Our journey begins
どうも! Genshoです。えーと、この作品も、後々ハーレム化します。ネタバレします。←多分です。
感想などお待ちしております。
僕たち(僕、アスナ)が最初の目的に選んだのは、コモド共和国、首都ホラゾの中でも、最大級の都市、モニタ市だ。同市は、ホラゾの中で唯一のS級の依頼が出るギルド支部がある。さらに、人口、物流共に国内トップクラスで、アイテムの質や、ギルドのランクも、相当高い。
手始めに狙うとしたら、ここだろう。
いいパーティーメンバーが見つかるとなお良いのだが......さすがに二人だけってのはね......アスナだけに負担かけるのも気がひけるし。
まぁ、それもまだ先の話だ。まずはその都市に行って見ないと何もわからない。
僕らの生家がある都市、ミクトランペウスは、ギルドがない。故に僕らは今回モニタを選んで、そこに最初に行くことに決めた。
まぁ、道中川を渡ったり、森を抜けたりするんだが、モンスターが出ないことを祈って歩くだけだな。
しっかし、そうもいかず、俺が持ってるモンスター図鑑の中には、アニガイ川とその周辺の森に出るモンスターも少なくないようで......
「さっきから何ボーっとしてんのよ。しっかりしなさいよ。もう旅は始まってるのよ?」
──ッ。言われちったな〜
「ああ。わーってるよ」
お前も成長してるんだな。──いや、それは《剣士》様に言う言葉ではないか?
ともかく、モンスターとの戦闘は、アスナの体力温存のためにも極力避けたい。
一応、俺も戦えないわけではないので、G級、F級クエスト程度のモンスターとの戦闘は俺が受け持つと事前にアスナにも言ってある。
そこはきちんとアスナも了承してくれて、よほどのことにならなければ手を出さないと言っている。自分の立ち位置とスタミナを考えてのことだ。
逆に俺がしくじってアスナの体力を消費させちゃうんじゃどうにもならない。
「どれ、そろそろ行くぞ?」
「もう。さっきからそう言ってるじゃない」
「ホラゾに着くまで大体一ヶ月か?」
「まぁ、よほどの近道をしない限りはそのくらいね」
その逆も然り......か。
「途中に街とかあるのか?」
「中規模の街だったらいくつもあるわよ?
意外に商いのレベルが高かったら、そこで少しいい買い物するのも得策ね」
買い物ねぇ......俺はどっかの剣士さんと違って金持ってないのよねぇ......
「あ、そうだよ。お前のお金は預かっといてくれっておばさんから言われたんだった。ほい、財布出して」
「!? なんで!? お母さんそんなことまでリョータに言ったの!?」
「ああ。なんか結構すごいらしいな、お前」
「──っ!!!!!!!」
信じらんないと言う表情をして顔を真っ赤に染めているアスナだが、こいつの何がすごいかと言うと、ぶっちゃけここだけの話、アスナは《剣士》としての仕事で手に入れた大金を、あんなものやこんなものに使って日々の営みに使っているらしい。
これをおばさんが知っているって言うんだからアスナも大層ショックだろう......
まぁ、そんな変態女はほっといて、先へ進もう。このままじゃ日が暮れる......
っと、きちんとアスナからお金は預からないと。僕までおばさんに怒られちゃう。......怖い怖い。
ってかなんでアスナはこんなにお金を持ってきているんだ? いや、お金を得ていると言うのは親からも、本人からも言われて、結構な貯金があると言うのは聞かされたけど......
もしかして......
「なぁ、アスナ......」
「何よっ!!!」
あ、まだ機嫌良くないのですね。
「もしかしてだけど......貯金全部持ってきた?」
「う、うん」
ためらいながらも、肯定するアスナ。
はぁ。こんなとこだと思ったよ。
だって
い〜ち、じゅ〜う、ひゃ〜く......100ベニも持ってきて何に使うんだよ。
まぁ、きっちり僕が保管して、エロエロ......じゃない、いろいろ買わないようにしなくちゃね。
「ほれ、いつまで拗ねてんだよ。もう行くぞ?」
ってか置いてくぞ? いや、置いてったらあいつだけ生き残って僕は死ぬから嫌だけど。
<><><>
その日の晩。
初日はモンスターに出くわすこともなく、無事に夜を迎えられたわけなんだが......
「何してるのよ! この変態!」
高らかなる罵声。どういうこっちゃ。
なぜか変態に変態と呼ばれる羽目に......
何があったかと言うと......
<><><>
少し時間は遡る。家を出て数時間。日も暮れそうなとき、小さな森に入った僕たちは、少しの山草などを採取しながら森を抜けようとしていたのだが、森の中に平原のようなものがあったので、
そこにアスナ持参の簡易テントを張り、見張り交代で寝ようと提案したんだが......
「いやよ! 一人で見張りなんて!」
とアスナが言ったのだ。これはきっとあれだな。小さい頃から変わってないのな。
「アスナお前......」
「何よ」
「まだ、暗いの、怖いのか?」
「ブッ!!!」
おっと盛大に吹いたようだな。どうやら図星か。
「な、何を言ってるのリョータ? ついに気でもお、おかしくしたのかしら?
な、な、なんだったら一度帰って病院に行くことをお勧めするわね......』
ガチ震えしてんじゃねぇかよ。なんか昔より悪化してないか? そんなに怖いのか。夜が。
「じゃぁ、どうすればいいんだよ。一緒に寝るか? 昔みたいに」
昔は夜怖がってたアスナを寝かしつけるのに一緒になてたっけ。いや、全く変な意味じゃなくて。
冗談半分で言ってみたのだが、当のアスナの反応がおかしい。
いつもなら......
「ふざけんじゃないわよ! この変態!」
......とか、
「何考えてんのよ! ぶっ飛ばすわよ!」
とか......
「......我が御名の下今 召喚する。出でよ! コトル!」
とか言って素人じゃ手に負えないような使い魔召喚したり......
とにかく、僕に向けて攻撃的な姿勢をとるはずのアスナなんだが、
「......」
心なしか頰を赤らめている? ような気もする。
「どうした? 熱でもあるのか?」
と言って、僕が彼女の額に自分の額を近づけると、
「──ッ!!!!!!」
何を思ったか、アスナが、体を仰け反らせるから、僕もつられてその動きに合わせるわけで......
なぜかアスナの顔が目の前にあるわけで???
僕は一旦思考を停止させる。おかしい。口が動かない......と思ってもう一度見てみると......
僕の唇とアスナの柔らかな唇が重なっていた。
ドンッ
「いっ──ッ」
やっとアスナも状況がわかったのか、僕を突き倒しやがった。
「な、何をするのよ! この変態!!!!!」
最期になりそうだが一言断っておく。
わざとじゃないの......
<><><>
ここで冒頭に戻る。
やっと普通のアスナに戻ったようだ。それはそれでよかった。
「ちょ、ちが......偶然だって!
そう言う気は全くないから!」
「......いの?」
「え? 何???」
「......ないの?」
......ない? 何がだ???
僕の奥地の貞操だったらもうねぇぞ。
......こりゃ失敬。
「何がないんだ?」
「私とキスするのは嫌なの?」
「いや、僕は、そう言う、嫌って言うか、ね?
嫌ではないよ? でも......」
「でも? でも何???」
「僕だけの考えでも、アスナが嫌でしょ?」
「──ッ! いや、私は! その......」
......
しばしの沈黙の後......
「もう寝ましょ!」
と言う鶴の一声......もといアスナの一声で今夜の就寝が決まった。
<><><>
床に就いてから数分......
僕らはそれぞれの寝袋で寝ていた。(ちなみにアスナは寝袋を持ってきていた)
「なぁ、アスナ?」
「......」
返事はない。まるでしかばn......もう寝たか。まぁ、この時間だったら当然だ。
「アスナさ、僕ときて後悔してない?」
僕の本音だ。僕や彼女の両親は僕と行くことに賛成し、ほぼ彼らの横暴で決まったようなものなんだが、アスナ自身は、僕と、まぁ言うなれば生涯の一部分を共にすることに、異議はなかったのかな......と
そう僕なりに考えてしまうわけです。
「僕は、アスナといるおかげで楽しい旅になりそうだし、何より、アスナがいることで、僕の夢も本格化してきたし、現実味を帯びてきた。
だから、僕は、アスナにとても感謝してるし、アスナのことを見守っていかなければいけないんだな、って感じてる」
......だから
「なんでも、僕に打ち明けて。可能な限り僕が相談にのるから』
......おそらく気のせいなんだろうが、僕にはアスナが軽く頷いたように見えた。
他作品も宜しくお願いします。