寝落ち
時間が無くてちょっと急展開ですが
ここから面白くしていきます。
「たっだいま~!」
ドラクエを拾った事による嬉しさからか自然とテンション高めの声が出る。
帰ってる途中も何度か歓喜の非鳴をあげてしまい、
通行人におかしい人と思われたかもしれないがとにかく俺は帰宅した。
靴を適当に脱ぎ散らかしリビングに入ると、彩香はまだ勉強しているのか
机に向き合っている。相変わらず勉強熱心な奴だ。
「彩香~。帰ったぞ」
声をかけると彩香は勉強を中断し振り返った。
「あ、おかえり燈夜。って満面の笑みなんかしちゃってどうしたの?気持ち悪い」
「んなっ……気持ち悪いって言うなよ。ほら、参考書買ってきたぞ」
そりゃ満面の笑みにもなるだろ。欲しかったゲームがタダで手に入ったんだから。
「ご苦労様。暑かったでしょ?」
ニヤニヤしながらそんな事を聞いてくる彩香にムカッとするが我慢する。
今はドラクエの事で頭が一杯だ。早くハード機を返してもらおう。
「当たり前だっつーの。約束通りゲーム返せよ」
「はいはい。でも夜更かししてたらまた取り上げね。
それに明日からは勉強しないと駄目だからね」
「わかってるよ」
その後タンスの奥深くに隠してあったハード機を回収し、現在自室。
さてと、さっそくドラクエ10を起動させてみるか。
ハード機の電源を入れしばらくすると、
お馴染みのオープニング曲と美しいグラフィックのムービーが流れ始めた。
「うおっすげー!!さすが新作だな!」
ネットの通り名作の予感がプンプンするぞこれは……!これは楽しみだ。
あんなにも早く捨てられていたからどうなんだろうって
思ったけど普通に面白そうじゃないか。
オープニングムービーを一通り見終えると、
勇者の名前を燈夜に設定しゲームを始めた。
それから十分間ぐらい適当にプレイし、王城に行って魔王を倒すことを宣言しに
行くまで進めた所で、突然猛烈な睡魔に襲われた。
あぁ……さっきまで全然眠くなかったのにどうしたんだ……?
暑い外を出歩いて疲れはしたが、あまりにも急だ……。
とりあえずセーブポイントまで行こうと踏ん張るが
まぶたが目を閉じようとして中々抗えない。
段々と視界が狭くなり、ついに俺の意識は途切れてしまった。