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第百三十一話

「とりあえず付け終わったから」

「……うん」


 彼女は海に近づき、糸を遠くへと飛ばす。

 上手いな。

 見た感じ無駄な力がかかってない。

 

 よし。

 俺もやるか。

 今の動きを見て、大体コツはつかめた。

 野球ボールを投げる時に似ている。

 

 というか。

 今思ったけどさ。

 結構糸長いな。

 まあ遠くまで飛ばすにはこのくらい必要か。

 

 竿を構える。

 まずは一度体を脱力させて。

 両足を開き。

 ボールを投げるように腰や腕を使いながら。

 放物線を描くようなイメージ。

 

 行けぇ!!

 

 しばらく飛び続けて、ポチャンという音が聞こえた。

 重りが水中へと入っていく。

 やった。

 ありすさんよりも遠くまで飛んだぞ。

 初めてにしては上出来ではないだろうか。

 

「……すごい」


 隣でありすさんがつぶやいた。

 うわぁ褒められた。

 めっちゃ嬉しい。

 

「ま、まあ……コツを掴むことだけが俺の特徴だから」

「最初なのに……私より飛んでる」


 どう返そう。

 とりあえずお礼を言っておくか。

 

「ありがとう」


 それから少しの間無言が続いた。

 一分ほどだとは思うけど。

 非常に長く感じた。

 

「……えっとね。たまに竿を動かすと、釣れやすくなる」


 そう言って竿を上下に揺らすありすさん。


「へぇ」


 参考になるな。

 

「で……竿が動いたら、一気に引っ張るの」

「なるほど。いろいろ教えてくれてありがとう」

「……ううん」


 言われた通り、何度か揺らしてみる。

 確かにこの方が生きのいいミミズに見えるかもな。

 

 後は魚が釣れるのを待つだけだ。

 

「……」


 一定時間ごとに聞こえる波の音。


 心地良い潮の匂い。

 

 なんというか。

 落ち着くな。

 

 遠くから別の班員の話し声が聞こえてくるが。

 内容までは聞こえない。

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