Day 2
どうも! Genshoです。今回は少し短めです。サブタイの和訳はそのまんま、2日目です。
......朝四時過ぎ。まだ日は昇る様子を見せず、薄暗い空間である。
「おい、アスナ?」
僕はあらかじめ四時にセットして置いた目覚まし時計の力で数分前に起きていた。
「ん......うぅん......」
僕の横で寝ている、年端もいかないくせに官能的な声を出すこの女は、正真正銘僕の再従兄弟で《剣士》のアスナだ。
「お〜い? 朝だぞー」
しかし、朝っぱらからなかなか起きない彼女に僕は業を煮やしていた。
「んっ......んん〜〜〜......」
「このっ......」
とうとう僕は憤った......こんな声聞いてたら頭じゃなくて他の部分がカンカン......ギンギンに熱くなっちゃうからな。
「起きろぉぉおおお!!!!!!!!!」
「......んな!?」
やっと起きたか。はぁ、起こすまでに結構な時間を使っちった。朝飯覚めちまうだろうが。せっかく僕が作ってやったのに。レトルトだが。
「な、な、な、何よ!? まさかモンスターが出たの!?」
アホかこいつは。僕はちょうどそこにあったアルミニウムの皿で彼女の頭を叩く。
ポカンっ
と小気味良い音が聞こえる。けっこ使えるな。
「はぁ、寝ぼけてんじゃねぇぞ、飯食うぞ飯」
「った! ちょっと何すんのよ!」
「あぁあぁ、ウルセェウルセェ。説教は後。
お前鳥と魚どっちがいい?」
僕が聞くとアスナは機嫌を悪くしたのか、少ない口数で僕の問いに答える。
「......魚」
あとで理由を聞くと、鶏肉に比べて脂肪分が少ないからだそうだ。
......僕にはよくわからん。
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「ウェップ......」
と言うわけで僕は朝から鳥肉の酢揚げのようなものを食べたのだが、いやー胃に悪い。
いや、まずいとかそう言うんじゃなくて、十分美味しかったのだが、普通に胃が重くなる。脂っこいからだろうが。今日はちょっと動けないな......
まぁ、正直僕なんかいなくてもこいつは大丈夫だろうが......
「......」
僕をじと見てくる二つの目。どうやらまだ機嫌は直らないらしい。
「なんだその目は......」
「別にっ」
とだけ言ってそっぽを向かれてしまった。
ああ、これが反抗期というやつか。おばさんも大変だったろうな〜
「それで?」
っと突然アスナが声を上げる。
「あ? 何が?」
「これからのことよ! 今日の日程とか、モニタについてからのこととか!」
「なんで若干キレ気味なんだ?」──とは聞かないでおく。
......絶対ェ逆ギレだろ
「あぁ。そういうことね。一応後数十日はこの生活が続くぞ。毎日歩いて、飯狩って、野宿する。
とりあえず、どっかに小さい村でもない限りはこのループだ」
「ふ〜ん。結構暇ね」
「お前な、何がしたいんだよ......」
「いや? 別に何も」
「じゃぁ何がつまんないんだよ......」
「別につまんないとは言ってないでしょ! もうこの話はおしまい! 進みましょう!」
「なんなんだよ一体......」
どうやら僕は初っ端からこいつに振り回されるらしい。
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約3時間が経過している。今日もひたすら歩く。目安としてはあと10日ぐらいでアニガイ川まで到着したい。結構ペースとしてはきつい感じだが、アスナはまぁ剣士としてある程度運動しているためさほど支障はないだろうと。その代わりに問題視されてたのが僕だが、まぁ、僕もアスナほどではないが、このために少し運動していたのでね。人並み以上の体力はあるさ。
昨日はモンスターとの遭遇はなかったが、これから森に入ることもあるので、さらに体力は削られるはずだ。
そのために朝食も毎日欠かさずとっているし、アスナには内緒だが、深夜こっそり筋トレなんかもしている。
まぁ、本音を言うと、僕は後衛だから戦いたくないんだけどね。
そんなこと言ったって、モニタに着くまではどうにもならないから、僕も頑張らなきゃだけどね。
「ねぇ、」
長らく続いていた沈黙をぶち破るかのように、アスナが僕を呼ぶ。
「なんだ? アスナさん?」
「あれ」
と、指をその指し示す方向に向ける。
「あれか......」
「すっかり忘れてた」
とはアスナのセリフだ。そこには、高くそびえ立つ木々。広く広く広がる草原。
そこで何不自由なく生きているであろうモンスターたちの群れ。
「あそこ......だよね?」
「ああ。あそこだな」
僕は手元の地図を確認しながらその問いに答える。
僕らの最初の難関とも言っていいだろう。
全国的に見ればそうでもないのだろうが、ここで命を落とす人もそう多くはない。
C級クエスト相当モンスター出現フィールド
『アーシラクール』
『クール』と言うのが、「森」のことを指す。『アーシラの森』みたいな感じだ。
ちなみにC級の目安としては、冒険者になってから数年の下手くそが挑める程度だ。
まぁ、すべてのモンスターが強いってわけじゃないから、ここではG、F、E級のモンスターは僕が相手をすることになる。ちなみにG、F級は素人でも頑張れば倒せる程度だ。
「行くよな?」
僕は小声でアスナに尋ねる。
「言うまでもないわよ」
予想どうりの答え。ま、それでこそ剣士だよな。
「っしゃ行きまっせ......」
そうして僕たちは、『難関』へと足を踏み入れて行った。
夏休みの宿題やる気が......