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俺たちが一斉に攻撃を仕掛けた大樹は俺の剣が触れる直前に体にバリアのようなものを張り,自分の体を守っていた。
おかげで俺の剣は大樹には届かず,ながやんの魔法もそのバリアの前で消えてしまった。
ボスなんだし,そう簡単にはいかないか。
「こういうボスって弱点必ずあるんだよな」
バリア張るってことはそのバリアを破ってしまえば良いさ。
「あ! 分かったぞ! よっしゃ」
何が分かったのか知らないがながやんは一人で大樹に突っ込むと魔法の詠唱を始め
「いっけぇ! 」
ながやんの手から発射された炎は大樹の葉の部分へ飛んで行き,燃え広がった。
大樹の頭上には少しずつダメージが蓄積されている表示が出て,倒れた。
俺たちは無傷でボスを倒してしまったようで。
「ボス撃破ぁっと。大した事無いな。うん」
今回はこいつのいい所独り占めか。
大樹がいた場所にはワープゾーンと表示された魔方陣ができていた。
これで町に帰れるようだ。
1時間くらいはこのフィールドにいただろうし,そろそろ帰るか。
その魔方陣の上に乗ると俺たちは南門に立っていた。
本当にどうなってるんだか,この原理は。
しかも本物のように感覚は残っている。
剣の重み,フィールドの空気。
文明はここまで進んでいるのか。
俺がそんな事を考えているとメッセージが届いた。
アリーナ開催のお知らせ
エルポアの町中央広場の施設にてトーナメント形式の大会を開催することになりました。
優勝者は最強の剣士エンダスとのエキシビジョンマッチに出場することができます。
パーティ毎に予選を行います。予選開催日はこの世界の3日後。受付は2日後までです。
制限レベルはありません。またこの試合のみ敗北してもレベルが1に戻りません。
ブレイバースタッフ
このメッセージは一斉に送信されたようで回りもどよめきに包まれている。
もちろん,俺の横にいる奴が叫ばないはずが無いのだが。
「おい! アツシ! こりゃやべぇよ! どれくらいかって言われると……アオォッ〜〜ってくらいに! 」
さっぱり訳が分からん。誰かこいつに正しい日本語を教えてやってくれ。
と,言いつつもこいつが言うことは分かってる。
「出るぞ! トーナメント! 」
お前の意気込みは分からんでもないが,それまではレベル上げ三昧ってことか。
「モチだ! よおっし! やるぞぉ!! 」
俺はながやんに手を引かれまた南門の受付まで来ていた。
……ここまで来たら戻れないってか。
ん? そういや……
「お前にメッセージ送るためのアドレスとかまだ交換してないよな? 」
これって個人間でもメッセージのやり取りできるんだろ?
だったら知っといたほうが後々役に立つかもしれない。というか普通教えるだろ? 同じメンバー間でくらい。
「おぉなるほどな! でも,もう送れるみたいだぞ? メッセージ作成からアドレスで……アツシって出たぞ」
何?
……俺のほうでもながやんと表示された。
どうやらパーティを組んだ時点で自動的にアドレスは登録されるようだ。
「これおもろしろいなぁ! さっ! レベル上げに出発だぁ!! 」
と,言うわけで俺たちはまたフィールドへ転送された。




