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備忘録
私は、小さな頃から私ではありませんでした。なぜ私は私として生まれることができなかったのか。疑問を感じる日々を送ってきました。でも、もうそんなことどうでもいいのです。私は晴れて私になれたのですから。だからこのお話は私がお墓に入る時まで持っていくつもりです。ただ、やっぱり人間経験したことは話したくなっちゃうものです。だから私はベスに話すことにしました。石油ストーブには大きなお鍋が飾られています。鍋底には、しわがれた老犬がかつてを懐かしむかのように目を細めています。
「懐かしいねぇ・・ベス。。」