第一章 第8話 修行を始める前に...
久しぶりに戻ってきた気分だな...言っても1日だけだけど。
魔方陣で戻ってきたのは、洞窟の前だった。
「さて、これからのことだが、ハルス。」
俺達は帰りながら師匠に言われた
「今日から魔法の修行をさせてやる。」
「なにが今更、させてやる、だよ!普通師匠ってもんは教えるものだろ!」
「知るか。」
「ハイハーイ。折角だから私も教えてください~」
「レンまでいきなり何なんだ!全く...んで、どうしろと」
「おう。その事だが..
今日からお前は下級魔法しか使えません。そんな呪いをかけてあげました。」
「なっ!?嘘だろ!」
「いや、俺が嘘つくと思っているのか?」
「「うん。」」
「レンちゃんまで...まぁ嘘もつくけど。でもこれはホントだぞ。後使えるのはテレポートと雷属性だけだから。」
「マジかよ。」
「マジマジ♪安心しろ。すぐに下級魔法全部は使えるようになるから....たぶん。」
「それってどういう...?」
「うちに俺が珍しく、本を書いてやったから、そこに全て書いてある。」
はて?今日の朝もいつも通り家を出たがそんなのなかった気が...
「なぁ、その本はどこにあるんだ?」
「ん?ああ、開かずの間。」
「喧嘩うってんの?うちにそんなとこ...あったっけ?」
「あるよ。俺の部屋だから」
「そういや、昔っからどこに行くときも、師匠の部屋は入れなかったな。」
今思い出すと、宿の部屋もわざわざ二つとっていたなぁ。初めて師匠の部屋に行くわけか、何してやろう。
「お前、何ニヤついてんだよ。」
「別に(ニヤニヤ)」
「覚えとけよ。」
「すんません。ところでレンの分の修行はどうすんの?」
「今考えてる。レンちゃんはどうした..」
師匠と俺がレンの方を振り向くとそこには、寝ながら歩くという光景を目にした。
「あの~レンちゃん?もしもーし?」
「......」
「「.......」」
「...ハッ!な、何か。」
「何かって言うか、いつから寝てたの?」
「えっいや~テレポート云々辺りからかなー。」
「半分くらい聞いて寝てたのか。確かにもう日は沈みかけてるけど、家までは頑張ろう。」
つーか、寝ながら歩く事が凄いんだけど。
「仕方ない。レンの分も一緒にハルスとやってくれ。ハルスは下級魔法なら全部使えんだろ。呪いがなけりゃ。」
「なんで知ってるんだ?」
テレポートはともかく、他の魔法は使ってない。言った記憶もない。
「お前...どうして弟子にしたか、いや、"生きているか"分かってるのか?」
「い、いや、分からん。」
そうだ、弟子になったあの日からずっと理由を考えていたが、今でも分かってない。
「言ってやるよ。普通人間は死ぬ間際に、まるで”誰に”よって殺されるかを”理解”しようとするために、目玉をギョロギョロする奴がいるもんか。」
「意味が分からないんだが。」
「一回だけ言ってやる。死ぬ直前に相手の力をパクろうなんてことを、本能でするのがありえん。そう言ったんだよ。」
「ちょっと、ハルスと師匠って殺し合いでもしたの?」
「してない。一方的にされかけただけ。」
「弟子になった経緯を知りたいわ。いつか言ってよね。」
「おうおう。いつかな。それより、そろそろ街につくし、また明日な。」
「分かったわ。またね。」
そうして、レンと俺&師匠は別れた。
「いい忘れたけど、俺もう行くから。」
今回から周2くらいであげようと思います。






