表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神と魔王を店員に異世界経営  作者: きらんここ
5/6

獣人の新たな第一歩

是非、最後まで読んでください。すごく会話が多くなってしまいましたが、是非読んで下さい。

薄汚れたマントを頭からかぶった少女は、じっとこちらを見る。

「…お前、名前は?」

音無のその声を聞くと、少女は一瞬肩をビクッとさせ、小さい声で喋りだす。

「わ、私の名前はエリスティ…です。10歳で…あっ!」

マントが風でめくれる。

そこには、驚くべき姿があった。

獣人。人間と魔物のハーフ。優れた身体能力を持つとされるビースト。どんなゲームでも種族として存在する。

しかし、だからといって受け入れられているわけではないらしい。

「やだあの子、獣人じゃない」「なんで獣人がこんなところに」

周りからそんな声が聞こえてくる。

エリスティは俯くと、またマントを深々とかぶった。

音無は、ハテナの方を向くと、

「ハテナ、お前さっき俺たちがいた草原に、エリスティもついでに連れてけ。ここじゃ人目が多くて情報を聞きづらい」

ハテナはコクリと頷き、「さ、行こ」と声をかけると、エリスティの手を掴んで村の外へと出ていった。

「は〜、この世界もクソだな」

その音無の小さな声は、ハテナの耳にはしっかりと届いていた。


草原に立つ大きな木の木陰。そこに3人は居た。

音無が買ってきたパンを、少女は必死に口に入れ込む。

「おい、マントここでくらい取っちまえよ」

エリスティはビックっとまた怯えた反応をする。そして、

「…嫌じゃないの?」

「なにが」

「…獣人と一緒にいること」

「こちとら露出度の高いバカな女神と一緒にいるんだ。そっちの方が恥ずかしい」

「な、誰のことを言ってるんですか!」

ハテナはプンスカと頬を膨らませて怒る。

そのハテナを無視し、音無はエリスティに問う。

「で、お前が知ってるこの世界のこと、教えろよ」

「ちょっと、聞いてるんですか?…もう」

ハテナももうこの扱いに慣れてしまったらしく、エリスティに目を向ける。

綺麗な金髪をした少女の髪からは、ひょこっと獣耳が出ていた。

少女は小さい声で話し始める。

「この世界はもともと平和…だったらしいけど、魔王が現れてから、魔物を使って村を荒らしたり、…人を殺したりして、平和じゃなくなった…。

ごめんなさい、これくらいのことしか知らないの…」

後半になるに連れ、どんどんと声が小さくなっていく。最後にはほとんど聞き取れないほどに小さくなっていた。

俯いて動かなくなる。握る拳には力がこもっていた。

「…そうか。じゃ、次はこっちから質問だ。なんでパンだけで一万ゴールドすんだ?」

「今はそれで普通。魔王が金作りすぎて、インフレーション?起こしちゃってる」

「…もしかして魔王バカなのか?これじゃ、薬草一つで全財産使い切る」

音無は目をつぶって考える素振りを見せる。それを見たエリスティとハテナはハテナマークを頭の上に浮かべていた。

そして、数分後、止まった時がやっと動きだしたようにいきなり口を開いた。

「しょうがない、魔王倒しにいくか」

「そんな買い物感覚で!」

ハテナは思わずその提案にツッコミをいれてしまう。

「理由はともあれ、お前の要望どうり魔王倒しにいくんだからいいだろ」

「そうですけど…勇者っぽくない」

ジト目で音無の方を向き、「あっ」と何かを思い出したように口を開いた。

「装備どうするんです?魔王攻略って言っても途中魔物も多いですし…」

「は?なに言ってんの?こっちには瞬間移動の呪文があんだよ」

「え…まさか魔王の城に直行なんてことは…」

「そうだけど問題が?」

「大アリですよ!」

「確か…これっと」

音無が何か操作をすると、目の前に門が現れ、門が開くと禍々しく大きな城が存在していた。

「ちょっと待って!」

「いくかー」

ハテナは音無の袖を引っ張り止める。

「お前も早く魔王を倒すに越したことないだろ」

「…まあ、そう言われれば確かに。けど言いくるめられた感が半端ないですね」

ハテナはう〜んと一人で唸り始める。

「いいだろ。おい、エリスティ、お前も来いよ」

「…え」

やりとりを呆然として見ていたエリスティに声をかける。

「お前、家族は?」

「…いない。どっかにいちゃった」

空気が一瞬にして重くなる。しかし、その空気をはねのけるように、

「じゃ、付いてこいよ。お前も俺の異世界経営の店員だ。あ、ちなみに一号はこいつな」

そう言ってハテナに指を指す。

「私ですか!」

ハテナが発狂気味にツッコミを入れた。

「まあ、エリスティ、お前もどっかでのたれ死ぬよりはマシな人生が送れるぞ。こいよ」

エリスティは音無を見ると、ごくっと唾を飲み込み、立ち上がった。そして、

「私も行く」

エリスティは新たな一歩を踏み込んだ。

どうでしたでしょうか。コメント是非よろしくお願いします。


今回は会話が多めになってしまいました。次回はなんと魔王城攻略です。早いですねw

次も頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ