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第十八話

「最終問題。今日のウチの下着の色は?」


 紅蓮が淡々と言った。

 …………ん?

 

「は?」

「ほらどうした? 百年前の生き残りのくせにわからねぇのか? やっぱりスパイだろ、お前」


 なんの関係もねぇ。

 

「いや、なんで紅蓮の下着の色を答えることができたら、俺が百年前の生き残りだって証明になるんだよ」

「早くしろ」


 まあいいや。

 適当に答えよう。

 どうせこんな問題を間違えても、撃ち殺されることはないだろうし。

 

「白?」

「……えっとな、ちょっと待てよ? どうだったっけ? 朝タンスから何を出したかな? …………あぁ、だめだ。……おい、朧月! 確認するから反対を向いてろ」

「お前も知らないのかよ」

「いちいちおぼえる理由がねぇからな。……て、おい。何見てんだ。そんなに見たいのか? このむっつりスケベ! 変態!」

「はぁ、わかったよ」


 俺は後ろを向いた。

 

 そんなに見たいのかって言われてもさ。

 別に紅蓮の下着なんて……ほんのちょっとしか興味ないんだけど。

 見せてくれるのであれば、まあ見てもいいかな? くらい。

 ありすさんのだったら喜んで見たい。

 ありすさん……今日はどんな下着なんだろう。

 案外くまちゃんパンツとかだったりするのかな?


「おい! もうこっち向いていいぞ」

「あ、ああ」


 振り向くと、不機嫌そうな顔の紅蓮。

 えっ、何その表情。

 

「お前なんでわかったんだ? さっきのパスワードと言い、種明かしをしやがれ」

「えっ? 白で当たってんのかよ」


 種明かしと言われても。

 ガチで運が良かっただけだ。

 教えようがない。

 

「変態朧月。ウチに気づかれないように覗くとは大したもんだ。その技術に関しては褒めてやる。だから、いつ見たのか白状しろ」

「いや、そんなコートみたいな軍服の下なんて見えるわけないだろ。更にズボンという城壁もあるしな」

「まあそれもそうか。……仮に見られたとしても、ウチが気づかないなんてヘマをするはずがねぇ。よって、お前は有罪だ」

「なんでだよっ!?」


 今許す流れだったじゃん。

 

「スパイ確定だ。異論は認めん。言い訳があるなら言ってみろ」

「異論を認めないのに言い訳を聞くのか? 俺はどうすればいい?」

「知るか。早くありすの下着の色も当ててみろってんだ。もし当てることができたらお前を百年前の生き残りだと判断してやる」


 もうわけがわからない。

 こりゃだめだ。

 

「なぁ、もういいだろ?」

「ふふっ。ちなみにありすはパンダの絵が大きく描かれたおパンツを毎日──」

「──や! やめてっ。……ち、違うもんっ」


 ありすが紅蓮の口を塞いだ。

 えっ、何その反応。

 ただの紅蓮のボケじゃないの?

 

「おいおいありす。嘘はよくないんじゃねぇか?」

「もう喋らないで!」

「そんなに必死そうにしていたら朧月くんに疑われるぞ~?」

「!? …………うぅ」

「で、どうせ今日もお尻にパンダさんがどか~ん! ってあるんだろ?」


 ありすさんは首を左右に振る。


「……ない」

「そうは言ってもなぁ。ありすのタンスのなか……パンダさんパンツ以外なくね?」

「……鎬はもう黙ってて」

「というわけで朧月。いつまでも入り口の前で立ち止まっているのもあれだし、建物のなかに入るぞ」


 一度『というわけ』の意味調べてこいよ。

 絶対使い方違うからな。

 まあ話題転換が良い方向に転んだからいいけどさ。

 

「よし、行こう」

「おいお前もついてこい。パンダさん」

「……パンダさんじゃないっ!」


 珍しくありすさんが強く否定している。

 よほど嫌なのだろう。

 もうマジでやめてやれよ。

 パンツの話だから、俺も介入しにくいし。

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