第三話『一年の守備試験の結果』
今から一年の実力試験が始まる。果たして谷口の実力はどれほどなのか…
「まずは、守備力試験だ。」
一番初めの守備試験が始まった。この試験はノック形式で行われる。
「谷口!お前からだ!」
仁藤監督が言った。だが谷口は返事をしなかった。なのに守備位置についた。谷口の守備位置はショートだった。
カキーン!…バシ!
カキーン!…バシ!
カキーン!…バシ!
谷口のプレーは打った瞬間に一歩がでていて球際も強く絶対にボールを掴んでいる。さらに捕ったあとの余計な予備動作がなく、強肩であり超高校級のプレーだった。
そのプレーを見た凛童は思わず思ったことが口にでた。
「あいつ、めちゃくちゃ上手いな…今のレギュラーに匹敵するほどじゃないかよ…」
確かに一番上手いのは谷口であった。しかし二番目に上手いやつとそれほど差はなかった…二番目に上手いやつもかなりうまいからだ。そいつの名前は岡田守と言うらしい。そんなことも知らず、谷口が近寄ってきて、こう聞いてきた。
「どうでしたか?俺のプレーは?キャプテン?」
「あぁ、確かにお前が一番だったよ。だがな、俺はお前と岡田の差が少ししかないと思うぞ。」
それはハッタリなどではなく事実だということを谷口は理解した。
「そうっすね…もっと頑張らんとだめっすね。」
「俺はお前が上手くなるためのアドバイスぐらいならしてやれるぞ、俺にアドバイスしてもらいたくないなら監督にしてもらうといい。」
谷口は小声で喋った。
「そうさしてもらいます。」
「なんか言ったか?」
「いえ、なんもいってないっすよ。」
「そうか。」
凛童は何か聞こえたようだっだが気にせずアップに戻った。
こうして一年の守備力試験が終わった。
次は走塁試験である。