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色彩の大陸2~隠された策謀  作者: 谷島修一
共和国派の内紛
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ベルグブリック2

 大陸歴1658年4月23日・ベルグブリック


 早朝。地平線から陽がのぞく。


 ダニエル・ホルツ、カール・ブロンベルク、マリア・リヒターたちはベルグブリックを出発しモルデンに向かうため、街に居た共和国派の全員を街の入り口に集結させた。その数は約千名。

 マリアは皆を見渡した。

 正規の共和国軍に所属していたのは収容所に居た三百人程度で、残りはベルグブリックや近隣の町や村で参加してきた義勇兵だ。そういう事もあって、それぞれの服装はまちまちだ。しかし、士気は高いようだ。


 ホルツが号令を掛け、まさに出発しようとしたその時。

 街道をベルグブリックに向かってくる馬の乗った人物が一人見えた。

 すぐにホルツ達は、その人物に気付いた。馬の速度から見て、やや急いでいるようだった。


 その馬上の人物の顔が判別できるほど近づいたが、見知らぬ人物だった。

 彼は、馬上から大声で話しかけて来た。

「私は、モルデンにいる共和国派のメンバー、リアム・クーラだ」

 リアム・クーラ。ホルツはその名前だけは聞いたことがあった。コフ達と共にモルデンの中で活動をしている人物だ。

 クーラは続けて叫んだ。

「帝国軍がポズナーノーチニク山脈を越えて、ベルグブリックを背後から襲おうとしているという情報が入った」

「なんだと?!」

 ホルツ達は狼狽した。もし、このことをクーラが教えてくれなければ、移動中の背後を襲われたかもしれない。

 クーラは近づいて来て、ホルツに言った。

「急いで、街の反対側で帝国軍の対応を」

「わかった!」

 ホルツはそう言うと、全軍に命令を出した。

「予定変更だ。全員で帝国軍の対応をするため、街の反対側に向かう」

 そこにいた千人の兵下たちは慌てて、向きを変え街の反対側に向かって行った。


 ホルツはクーラに近づいて言った。

「教えてくれて助かった。危うく後ろから襲われるところだった」

「ええ、間に合ってよかったです」

「帝国軍の数はわかるか?」

「いえ。そこまでは」

「そうか」

 ホルツは残念そうに言う。しかし、ポズナーノーチニク山脈からベルグブリックに抜ける道は細く、うまく待ち伏せをすれば、帝国軍の数が多くてもそれなりに戦えるだろうと考えた。


 共和国派が街の反対側に到着する。

 ホルツはブロンベルクに言い、ポズナーノーチニク山脈からの道で待ち伏せするように命令した。次に、ブロンベルクに深蒼の騎士十名と一般兵三十名を連れてポズナーノーチニク山脈の方に向かうように命令をする

 細い道であれば大軍で一度の攻撃は不可能だ、この人数でも精鋭の深蒼の騎士がいれは魔術を使って、うまく足止めすることができるだろう。


 ブロンベルク達はポズナーノーチニク山脈への道を数時間進む。今のところ帝国軍との遭遇は無い。

 しばらく進むと道は、両側が切り立った崖がそびえ立つところが多く、くねくねと曲がっているため見通しが良くない。突然、帝国軍と鉢合わせという可能性もある。ブロンベルクたちは注意深く道を進んだ。


 しばらくして、少しだけ見通しいい場所があったので、その手前で全員を待機させ、帝国軍が到着するのを待つ。と、同時にブロンベルクは、二名を偵察としてさらに道の先に進めさせた。


 一方、ホルツ、マリア、クーラ達と残りの兵は、街の入り口を塞ぐため瓦礫を集めて道の封鎖を始めていた。


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