は病院へ行き、精神状態が落ち着くまで療養していた。
温かい家族に看病される中、全てを思い出した私はある決心を固めていた。

一週間ほど安静にし、自宅に戻ると家族は私を温かく迎えてくれた。
時はたち、ようやく落ち着きだしたある日、学校から帰宅すると私は便箋を取り出し、サラサラとペンを走らせていく。
便箋を真っ白な封筒に入れ、机の上に置くと、私はTシャツとジーパンに着替え、肩にバックパックを背負うと、家を出て行った。
そのまま学校へと向かい退学届けを提出すると、真っ赤に染まった夕日をじっと眺めていた。


最近の妹の様子がおかしいと感じていた敏明は、先に家に帰った彼女を追いかけるように急いで帰宅すると、慌てて彼女の部屋へと向かった。
誰もいない綺麗に片づけられた部屋の中には、一通の封筒が置かれている。
焦るように封筒から便箋を取り出すと、良く知る字が並んでいた。

[親愛なる家族へ]

今までなにも言わず、本当の家族の様に育ててくれてありがとございました。

育てて頂いた恩は必ずお返し致します。

こんな形で居なくなる私を許して下さい。

さようなら

敏明はその手紙を握りしめると、勢いよく外へと飛び出した。
彼女がどこに行ってしまったのか、まったく検討がつかない。
まだ出て行ってそんなに時間は立っていないはず・・・、こんな田舎の町から移動するには電車以外ないだろう・・・。
そう考えた敏明は一番近い駅へと走っていった。

駅へ着くと、ワンマン電車がホームへ到着するところだった。
その一瞬の隙間からホームに立つ彼女の姿を確認すると、大声で叫んだ。

「待ちなさい!!」


ふと耳に届いた良く知る声に私は聞こえない振りをすると、そのまま電車の中へ駆け込んだ。
お兄ちゃんが必死に階段を登る姿に、早く出発して・・・と祈っていた。
出発のアナウンスが車両へ響きわたりほっと息を吐くと、扉が閉まる瞬間、車両の中へとお兄ちゃんが駆けこんできた。
私は唖然とした様子で肩で息をする彼を呆然と見つめた。

「お兄ちゃん・・・・どうして・・・」

「当り前でしょ!!あなたは私の妹なんだから!!」

「違う・・・違うよ・・・私は・・・」

「血がつながっているとかそんな事じゃないの!!今までずっと過ごしてきたじゃない!!」

私は手すりを強く握りしめ俯くと、声を絞り出すように語り掛けた。

「おにいちゃんのそのオネェ言葉は私のせいだよね?・・・・記憶をなくしていた私が初めて病院から帰ったあの日、としあき君が怖くて・・・大泣きして・・・それからオネェ言葉で私に話しかけてくれるようになったんだよね?私がいなかったら・・・お兄ちゃんは普通の男の子で・・・」

「違うわよ!!これは私の趣味!そりゃ・・・きっかけはあなただったかもしれないわ、でもね私はこの自分が好きなのよ!」

「・・・・お兄ちゃんは優しすぎるよ・・・・」

私は必死に涙をこらえ、震える声でそう呟いた。
敏明は私を強く引き寄せると、逞しい胸の中へと閉じ込めた。

「どこにも行かさないわ・・・私はね・・・あなたを守る為に武術を学んだの。あなたが笑っていられるならなんでもするわ・・・」

「うぅぅ・・・うわぁぁぁぁん」

電車の中、みっともなく泣きわめく私に、お兄ちゃんはただただ黙ってずっと抱きしめてくれていた。


それからお兄ちゃんに連れられるように家へ戻ると、帰って来ていた両親二人に泣きながら怒られた。
ごめんなさいと何度も謝ると、私たちにとってあなたは大事な娘なんだから!!!居なくなるなんて許さないわ!!!とお母さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。

それからまぁ・・・色々あったが、また同じ日常に戻っていった。
でもその中で一つ変わったことがある。
あの日から、お兄ちゃんを見るとあの逞しい腕に抱きしめられた瞬間が頭をよぎり、なぜかお兄ちゃんの顔をまともに見れなくなってしまった。
一緒に勉強したり、一緒にテレビをみたり、毎日毎日一緒に過ごしていたはずなのに・・・
今はなぜかお兄ちゃんの仕草に、笑い方に、一喜一憂してしまう。
遠くからお兄ちゃんは見つけるとなぜかキラキラと輝いて見えた。

そんな症状をお兄ちゃんと隠し、友達に相談してみると・・・・それは恋よ!と楽しそうに教えてくれた。
恋・・・・?
私がお兄ちゃんに・・・・なんてこと・・・。
お兄ちゃんは血がつながっていなくてもお兄ちゃんで・・・そんな好きになったなんて・・・。
もし知られてしまったら・・・・。
私は頭を抱え部屋に引きこもると、これからの事を考えていた。

恋だと自覚し、どうしていいか分からなくなった私は、お兄ちゃんとまともに話すことも、顔を見ることもできなくなり、お兄ちゃんを避けるようになった。
いつも一緒に登校していた時間をずらし、先に一人で学校へ行くようになった。
帰りももちろん同じだ、適当に理由をつけてお兄ちゃんと会う時間を減らしていった。
ご飯の間もお兄ちゃんと目を合わすことなく、話しかけられてもうまく答えられないため、そっけなくなってしまう。
このままじゃダメだ・・・昔のように戻らないと・・・でもどうすれば・・・。

うんうんと頭を悩ませる日が続く中、部屋に戻ろうとリビングを出て階段を上がると、後ろから優しく抱きしめられた。
逞しい男の腕の中、ふとお兄ちゃんの優しい香りが鼻を擽ると、私の心臓は激しく波打った。

「ちょっと、最近どうしたのよ?私・・・何かしちゃった?」

私はお兄ちゃんが喋る度にかかる吐息に、ドキドキしながらも左右に強く首を振った。

「うーん、じゃどうして避けるのよ?」

「・・・・・避けてないもん・・・・」

「嘘おっしゃい!!これだけ露骨に避けられていて気が付かないはずないでしょ!」

捕らえる腕の力が強くなると、厚い胸板を背中で感じる。
次第にどんどん頬に熱を感じると、心臓が激しく動いた。
だって・・・家族だって・・・言ってくれてこんな・・・お兄ちゃんに恋したなんて言えるわけない・・・。
だってお兄ちゃんは私を妹だと思っているし、これで好きだと言えば・・・きっと全てが壊れてしまう・・・。
黙り込んだ私の姿にお兄ちゃんはため息をつくと、そっと私の顔を覗き込んだ。

「ダメ!!!今見ちゃダメ!!!」

私は真っ赤になった顔を慌てて隠すが、お兄ちゃんはそれを許さなかった。

「あなた・・・」

私は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしたまま涙目でお兄ちゃんに視線を合わせると、お兄ちゃんの喉が鳴った。

「・・・・そんな顔されたら・・・・」

ボソッとそう呟くと、お兄ちゃんの顔が次第に近づいてくる。
お兄ちゃんの瞳の中には、自分の姿が映っていた。
甘い吐息に、長いまつ毛に、熱っぽい瞳に見惚れていると、ふと唇に柔らかい感触がした。
え・・・・。

ゆっくり離れたお兄ちゃんの顔はいつもの優しい表情とは違い、ゆでだこのように真っ赤に染まっていた。
慌てて体を離すと、お兄ちゃんはごめんと小さく呟いた。

「お兄ちゃん・・・・」

「ちょっと待って・・・!その先は言わないで!!!!今のそう・・・事故なのよ!!!」

私は背を向けたお兄ちゃんの大きな背中に強く抱きつくと、

「す・・・好きです・・・・」

精一杯の勇気を振り絞った。

お兄ちゃんは慌てた様子で、私へ振り返ると、ギュッ私の肩を抱きしめた。

「これ・・・夢じゃないわよね・・・?」

私はお兄ちゃんの胸に顔を埋めると、強く強くしがみついた。
お兄ちゃんの力強い腕にまたドキドキが止まらなくなる。
じっと二人抱き合っていると、ふとお兄ちゃんの腕の力が緩くなった。
私は恐る恐るお兄ちゃんを見上げると、

「私はず~~~~と好きだったんだからね!!」

そうはにかんで顔を赤らめたお兄ちゃんを私はギュッ強く抱きしめた。

それから二人は・・・・。
[乙女ゲームクリア後のスチル再生時にあるあれっぽく書いてみました]

おまけ(敏明)

私はね、初めてあなたが家に来た時に一目ぼれしたのよね。
だから、最初あなたに話しかけたときに大泣きされてとっても悲しかったわ。
でもどうしても仲良くなりたくて・・・あなたの笑顔を見てみたくてね。
子供ながらに考えたこの女言葉で話してみると、あなた本当に綺麗な笑顔を見せてくれたの。
それからね・・・ずっとあなたを見ていたわ。
どんどん可愛くなっていくあなたに焦りながら、何人の男を牽制したかしら・・・?

ずっと家族のままだと思っていたから・・・こんな日が来るなんて夢みたいよ。
私はあなたを大切にするわ、だからずっと一緒に居てね。


俺はお前を一生愛することを誓うよ。


ふふ、最後は男っぽく決めてみたかったのよね。
じゃまた後で・・・。

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