表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/198

第百三十二話

 砂浜の上に座った。

 こうやってのんびりと釣りに集中できるのも、旋風班長が辺りを警戒してくれているからだ。

 感謝しないと。

 

 後ろを向いてみる。

 旋風班長は、銃を構えて森や空を見ていた。

 全然隙が無い。

 あれなら安心だな。



 五分ほどして。

 

 竿がピクンッと動いた。

 

「きたっ!?」


 勢いよく引っ張る。

 ちょっと重い。

 確実に釣れている。

 

 水中から姿を現したのは──灰色の魚。

 記念すべき一匹目。

 

 手元に手繰り寄せる。

 全体的に灰色で、白いえら。


 あまり大きくないが、生きがいい。

 めっちゃパタパタ跳ねている。


 針を外したいんだけど。

 触るのが怖い。

 

 おそるおそる胴体を掴み、針を外していく。

 おい、動こうとするな。

 頼むから静かにしててくれ。

 

 動くと余計に痛いぞ?

 なるべく楽に外してやりたいんだよ。

 苦しむのは嫌だろ?

 どうせ数日後には食べられるんだろうけどな。


 つまり釣られた時点でお前は終わりだ。

 もう諦めろ。


 とそこで針が外れた。

 

「ふぅ。やっと取れた」


 左手で掴んではいるものの。

 正直いつ離してしまってもおかしくない。

 持っていることが怖い。

 

「……これに海水を入れて、泳がせておくと鮮度が保てる」


 そう言ってありすさんはひとつのクーラーボックスに海水を汲んできてくれた。

 

「あ、ありがとう」


 すぐにそのなかへ灰色の魚を入れる。

 するとすぐに泳ぎ出した。


「ちなみにこの魚は食べられるの?」

「……うん」

「そっか」


 マジで魚のことについては詳しくないからな。

 毒があるのかどうかなんてわかるはずがない。

 

 だから。

 こうして判断してくれる人がいるのは助かる。

 会話をするきっかけにもなるかもしれないし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンでただひたすらレベルを上げ続ける少年
主人公最強モノでとても爽快なストーリーとなっています。また書籍化もされている人気作品ですので興味のある方はぜひ!
上のタイトルを押すと作品ページに飛びます
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ