第八話
それから俺は、歩きながら紅蓮さんに質問を繰り返していった。
結局五つは聞いたと思う。
本当はまだまだ疑問に思っていることがあったが、あまりいっぺんに質問しても忘れそうだったため、いったん飲み込んだ。
またいつでも聞けるだろう。
で、俺以外の百年前の生き残りは、今からちょうど一年前に目覚めたらしい。
話によると、やはり道中で何十人も魔獣にやられたようだ。
他の生き残りたちが言うには、機械ライオンに食われたり、カンガルーに死ぬまで殴られたりと。
運動神経の悪い人たちから脱落していったのだとか。
考えることは同じらしく、全員で川を下ってきたらしい。
今は泡沫組のなかで行動を共にしているという。
続いて百年前の生き残りのメンバーについて。
驚くことに、50人全員が高校生のようだ。
話によると、日本のなかで優れた能力を持った高校生が50人だけ厳選して集められ、冷凍保存されたとのこと。
ちょっとだけ嬉しくなってにやけていると、紅蓮さんから「気持ちわりぃなぁ」と言われた。
なんかすみません。
次に、この世界にどれくらいの人がいるのか。
知るか! と返答された。
まあ、そりゃそうか。
だけど俺が思うに、確実に昔よりも少ない。
それは明らかだろう。
惑星同士が衝突して、人が死なないはずがない。
次に、泡沫組という組織に何人ほどいるのか。
今は大体120人くらいだろ、らしい。
割と少ない……のか?
よくわからない。
最後に、今は破滅時代何年なのか。
101年! と言われた。
うん。
途中から絶対質問の返答が面倒くさくなってきている。
まあ答えてくれるだけありがたいけどな。
それから少しして。
破滅時代101年と聞かされて、そういえば今は百年後の地球らしいし、当然鈴はもう……と確信し、俺が若干涙目になりながらも歩いていると、「なんだお前泣きながら歩きやがって気持ちわりぃなぁ! まあ、事情はよく知らねぇけど、これから良いことあるって!」と言い、紅蓮さんが髪をガシガシと触ってきた。
慰めてくれたんだと思う。
優しい所もあるようだ。
そして今現在、獣道の目の前に到着した。
「おし、ここを曲がるぞ。この獣道を四十分くらい歩いたら基地に着くからな」
そう言って紅蓮さんは先頭を歩いていく。
二番目にありすさん。
最後に俺だ。
……んっ?
徒歩四十分?
俺、前回三十分くらい歩いたよな?
じゃあ、もう少し進んでいたら人のいる基地にたどり着けていたってことか?
うわマジかよ。
昨日、わざわざ引き返して、巨大ドームに行き、海にたどり着いたのはなんだったんだ?
完全に無駄足じゃねぇか。
「おい、朧月くん。ちゃんとついてきているか?」
「えっと紅蓮さん。その呼び方なんとかならないか?」
「なんでだ? 朧月くん」
「単純にそう呼ばれるのが嫌なんだよ」
「じゃお前も紅蓮さんって呼ぶのやめろよ。気持ちわりぃ」
そんなのお安い御用だ。
「紅蓮。……これでいいか?」
「ああ、ばっちりだ。じゃあこれからウチはお前のことを朧月くんって呼ぶぜ」
「変わってねぇ!!」
勢いよくツッコんだその時。
「……ふふっ」
真ん中のありすさんから笑い声が零れた。
片手で口元を抑えている。




