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色彩の大陸2~隠された策謀  作者: 谷島修一
共和国派の内紛
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ベルグブリック3

 大陸歴1658年4月25日・ベルグブリック


 クーラによって帝国軍がベルグブリックに向かっているという情報を得てから二日経った。

 ブロンベルクはポズナーノーチニク山脈からベルグブリックに抜ける道で帝国軍を待ち構えている。偵察を出してはいるが、その報告によると帝国軍の姿はまだ見えないという。また、ブロンベルクは状況をベルグブリックで待機しているホルツに随時報告するため、何度も伝令を街に出していた。


 昼頃、ベルグブリックに待機しているホルツが、クーラの姿が見えないのに気が付いた。

「クーラはどこだ?」

 近くにいる兵士に尋ねた。

「今日は見ていません」

「昨夜は?」

「例の宿屋に泊まっていたはずです」

「部屋を調べさせろ」

 兵士は宿屋に向かって走って行った。


 しばらくして、兵士が戻って来た。

「部屋にはおりませんでした。彼の馬も消えています」

「なんだと?」

 ホルツは困惑した。一体どういうことだ?

「モルデンに伝令を出させろ。モルデンがクリーガーによって掌握されたというのも疑わしくなってきたな。リヒターを呼べ」


 マリアは近くで待機していたので、すぐに呼び出された。

 ホルツはマリアに言う

「モルデンがクリーガーに掌握されているのは本当か?」

「もちろんです」

「クーラが消えた。ひょっとしたら帝国軍が向かっていると言うのは嘘なのかもしれん」

「なぜ、嘘を?」

「我々をここへ足止めさせなければならない理由があるのだろう」。ホルツは手を顎に当てて考える。「問題は、一体、誰がそうさせているのかだ」


 ホルツは考えを巡らせる。

 帝国軍がモルデンを奪還していたらどうだろうか?

 帝国軍がクーラを利用した? クーラも偽物なのかもしれない。

 モルデンで帝国軍が再度、支配権を掌握したのであれば帝国軍は相当な数の軍勢のはずだ、我々がモルデンに向かったところを待ち伏せすれば、こちらを簡単に粉砕できるだろう。わざわざクーラをここに寄越す必要はない。

 ホルツは、この考えを捨てた。


 すると、クリーガーなのか?

「リヒター。クリーガーがモルデンの指揮を執っているのか?」

「いえ、指揮を執っているのは、コフのはずです。クリーガー隊長は帝国軍のモルデンへの攻撃を止めさせるために、司令官を説得しに敵陣へ向かうと言っていました」

「なんだって?」ホルツは驚いて目を見開いた。「それで、説得は出来たのか?」

「それはわかりません。私は隊長が敵陣に向かう前に、ベルグブリックに向かうように命令を受けましたので」 

 もし、クリーガーが帝国軍の説得に失敗していたらどうだろうか?

 そうなると、帝国軍がモルデンを奪還していることになるだろうが、帝国軍がモルデンを再度支配下に置いた可能性は捨てたばかりだ。


 そうすると、クーラを寄越したのはコフなのか?

 コフが我々を足止めさせている?

 ホルツは考えるが、やはり、ここに足止めさせられているのが、どういうことなのか全く考えが思い当たらなかった。しかし、考えるだけ時間の無駄だ。

 ホルツは叫んだ。

「ブロンベルクを呼び戻せ! 全軍でモルデンに向かう」


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