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第七十八話

 自分の部屋に戻ってきたあと。

 俺はベッドに寝転がっていた。


 パンツとシャツ姿。

 いい具合に涼しい。

 肌に当たる布団の感触が気持ちいい。

 

「……なんかさ」


 無性にりんごが食べたくなってきた。

 机の上に置いてあるけど。

 取りに行くのが面倒くさいな。

 やっぱりいいか。

 

「いや、でも……食べたい」


 あのピオーネの味が恋しい。

 瑞々しい果実を口が求めている。

 はぁ、取りに行くか。

 

 実はさっきから。

 弥勒さんの泣き声が頭から離れないし。

 ちょっと気分転換がしたいと思っていたところだ。

 

 ベッドから立ち上がり、机の前に移動した。

 月明かりのおかげで電気をつける手間が省けた。

 

 りんごをひとつ手に取る。

 そういえばこれ……腐らないのか?

 普通の果実ならそろそろ茶色くなってきてもおかしくないけど。

 意外と保存がきくのかな?

 まあなんでもいいや。

 

 一口齧った。

 食べ慣れた味。

 シャリシャリという食感。

 

 俺……これのおかげで命拾いしたんだよな。

 今思えば俺の一番の恩人はりんごだ。

 感謝してもしきれない。

 

「……」


 その恩人にこんなこと言うのもなんだけどさ。

 一口目の後半で飽きた。

 一瞬ものすごくおいしかったんだよ。

 でも、風味を味わっている途中で嫌気がさした。

 

 食べ始めた以上、途中で捨てたりはしないけどな。

 

「……ん?」


 俺、昨日の夜も同じようなこと思わなかったか?

 うん。

 覚えがある。


 よし、決めたぞ。

 明日は絶対に食べない。

 欲しくなっても口にしないからな?

 フリじゃないぞ?

 

 少しして。

 

「ふぅ……」


 なんとか食べ終えた。

 種をゴミ箱のなかに捨てる。

 飽きた状態で無理矢理食べ続けたからだろう。

 満腹感が半端じゃない。

 

 よ~し、もう寝よう。

 明日も仕事があるし。

 よく体を休めておかないと。


 ベッドに移動した。

 さっそく寝転がる。

 考え事をしたら眠れなくなるし。

 脳みそを空っぽにしよう。

 はい、スタート。

 

 目を閉じて数十秒後。

 

「……」


 あまり眠気がこないな。

 昨日たくさん寝たからかな?

 どうしよう。

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