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第八十八話

「でもそのヌクレウスを破壊するだけなら、遠距離攻撃の兵器で何とかなるんじゃ……」

「それは無理だと思う」


 旋風さんは即答した。

 

「え?」

「なんせ奴は地中深くにいるからね」

「地中深くって……」

「話によると、巨大な迷路みたいになっているんだってさ。なかに大量の強力な魔獣がうろついているわけだし、その地上付近にも、うじゃうじゃいるんだから……その程度のアイディアじゃ無理だよね」


 なんだその状況。

 無理ゲーだろ。

 昔のRPGでも、もう少し難易度低いぞ?

 レベル上げしたらどうこうなる問題じゃねぇ。

 

「……そう、ですね」

「さて、次に教えることだけど。さっきの話にも出てきた泡沫組以外の組織について」

「はい」

「とりあえず親睦が深い二つと、大規模な組織について教えておくことにするよ。最初に、ここから一番近い場所にある組織について。まあ、近いとは言っても距離で言えばかなり遠いんだけどね。ここから北へ進んで行った所にあって、そこは俺たち泡沫組と同様森のなかにあるんだ。規模はうちよりも小さい森田組って言う組織で、木材で基地の周りを囲んでいるような場所かな。少人数で技術力もあまりないけど、とにかく全体の結束力が高い」

「へぇ……」

「次にその森田組の拠点から北西にずっと進んで行くと、崖の近くに川本組ってのがあって。そこはうちの組織と大体規模が同じだ」

「組織って意外とたくさんあるんですね」

「そうだな。でも、案外ひとつの組織ごとの人数は少ないから、あまり栄えているとは言えない。数で言えば圧倒的に魔獣たちが上だ。……最後に紹介する組織については、完全に別物だけどな」


 そう言って彼は少し微笑んだ。

 

「どんなところなんですか?」

「名前は夜桜組。場所は川本組の基地から北東にずっと行ったところだ。ここから行こうと思ったらめちゃくちゃ遠いぞ。徒歩で二週間以上はかかるだろうな」

 

 二週間か……。

 ということは。

 冷凍保存されていた白い建物よりは近いのか。

 それでも遠いのに変わりはないけどな。

 

「海の近くにあって、とにかく基地の規模がものすごく大きいんだ。見たら絶対びっくりするぞ」

「そんなに大きいんですか?」

「うむ。基地っていうより街だな、あれは。……巨大な城壁のなかに商店街とか住宅街があるからな」

「商店街!? ……って、すごいですね」


 こんな魔獣が蔓延る世界に街があるなんて。

 想像がつかないな。

 ん? でも……。

 

「商店街に鳥型の魔獣とかが襲ってきたら凄い騒ぎになるんじゃないですか? この組織みたいに小規模な基地ならともかく、大きな街なんですよね?」


 旋風班長は頷きつつ答える。

 

「問題ない。というかこんな基地よりもよっぽど安全だよ。行ったらびっくりするだろうけど、街のなかの道路全てに屋根があるんだから」

「本当ですか?」

「ああ。……そして、もし仮に空から魔獣が襲ってきたとしても、あそこの戦力ならすぐにカタがつく。それこそ、今ウチの組織が大騒ぎしている機械蜘蛛程度ならね」


 マジかよ。

 

「すごいですね……」

「またいずれ行く機会があるかもしれないし、楽しみにしておくといいよ」


 街かぁ。

 リアルに楽しみだな。

 

「そうします」

「……さて、まだかなり時間が余っているけど、急いで教えないといけないことも特にないし。何か他に知りたいことはある?」


 そうだな。

 せっかくの機会だし、いろいろと聞いておこう。

 別に重要ではないけど。

 疑問に思っていることはいくつかある。

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