第二話『生意気な後輩』
キーコーンーカーンコン!学校の終わりのベルがなった。今から野球部の練習が始まる。
「みんなー気合い入れていくぞ!」
と、凛童はみんなに大声で言った。
それに反応するようにみんなも「はい!」と答えた。
ある一人の後輩以外は…
その後輩の名前は谷口鈴覇と言い今年入ってきた一年生だ。野球がとてつもなく上手いのだが、性格が悪く先輩の言うことを一切きかない問題児である。
しかし、凛童はまだ谷口の野球の上手さを知らない。
「谷口、お前何で声を出さないんだ?」
「何でですかって?声はかれるし、ダルいからに決まってるじゃないですか。」そう谷口はダルそうに答えた。
谷口がもの凄く野球が上手いことを知らない凛童は質問した。
「お前、自分が上手いという自信があるのか?」
すると、自信満々な口調で谷口は答えた。
「当たり前じゃないっすか。今年、入った一年の中では俺が一番上手いと思いますよ。」
「ほう!そこまで自信があるのなら今から行う一年の実力を試す実力試験でずば抜けた成績をみせてみろ。だが、お前が実力試験でずば抜けた成績を残しても一軍に入れるとは限らんからな。この碧城学園に一軍と二軍があることぐらい知ってるよな?」
「もちろん知ってるっすよ。まぁ、俺は一年で一軍を狙ってますがね。」
そう話し合っていると仁藤監督が出てきて、こう言った。
「今から、一年の実力試験を開始したいと思う。今すぐ一年はアップを開始しろ。二・三年はその後に一・二軍どちらにふさわしいかを調べる実力試験を行うからそれまでにアップをすませておくように…」
「はい!」と、部員は力強く答えた…あの後輩以外は…
「キャプテン、みててくださいよ、俺の実力を。」
「ほんとうに上手いかどうかをこの目で拝んでやるよ。」
と、言いつつも心の中でこう思った。
(あいつはほんと生意気なやつだな。どうにかして喋り方を直してやることはできないだろうか…)
そんなことを考えてるうちに一年達のアップが終わり、仁藤監督が叫んだ。
「今から、一年の実力試験を始める!厳しく判定するので絶対に手を抜かないように。」