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第一話

こんにちは^^

「なぁ彩香、ドラクエ返してくれよ……。めっちゃ暇じゃん」


今日は憎らしい程の快晴。ニュースでは今日は三十六度の猛暑日との事で、

なるべく外に出ないようにと報道があった。


つまり今日は絶好のゲーム日和。クーラーをガンガンにつけ、ゲームをやる。

そんな素晴らしい時間を俺は楽しみたいのだ。


しかし、今はある問題があってそれができない。


「はぁ?ゲームなんか与えたら燈夜また夜更かししちゃうじゃん。

駄目駄目、燈夜にとってゲームは体に悪いんだから。

あ、為になる頭脳パズルとかならやってもいいよ?」


                 こいつだ。



問題の原因、佐伯彩香。妹のくせに母さんみたいな事を言ってくる世話焼きっ娘。

実はドラクエを夜更かししてやっていたあの日、

彩香は俺をボコボコにした後、ゲームのハードごと没収していってしまったたのだ。


「いや、お前さすがに頭脳パズルはねぇだろ……もっと心躍るゲームをだな……」


力弱く反抗するが彩香は勉強の途中なのかリビングの机に向き合ったまま


「そんなにゲームがしたいなら、まずは宿題終わらしたら?あたしが課題出してあげる」


とんでも無い事を言い、小悪魔的笑顔をしながら振り返った。

その際、黒のロングヘアーがふわりとなびき、シャンプーの甘い香りが俺の鼻を刺激した。



「わ、わかった。じゃあ後でやるから今返してくれよ」

なんとか理性を保ち返答するが、彩香は頑固だから今すぐ

勉強しないとドラクエを返してくれないかもしれない。ここは粘るのみだ。


「駄目~。今返したら燈夜絶対にやんないじゃん。

今やらないんだったらあっち行っててよ。あたしは宿題で忙しいの」


「そこをなんとか頼む……!何でもするから!」



「しつこいなぁ~もう。あ、だったらちょっと本屋で英語の

参考書買ってきてくれない?そしたら今だけは勉強を免除してあげる」



こいつ……ついに兄をパシルようになりやがって。

いや、確かに何でもするって言ったのは俺だけどさ。


「あれ~?嫌なら別にいいんだけどな~。自分で行くし」


俺の怪訝な表情を読み取ってか彩香がニヤニヤしながら言ってくる。


本当に、本当に生意気な奴だなこいつ……!!でも今の俺には


     「い、行ってきます……」



こうするしかなかった。







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