第一章 第4話 魔法発動してみた
やっと洞窟の中に入れた...のはいいんだがレンのやつ、大丈夫何だろうか?ま、いざとなったら、自分でやってくれるはず...
「さ、さぁかかってこい!モンスターども!い、今すぐにでも八つ裂きにしてやる..キャー!ってなんだ水の雫か。全く、ビビらせるんじゃない!」
「なぁそんなに怖いなら戻っても」
ジャキンッ!
「...な、なぁ俺の髪がほんのちょーっと切れてると思うんだが、気のせいかなー?」
「私を驚かすような真似をするなぁあ!」
そんな涙目にならんでも、苦手なら来なきゃいいのに。
「頼むからさ、そんなにビクビクしないでくれよ。ただでさえゴツい鎧を来てるんだから、うるさくて仕方がないぞ。」
「だ、大丈夫だ。決して怯えてるわけではなくてだな...」
「語尾がちっこいぞー」
「何を!怯えてるんじゃなくて、これはモンスターを遠ざけるために鳴らしているのだ!」
モンスター退治も入ってなかったっけこの依頼。
「まぁ、戦えるんなら何もいわないけどな。おっ噂をすればモンスターが現れたじゃないか!」
「...なんでそう元気な声でいうかな。」
彼らの目の前に現れたのは子供くらいの大きさの、ネズミ一匹と普通のコウモリの一、二回り大きなコウモリ二匹、計三匹のモンスターだった。
「そうだなぁーありゃあグレイバットとグレイマウスか。」
「なんでもいいから、早くやっつけろー!」
「岩かげにいるやつが、大口叩くなよ!ま、このくらい1人でもどうにかするけどな!」
さて、あのコウモリは厄介だな。ネズミと違って空中にいるから予測しづらいんだよな。サクッとやっちまうか。確か、こうやって手の中に魔力を溜めて...
するとハルスの右手の手の平をモンスターに向けこういった。
「前方に半径20m!”消し飛べ”!」
ハルスが力を込めると同時に、指定していた"空間の物質"が、気体や固体、そしてモンスターの体すら、消えた。まるで、最初から何も"無かった"かのように。
「!!なによ、今の魔法は!」
「ん?何って師匠の使った技の1つを真似しただけだが、もっとも、まだまだだけどな。」
師匠はこの魔法、何て言ってたっけ?...そうだ、思い出した。
「この魔法を師匠はこういっていたよ。"ディストラクション"破壊ってことらしい。」
「これが破壊ですって!破壊どころか、消えてるじゃない!」
「別に気にしたら負けだって、記憶から”消えた”わけじゃないだろ。」
「えっ、それってどういう...」
「もういいだろ。ここがどこか忘れたのか?」
「あ...」
「さっさと出るためにも、すぐに終わらすぞ。この依頼。」
さっき倒した三匹が出てきたほうから、続々とモンスターが群れのように出てきていた。どうやらあの道が、洞窟の奥へと続いているようだ。
「そういや、ここって何層あるんだ?」
「10層よ!いいから、倒していって~!」
完全に逃げの体勢になってやがる。それにせよ、この数はさすがに多いな。洞窟全部で数百入るな。さっきので、魔力は1000くらいか、乱発するわけには、いかないからな。
「なぁレン!お前さぁ、魔法って何使えるんだ!」
「えっ、えーっと水なら全部使えるわよ!他は下位魔法しか、もちろん無とやらは無理よ!」
「そうか、じゃあ出来る限りたくさんの水を出してくれ!」
「よくわかんないけど、いくわよ!”オーシャン”!」
「いきなりかよ!ちょっまっt」
ネーミングセンスはさておき、レンの構えた両手を中心として、洞窟の穴という穴に水が流れていった。
「”テレポート”!いきなり使うやつが何処にいるんだよ。頼むぞ。」
「しるわけないでしょ。」
「もう、なんでもいいや。とにかくトドメだけしよう。”雷呪・毒牙”」
ハルスの右手から、紫の電撃が走ったと思えば水を這うようにして、洞窟に広がっていった。
「これでザコは、もうでないな。出るとしたらそこそこ強いモンスターだな。」
「ホントに倒しちゃったの?」
「おう。毒付与の雷を与えたんだ、死んでくれなきゃ困る。そういう事だから、ピクニック気分でいこうぜー」
「気楽で良いわね。それにせよ、入って15分でザコモンスター全滅させるって、あんたが人間なのか疑うわよ。」
洞窟だからレンちゃんは弱く見えますけど、洞窟意外は基本超強いです。