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第五話 勇者

すいません、あらすじの内容をちょっと変えました。

とても重要なので一度目をお通しください。



間違いない。俺はまだ、夢の中にいる。


いや、待て。そもそもこれは本当に夢の中なのか?

上手く言いあらわせれないが、

夢ってのは独特な空気感で何かがハッキリしない、ふわふわした感覚。




しかし今は現実と同じような、あまりにもリアルな感覚だ。

今思えばさっき起き上がった時に首が痛んだのも、現実だったからなのか?


いかん……段々と疑心暗鬼になってきた。


本当にここが現実だったとしたらまず、ここが何処なのか、

何でここにいるのかを知らなければいけない。

だが手がかりは一つも無いし、この部屋には窓も無いから外の様子をのぞけない。

そして俺の記憶にはこんな所に来た覚えはない。


つまり俺が寝ているときに何かがあったって事だ。


これはあまり考えたくも無いし、絶対にそうであって欲しくないが……

もしかしたら強盗が家に押し寄せてきたのか……?


綾香は俺にはあんな態度を取るが、ああ見えて対人恐怖症。

強盗相手にどうする事もできないだろう。


そして俺は拉致監禁されたって訳か。



「って、じゃあさっきのオッサン誰なんだよ」


ふと、先程の中年の顔が思い浮かぶ。もし俺を助けに来てくれたなら

すぐに諦めて出てったりしないだろ。それに、

あの深刻そうな表情は何か別のものに対してだった気がする。



よくよく考えてみるととこの強盗説はおかしい所がある。

何故か弱い彩香じゃなくて男の俺を誘拐したのか。

何故体を縛らずに自由な状態にしたのか。


見たところこの部屋は内鍵。逃げ出そうと思えば簡単に出られる。


そういった面を考えると強盗説は違うよな。



「という事はまたふりだしか……」



このままじゃ埒があかないし、一度部屋の外に出てみるしかないな。

そう思い立ちベッドから降りた瞬間、誰かが部屋の外を走る足音が聞こえてきた。

その足音は段々とこの部屋に近づいてきてスピードを殺すことなく、

何者かが勢いよく部屋に入ってきた。


「あんたは……」


肩で息をして汗をダラダラかいているソイツは、軍服を着たさっきの中年だった。

ちょうどいい、色々と聞きたい事がある。


「たっ大変です!王都マジリタが魔物によって攻め込まれました!」


「……は?」

ちょっといいですか、と言いかけるも中年のセリフに掻き消され、

その内容に俺は思わずマヌケな声をあげた。

気のせいか、現実の世界では聞きなれない言葉が二つ聞こえてきたからである。


          王都マジリタ、そして魔物。


この二つはドラクエ10に出てくる言葉。

ゲームの話以外では絶対に出てこないキーワードだ。



「あの、もう一度いいですか?」


「ですから……!ここマジリタは魔物によって攻め込まれました!」


参ったな。どうやら聞き間違えではないらしい。

そして中年の発言によりこれは夢だという事にようやく確信がもてた。


この世に魔物?王都マジリタだぁ?ないない。

ドラクエが好きだから故に見る、ただの妄想の夢じゃないか。

無駄にびびったわ、こんちくしょう。


「ふーん。んで、俺はどうすればいいの?」


安堵からか適当に反応をする。


ま、夢だったら純粋にこの夢を楽しめばいいだけか。

実は一度でいいから勇者になって冒険、なんて夢に憧れてたんだよな。



「はっ、燈夜様には勇者レイア様のサポートとして魔物を退治して頂きたいのです。

 勇者レイア様はもう前線で魔物退治を開始していますが

 いかんせん魔物の数が多いので……」


             「へ?」



……俺って勇者じゃなかったの……?



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