表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/198

第十三話

 それから一分ほど沈黙が続いた。

 最初に口を開いたのは、言わずもがな紅蓮だ。

 

「沈黙がうぜぇ。ありす、朧月。どっちでもいいからなんか喋ってくれ」


 いきなりなんか喋ってくれと言われてもな。


 あ、そうだ。

 いい機会だし聞きたいことを尋ねておくか。

 まだまだ知りたいことが山ほどある。

 

「基地ってどんな所なんだ?」

「あとで見ればわかるだろ」

「……組織にはリーダーみたいな人がいるんだよな?」

「ああ。いるぜ」

「結構強面だったりするのか?」

「あとで会えばわかる」

「……お風呂とかある?」

「ある」

「基地のなかに魔獣とかが入ってくるおそれは?」

「基本的にない」


 ……全然会話が続かねぇ。

 こいつ、自分から振っておいて喋る気ないだろ。


「この獣道……基地から川まで迷わず行けるように作ってあるのか?」

「ふぁぁぁ~。……あぁ、眠てぇ。ひとっ風呂浴びてベッドで寝たいぜ」

「……」


 眠いんかい。

 それでさっきから口数が少ないんだな。

 じゃあ、なんか喋ってくれとか言うなよ。

 というかまだ午後ですらないけどな。

 さては昨日夜更かししてたな?

 

「それで獣道の話だっけ? ふぁぁぁ。昔はよく基地から川に向かう途中、迷子になって帰ってこられなくなっていた奴がいたらしくてな、ウチが生まれるちょっと前くらいに作られたんだとよ。それ以降組織の人間が多用するようになって、別に何もしなくとも道の状態がキープされているわけだ。一応植物が道を遮っているようなら、切り倒すなりなんなりするっていう決まりがある。どうだ、わかったか? わかったならウチはもう喋らねぇぞ。眠たいからな」

「お、おう。ありがとう」

「それでありす。最近太ってきたんじゃねぇか?」


 結局喋るのかよ!

 

「えっ……そう?」

「いや、適当に言った。合っているかどうかは知らん」


 なんじゃそりゃ。

 

「…………」

「おい、なんで無言なんだよ」

「だって返したら鎬、うるさいありす……って言うもん」

「おぉ、よくわかってんじゃん。正解! なんでわかったんだ?」

「……長い付き合いだから」


 正直俺もそんな気はしていた。

 短い付き合いだけど、なんとなく予想はつく。

 

「それで朧月。最近痩せてきたんじゃねぇか?」

「いや、今日出会ったばっかだろ。まあ実際かなり痩せたけどな。過酷な環境で果実以外食べてなかったから、自分でも体が軽くなってきた自覚はある」

「ウチはもうちょい太っている方がタイプだな」

「じゃあもう少し痩せるとするか」

「お前、舐めてんのか?」

「冗談だって」

「なんにせよガリガリはモテねぇぞ?」


 まあそうだろうな。

 俺もどっちかというと細すぎる女子は嫌だ。

 ちょうどありすさんくらいがいい。

 というかありすさんがいい。

 

「俺も好きで痩せたわけじゃないからな。できれば基地に着いたら何かがっつり食べたい。もちろんその分働くつもりではいる」

「はは、そりゃいいや。じゃあ朧月、今夜ウチのマッサージよろしく。たくさん働くんだろ?」


 なんだと?

 

「いや、異性同士でそれはまずいだろ」

「そんくらい普通じゃねぇか? ……おい、まさかとは思うけど、ウチと間違いが起こるとか思ってんじゃないだろうな?」

「それはないけどさ。マッサージって……俺、女子の体なんて触ったことないし。そもそも付き合ってもいない子とそういうことをする気はない」

「はぁ~。男のくせに女々しい奴だな。言っていることがありすそっくりだぜ」


 あ、なんかそれは嬉しい。

 

「なんにせよ、マッサージは嫌だからな?」

「まあどうせ初対面の奴にやらせる気なんてなかったし、別にいいけどな。……というわけでありす、頼むぞ?」

「えぇ……鎬の筋肉、硬いからやだ……」


 すごく想像つく。

 そんな気しかしない。

 

「失礼な奴だな、おい。というか、ありすが全体的にぷにぷにし過ぎているんだよ。大して太ってもいないくせにどういうことだ? こんな環境で生きてきてよくそんな体になれるよな。……甘い物ばかり食べているし、当然といえば当然だけど」


 なんかそれも想像つく。

 かわいい子=甘い物だよな。

 

「……食べてないもんっ」

「うるせぇ、ぶりっ子」


 ひでぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンでただひたすらレベルを上げ続ける少年
主人公最強モノでとても爽快なストーリーとなっています。また書籍化もされている人気作品ですので興味のある方はぜひ!
上のタイトルを押すと作品ページに飛びます
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ