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第四十九話

 もう一度シャンプーを出した。

 再び髪を擦る。

 うん。

 ちょっと泡立ってきた。

 まだ髪が硬いけどな。

 

 もう少し足すか。

 なんかもったいないような気がするけど。

 何週間もお風呂に入っていなかったんだ。

 このくらいは許してほしい。

 

 というわけでシャンプーを追加した。

 よし、いいぞ。

 大分泡立ってきたな。

 髪もほぐれていい感じだ。

 

 その後俺は、髪と身体を入念に洗った。

 ついでに髭剃りがあったため、ひげも剃っておいた。

 割とイケメンになったはずだ。

 何度も繰り返し洗ったため、いろんな所から良い匂いがしているはず。

 めちゃくちゃすっきりしたな。

 

 続いて、ようやくお風呂に入るぞ。

 足からゆっくりとお湯に入っていく。

 あったけぇ。

 

 肩まで浸かり、一息つく。

 

「ふぅ~」


 気持ちよすぎる。

 芯から温まる感覚。

 溜まった疲労が外に放出していく。

 筋肉がほぐれる。

 

 ご飯をお腹いっぱい食べて温かいお風呂に入り、最後にふかふかのベッドで寝る。

 俺はなんて幸せ者なんだ。

 朝早起きをしないといけないのがあれだけど。

 それを引いても余りあるくらい恵まれている。

 

 はぁ……。

 熱くもないしぬるくもない。

 ちょうどいい温度。

 

 なんかこうしていると、お湯と同化している気分になるな。

 

「なぁ、君。食堂で挨拶していた新人だろ?」


 遠くの正面に座っているおじさんが聞いてきた。

 

「あ、はい。そうです」

「百年前の生き残りからすると、ここでの生活は最初は結構きついかもしれないが、そのうち慣れてくるから安心しなさい」


 きつい?

 衣食住がこんなに整っているのに?

 

「そんなに辛いんですか?」

「君以外の生き残りたちは、全員朝起きれなくて困っていたな。俺たちみたいにずっとこの基地で暮らしていたらなんてことないけど、最初のうちは寝ても疲労が抜けないんだとさ」

「あぁー、なるほど」


 なんとなく想像できる。

 

「けど、今はもう誰も寝坊したりしないし。人間は少ししたら慣れるんだよな。……だから、抜け出そうだとかは考えない方がいい。……まあ、あの白い建物から一人でやってきたみたいだし、外の状況はもう十分すぎるほどわかっていると思うけど」

「そうですね、大変でした。……今がめちゃくちゃ快適に思えます」

「ははっ、ならよかった。けどまあ、明日の朝は覚悟した方がいいかもしれないな。人間は環境の変化に弱い。……いきなりふかふかのベッドで寝たら、今までアドレナリンでなんとかなっていた体が急に安心して、筋肉痛とか疲労がくるかもしれないし」

「確かにそんな気はしますね」


 続いてその隣のおじさんが話しかけてくる。

 

「君、朧月くんと言ったか? もう初体験は済ませているのか?」


 はい?

 いきなり何なんだよ。

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