第一章 第5話 さっさと依頼をクリアして
レンのやつ今何か言った気がするんだが...まぁいいか。どうせ人間じゃねぇとか、そんなもんだろ。ま、あながち違うわけでもないから何ともいわないけど。それより、入ってきた時にぶちかました電撃と毒でモンスターがいなくなったから楽でいいな。
「さてと、これで五つ目の階段がもう少しであるんだよな?」
「多分ね。それよりモンスターの巣ってのは...中間辺りで中ボス的なもんがいるもんだし、頼むわよ。さっきの水で魔力が尽きそうだから...欠片も手伝えないこと前提でいってね...」
「らじゃあ。」
ダルい。しかもしろそろ一時間経つってのに半分とかこの洞窟広すぎんだろ!...中ボス的なヤツねぇ。強くなきゃいいけど。
「ん?なぁレン。この大きな扉って今まであったっけ?」
扉の下の隙間から水が流れてるから、ザコはいないだろうな。
「...無かったと思うわよ...」
「じゃあ、この先に中ボス的なヤツがいて階段があるのか。」
「きっとね。パッパとお願いね。..あともう一時間くらいで口から何かでそう...気分が悪い...早く依頼を、終わらせて。」
...通りでいつもの勢いがないわけだ。これは一時間以内に終わらせないと、俺がこいつを運ぶはめになるのはごめんだぞ。
「じゃ、開けるぞ。」
「...」
返事すら出来ないか。こっからは我慢しだいなんだろう。気にせずに行こう。
ハルスが自分の倍ほどの扉を開けると、壁には蝋燭が10ほどある正方形の部屋に出た。
「モンスターらしき姿は無いんだけどな....おっ、奥に似たような扉があるじゃないか。あれが階段に続く扉だろうな。」
「...」
首を縦に振っているから同意ってことだろ。それにせよ中ボス的なヤツはいないのか...
「なぁ、ここは中ボスなんかいないんじゃ...」
すると天井から大きな影が落ちてきた。
「うおっ!なんだこいつ!?」
そこにいたのは、バカでかいカエルだった。
「カエルか。きっと自分の表面にある粘液とかで電撃ごと防いだのかな。ちょっと本気だすか。....おいレン、大丈夫か、今にも死にそうな顔してるぞ。」
「....」
おもいっきり睨まれた。大丈夫じゃないならなんで最初に洞窟からでなかったんだろ。レンのやつも岩の後ろに行ったし、すぐに終わらすか。
ハルスは右手を前に出すといつぞやのように言った。
「前方に半径50m!"消し飛べ!」
カエルがいた空間が消え去った...いや、正確にはカエルがいたはずの空間だ。カエルはすでに空中に跳躍し落下してくる時だった。ついでに言うと落下しながらハルスを喰おうとしようとしていた。
「おいおい、どんだけ素早いんだよ!仕方がない。"雷迅"!」
ハルスの身体に電流が走ったと思えば、雷の如く跳躍した。
このモードは魔力の減りが尋常じゃ無いから好きじゃないんだけどな。まぁいい。一発で決めてやる。
「”雷残”」
ハルスは跳躍した時と同じように着地したときには、カエルは何か雷の様なものに切られて、死ん...では無かったが気絶していた。
「レン。終わったぞ。レン。」
「何...もしかして依頼終わったの!ああ、早く帰ろ...」
「今から最深部まで穴開けるから、行くぞ。」
「...サイテー」
知らんな。ったく誰が戦ったってんだ。もう疲れてきたし、ここらで終わりたいからな。一直線にいこう。
「”ポイントメモリー”っとこれでワープでここまで戻れるな。んじゃ開けるか。」
「早く終わるならもう何でも良いわよ...」
「”ブレイク&クリエイト・ロード”」
次くらいにはハルスも痛い目みてほしいですね。