表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/198

第百三十話

「……白い部分より上に刺しちゃうとすぐに死んじゃうから、この少し下あたりを通すの」


 ありすさんが言った。

 

「白い部分?」

「……ここ」


 彼女が指さしている先には、確かに色の違う部位があった。

 先っぽから少し下った所にある。

 えっとつまり。


「この部分よりも上がミミズの急所ってこと?」

「……ん」


 頷くありすさん。

 

「あー、なるほど」


 これは覚えておかないとな。

 てっきり死んだミミズでもいいと思っていたんだけど。

 この言い方からして、生きている方がいいのだろう。

 

 さて。

 ちょっとやってみるか。

 

 ありすさんから釣竿を受け取る。

 リールなどの部品がない。

 めちゃくちゃしなる竿の先に糸をくくりつけているだけ。

 こんなんで釣れるのか?

 

 袋からミミズを取り出し……うわっ!?

 思わず指を離してしまう。

 摘まんだ瞬間、めちゃくちゃ動いたぞ。


 やばい。

 きもっ。

 一気に鳥肌が立った。

 

「……」


 えぇー。

 これやらないとだめ?


 俺、これ無理かもしれない。

 狼を一刀両断する方がよっぽどましだ。

 

 だけど。

 ありすさんの前でみっともない姿は見せたくない。

 

 やらなきゃ。

 

 もう一度袋に手を突っ込み、ミミズを摘まんだ。

 

「……」


 歯を食いしばる。

 マジでやばい。

 すごい暴れている。

 

「……」


 ミミズの白い部分よりも少し下に針を通し……て、うわっ。

 動くなって。

 やめろ。

 

「はぁ……」

 

 本当に嫌だ。

 もう帰りたい。

 

 無事に貫通させた。

 ふぅ、やっとできたぞ。

 非常に疲れた。

 

 ありすさんの方を向く。

 すると彼女は下を見ていた。

 口元に手を当てている。

 多分笑いを堪えているな。

 

 まあ仕方ないか。

 男なのにすごいビビッてたし。

 

「ごめん、恥ずかしいところを見せちゃって」

「う……ううん。別に」


 ありすさんは首を左右に振った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンでただひたすらレベルを上げ続ける少年
主人公最強モノでとても爽快なストーリーとなっています。また書籍化もされている人気作品ですので興味のある方はぜひ!
上のタイトルを押すと作品ページに飛びます
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ