能登半島地震でおきたフェイク! 発信者の「情報の取り扱い」について
◇アテンションエコノミーによるSNSの質の低下
筆者:
本日はこのエッセイをクリックしていただき誠に光栄です。
このエッセイでは「フェイク」や「偽情報」、そしてそれを意識せずに僕たちも行ってしまう可能性について語っていこうと思います。
質問者:
なんだか最近、X(旧ツイッター)でも怪しい情報が増えたような気がします……。
筆者:
実際に過激な投稿は増えたと思われます。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授(社会情報学)は、
『イーロン・マスク氏が始めた広告収益分配プログラムによって、人々の関心の高さが経済的価値を持つ「アテンションエコノミー」が個人レベルで浸透する土壌ができた。
アテンションエコノミーが広まると、投稿の過激化や偽情報などの拡散が起こりやすくなるという。かねてよりYouTubeでは再生回数を稼ぐため過激化する傾向があったが、Xはより拡散力が高く、より簡単にインプレッションを稼ぐことが可能となる』
と、Xで過激な投稿が増えている原因についてインプレッションを収益化させたことではないか? と指摘しています。
※何を“過激な投稿”とするかで変わるので比較する統計データはありませんでした。
質問者:
なるほど、自分の投稿への関心の高さがそのままお金になるということでしたら、“敢えて炎上させる“といったこともあるわけですね。
1月1日の能登半島地震でも酷いデマがあったそうですね……。
筆者:
僕が把握している中で酷かったものとしては、
24年1月1日地震発生から5時間半後。19時40分付『中日スポーツ』を名乗る記事がSNS投稿に東日本大震災での津波動画を流し、募金を騙ったサイトに誘導することです。
質問者:
こういう時に限って詐欺師は働きますよね……。
筆者:
人の弱みに付け込みますからね。彼らは断罪されて欲しいです。
ただ、地震が起きたらすぐにやることはSNSをチェックしている場合ではなく、
すぐさま海岸や低い土地から離れるべきだとは思いますけどね。
能登半島地震から1分後にその影響と思われる1メートル以上の津波が到達していますからね。
◇誰でも起こりうる「類推のし過ぎ」によるディスインフォメーション
筆者:
次に、志賀原発が事故を起こしたかもしれないといった話です。
これはアテンションエコノミーが主な要因ではなく、「悪意のない行き過ぎた類推」だと思われます。
質問者:
なんですかそれは……。
筆者:
これは公式の記事からの情報を「類推し過ぎた」ことが原因でした。
能登半島地震で、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)周辺の空間放射線量を測定するモニタリングポストが、15カ所で測定できなくなっていたことが事実としてあるんですね。
この測定不能は事実なのですがこれを「放射線量がカンスト」や「原発が爆発して測定器が壊れる」などと類推し過ぎてしまい、「原発事故を起こした」と考えてしまったわけです。
実際のところは、放射線量が極端に周辺で増えたといったことはありませんので、
結果として「デマ」ということになってしまっています。
こういった事実の中に偏見を混ぜて情報を曲げてしまうことを、
「ディスインフォメーション」と言いますので注意しましょう。
※ただし、外部電源の一部は今も使えず、北陸電は完全復旧に少なくとも半年以上かかるとの見通しであることから耐震能力や部品調達能力脆弱さを露呈しているのは事実だとは思います。
質問者:
これは絶大な影響になりますね……。
周辺の風評被害や無用な避難しなくてはと思ってしまうかもしれません。
しかし、筆者さんもよく類推しているような気もしなくは無いのですが……。
筆者:
僕が憶測の多い考察をしているということは否定しません。
ただ、僕が行っている政治の憶測は特に誰かの行動に対して影響を及ぼすタイプではないです。
あまり無い考え方の一つを提示し、皆さんの考え方のお役に立ててもらえばと思っている次第です。
マスコミが政府の実質的なプロパガンダ機関として活動していることも間違いないと思っていますから。
質問者:
はぁ、なるほど。(これ以上触れると、めんどくさそうだからやめておこう……)
◇コミュニティノートは専門家が必ずしも指摘しているわけではない
筆者
次に、二次避難場所(ホテルや旅館など)に行くためにはお金がかかるといったデマです。
実際には政府が借り上げているので無料です。
これは芸能人でもあるラサール石井さんが1月11日に岸田首相がXで二次避難を呼びかけた際に「被災者に金なんかあるか」と嚙みついたことで大きく話題になりましたね。
※フェイクニュースを取り締まる法律改正(プロバイダー責任制限法)を検討するようになったタイミングと被ったことから“ラサール法”とまで呼ばれるようになりました。
この法案は行き過ぎると“言論統制”にもなりかねないのでこの法律の改正についても注目しています。
質問者:
これも酷い話ですよね。
確かに、国民を無視した政策が多い政府に対してある程度穿った見方になってしまうのはやむを得ないことだとは思いますけど……。
筆者:
有名人は社会的影響力と発信力が桁違いですから、
もうちょっと色々調べて、考慮してから発信して欲しいなと思いますね。
質問者:
結局のところどういった基準でフェイクニュースか見極めればいいのかよくわからないのですが……。
Xだと「コミュニティノート」があるのであれを参考にすればいいのでしょうか?
筆者:
なんとなく、あのコミュニティノートが「専門家の方が書いている」と思いがちですが、
「ユーザーに背景情報を追加する機能を与える」
という性能を持っているだけで、専門家が書いているわけでは必ずしもないんですね。
質問者:
えっ!? ファクトチェックみたいなことをやってくれているわけじゃないんですか!?
※ちなみに筆者は「偏った専門家」がファクトチェックを行っていると認識しているので彼らを信用しきっていません。
筆者:
コミュニティノートを書ける人は「協力者(Contributor)」と呼ばれ、誰でも応募できます。
協力者になるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
・過去に違反行為がないこと
・電話番号で認証済みであること
・Twitterに登録してから6カ月以上経過していること
その上でCommunity Notes公式アカウントをフォローして審査が下りたら協力者になれるといった形です。
ちなみにほとんどXは開店休業状態の僕でも応募ぐらいはできました。
もちろん専門家が追加情報を与えている場合もあると思うのですが、
コミュニティノートの全部ではないということです。
質問者:
知りませんでした……。
そうなると余計にどうしたらいいのか分からなくなりますね……。
◇公式情報を“活用する”
筆者:
情報の精度で言ったら、僕が嫌悪するオールドメディア(新聞テレビなど)と、
政府公式発表が結局のところ高いといった実情があります。
ただ彼らは情報の“重要比率”を変えてさして問題でもないことを大きく取り上げたり、
本当に報じて欲しいことをしらっと小さくしか報じてくれないので国民が判断を誤ってしまうということです。
僕もなんだかんだでソースのほとんどは新聞と政府系公式発表ですからね。
ただ“レア“なぐらい小さくしか報じていない記事や世間から見たらマイナーな学者の見解ばかりですが(笑)。
あくまでもオールドメディアを信頼するのではなく“活用している”といった感じです。
質問者:
そうなるとSNSの精度は無いんでしょうか?
筆者:
ただ、“スピード“はありますから、「現地の速報情報」として見るならちょっとはアリかなとは思います。
しかし画像や映像におけるディープフェイクの技術も上がっていますから、
凄くしょうもない偽情報から、普通の人では見抜けないような高度な偽情報である可能性もあるので、
“こういうこともあるかも”なぐらいにしておいた方が良いです。
嘘かもしれない情報に感情を振り回されたら身が持ちません。
僕もネットの情報で“気になるグレー情報“はあるのですが、
『オールドメディア』が取り扱わない情報については、
外部に公開すると”デマになってしまう可能性“も考慮して情報を選別して発信をしているという形です。
質問者:
何かよくわからない情報は公言しない方が良い、触れない方が安全ということですか……。
それより、自分のSNSの意見が志賀原発のケースのような悪意が無くても、
ディスインフォメーションになってしまうかもしれないことが怖いのですが……。
筆者:
僕も最近のエッセイで痛恨のミスを犯しました。
「山川穂高内野手のFA宣言の人的補償に和田毅投手を指名」と複数の報道機関が誤ったので僕も釣られてとんだ失態を犯してしまいました。
本当に”痛恨の極み”という言葉以外出てきませんでした。 ※1月11日にエッセイを掲載
「当事者の公式発表」が大事だと痛切に感じた一件でしたね。
この一件ですと埼玉西武ライオンズの発表を待つべきでした。
普段高らかに“情報を精査しろ”と言っておきながらこの有様だったので、
とても勉強になりましたし、反省しています。
この件は、そもそも考察が「類推や推測」なのに、
情報源も「類推や推測」だと全く現実とは異なる状況になってしまったことを表していたと思います。
質問者:
情報源はせめて確固たるものの方が良いということですか……。
筆者:
また、今回の和田投手の件は和田投手と甲斐野投手のファンにちょっと悪影響が出たぐらいですが、
経済的、身体的、精神的に悪影響が出る可能性があるものについてはかなり配慮が必要だと思っています。
質問者:
自分の発信で何かしらの形で損害が出るかもしれないと責任を取る覚悟ですかね?
筆者:
それも大事になります。
無責任に情報を発信してしまえば、それだけ無秩序な状態になってしまいます。
かといって委縮してしまって何も発信をしないというのも問題だと思うので、
しっかりと精査をしてから覚悟を持って情報を発信したいしたいなと思いました。
ということでここまでご覧いただきありがとうございました。
今後もこのような時事問題や政治経済、マスコミの問題について個人的な考察をしていきますのでよろしければご覧ください。