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第四話

 とりあえず黒い画面を覗き込んだ。

 画面には俺の顔が映っている。

 

 イケメンだ……と思いたい。

 決してブサイクではない。

 イケメン……の可能性がある顔。

 

 とにかくだ。

 やはり歳は取っていないらしい。

 昨日、洗面所の鏡で見た顔と変わらない。


 そういえばさ。

 どうして風呂上がりの自分って、ちょっとイケメンに見えるんだろうな。

 髪をちょっと盛ってみると、ホストとかになれそうな気がする。


 でも次の日に寝起きの顔を見たらガッカリするんだけどな。

 そんなことを思いつつ、スマホをズボンのポケットへ入れた。


 視線を再び箱のなかへ向ける。

 

「にしても、なんでサバイバルナイフがあるんだ?」


 普通のナイフよりもサイズが大きい。

 ちょっと見てみるか。


 緑色のカバーを外すと刃が姿を現した。

 刃の反対側がギザギザしている。


 おっかねぇなぁ。

 俺こんなの持ってた覚えないぞ?

 誰か別の奴が入れていったんじゃねぇの?

 よしもらっておこう。


 銃と刃物が嫌いな男子はいない。

 これは断言しておく。

 

 サバイバルナイフを別のポケットへしまった。

 

「さて、覚えがないと言えば……この手紙もだよな」


 正直、一番最初に見つけていたが。

 今まで無視していた。


 これを読んでしまうと、なぜ俺がこんなところで寝ていたのかがわかるような気がする。

 それが怖い。

 だが現実から逃げてばかりもいられない。

 読むとしよう。

 

 思い切って手紙を開いた。

 

【もし君がこの手紙を読んでいるということは、目が覚めたということでしょう】


 うん覚めたよ。


【残念ながら君のカプセルだけ故障しているらしく開く様子がありません。機械に詳しい人も直し方はわからないとのこと】


 カプセルの故障。

 俺が立てた仮説の一つが当たっていたな。

 とすると……俺はやはり冷凍保存でもされていたのか?

 

【君がいつ目覚めたのかはわかりません。だけどこれを読んでいるということは少なくとも無事なのでしょう】


 決して無事ではない。

 今にもリバースしそうだよ?

 

 というか。

 ちょっと話がそれるんだけど。

 吐く表現ってよく、ゲロゲロとか。

 おえぇぇぇ、とか。

 おろろろ、みたいな感じに表現されてるけどさ。


 実際はエァァァーってならない?

 俺だけかな?

 

「うっ……」


 やばい。

 変なこと考えてたら、吐きそうになった。

 というかちょっと胃酸が上がってきた。

 酸っぱくて苦い。

 

 一度深呼吸をする。

 落ち着け、俺。

 

【とにかく私たちは先にこの部屋から出ることにします】


 うん、そうみたいだね。

 この部屋俺しかいないもん。

 ひとりぼっちだもん。

 

【君とまた出会える日を】


 手紙が終わった。

 

「ん? これだけ?」


 裏返してみるが白紙。

 嘘だろ。

 ほとんど何もわからなかったんだけど。

 結局俺はなんでここにいるんだよ。

 

 手紙を折りたたみ、胸ポケットにしまう。

 一応持っておこう。

 

 とりあえず判明したのは。

 カプセルが故障していたせいで、他の人と同じ時間に起きられなかったということ。


 そこから推測するに俺。

 いや、俺たちは何らかの理由で眠らされていた。

 

 いろいろとわからないことだらけだが。

 俺以外にも人がいたこと。

 そしてその人たちがもうすでに外へ行ってしまったことは確かだ。

 

「俺も今すぐ外へ行きたいところだが……すごく眠い」


 床に寝転がる。

 とりあえずこの部屋でひと眠りしよう。

 この部屋の扉がどこへ繋がっているのかは知らないけど。

 どこであれこんなフラフラな状態で外に出たら、ろくなことにならない。


 俺はもう寝るね。

 

 ねるねる寝るね。

 知育菓子じゃねぇか!

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