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《プロローグ》
「お言葉どおり、この身になりますように」
【ジャンヌ】が頭を垂れながらそう答えると、今後、ジャンヌの主君となる【マクベス】の手の上にあった宝玉が輝き始めた。
騎士叙任式。15歳となったジャンヌは、本日より、【ヒルスシュタット侯爵家】の長男であるマクベスの騎士となった。
マクベスの手にある赤い宝玉がより強く光り、そして叙任式が行われている騎士の間を明るく照らす。天井に吊り下げられているシャンデリアよりも明るく輝いている。
宝玉の中から現れたのは、剣であった。
【ジャンヌ】が【マクベス】の騎士になることを請い、そしてそれを主君となる【マクベス】が承認した。そして、主従の関係の成立を宝玉が見届けた。
「我が騎士ジャンヌに問う。この剣を如何に使うか?」
「マクベス様のお言葉どおりに使います」
「この剣を授ける。忠実な騎士たれ」
マクベスはジャンヌに剣を授けた。
その瞬間、騎士の間で叙任式に列席していた人々から盛大な拍手が沸き起こる。新しい騎士の誕生であった。