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第九話

 さすがにずっと起きているというのは無理だぞ。

 できれば夜は安全な場所で寝たい。


 川から離れるのも嫌だ。

 川に戻ってこられなくなったら嫌だしな。


 だけど魔獣たちも川へ水分補給にくるはず。


 つまり、安全な場所で寝たいけど危険な場所から離れたくないというわけだ。

 う~ん。

 どうしよう。

 

「木の上で寝るとかどうだ?」


 周りにはたくさんの木々がある。

 ゆえにそのどれかに登って枝の上で寝れば安心だと思う。

 

 でも登れるだろうか。

 生まれて一度も登ったことないしな。


「ま、俺ならできるだろ」


 なんでも最初から平均以上こなすことのできる男だぞ。

 なめるなよ。

 

 さてと。

 じゃあ登れそうな木を見つけるか。

 

 というわけで川に沿って下り始める。

 木を探しつつ、ちょっとでも先へ進もうという魂胆だ。

 我ながら効率いいな。

 

 左右の木に目をやる。

 う~む。

 パッと見どれも登れそうだ。

 なんというか、全部の木がごつごつしている。

 

「この際、一番大きい木にするか」


 寝ている間に枝が折れたんじゃ話にならんからな。

 まあ、落ちただけで死にはしないだろうけど。

 もし落下した先に尖った物があった場合、大けがを負う。


 うわ。

 想像したら怖くなってきた。

 というか落下するのって、枝が折れた時に限らないよな。


 バランスを崩しても落ちる。

 そして下にある鋭い物が体に刺さって、大量出血。

 痛みに耐えつつも治療法がわからずに死亡。

 そんなのやだ!


「あとで紐の代わりになりそうな植物を探すか」


 この川にたどり着くまでに何度か見かけたぞ。

 だからこの辺にもあるはず。

 

「なるべく長い方がいい……やばっ」


 俺は静かに川から離れて、森のなかに入る。

 怖っ。

 さっき狼が川の水を飲んでいた。

 かなり遠くにいたため、気づかれてはいないと思うが……。

 

 一応木の影からチラッと川辺を確認。

 狼はまだ水を飲んでいる。

 よし、セーフ。

 

「油断も隙もねぇ」


 どれだけいるんだよ。

 てか狼以外の動物いねぇの?

 まだ一度も見てないんだけど。

 

「それは置いといて、寝る準備を急ぐか」

 

 あまり悠長にしていたら、狼に見つかる。

 今……俺の真後ろにいる可能性もゼロではないのだから。

 いきなりガブッ! と噛まれて、殺されても不思議ではない。

 内臓まで全部ぐちゃぐちゃにされるんだろうなぁ。

 

「まさか……本当にいたりしないよな?」


 おそるおそる振り返ってみる。

 誰もいない。

 あるのは植物だけ。

 

「……はぁ」


 自分で自分を追い詰めるようなことはやめよう。

 心臓がもたない。

 

 て、これ……紐になりそうじゃん。

 振り向いた先にたまたま使えそうな植物があった。

 

 葉が緑と黄の二色。

 ツタかな?

 色が多分違うけど、似た系統だろう。

 

 早速採取していく。

 ある程度集まると、近くの木に登って枝の上へと置いておく。


 周りに狼がいないことを確認して下り、再びツタを採取。

 それを何度も繰り返した。

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