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第四十八話

【朧月零】

 

 うむ。

 普通に本名を書いたはずなのに。

 どことなく漂う厨二病感。

 仕方ねぇだろ。

 親がつけたんだから。

 というか実際、名前の方がどうこうっていう話じゃないんだよな。

 朧月の時点でもう無理だろ。

 

 逆に零っていう名前の方が良かったかもしれない。

 ありふれている太郎とか次郎だった場合、それはもう悲惨だろう。

 

 朧月太郎。

 朧月次郎。

 

 ひどい。

 もういっそのこと零という名前を付けて、厨二に寄せたのは正解だったかもしれない。

 お父さん、お母さん……ありがとう。

 あまり仲良くはなかったけど、今はとても感謝しているよ。

 

 服を脱ぎ、網のなかに洗濯する物を全て入れた。

 綺麗になって帰ってこいよ。

 この網は洗濯物を入れるかごとやらに入れるんだったよな。

 どこだ?

 

 あ、角の所にあった。

 ここに入れてと。

 

 次に新しい着替えを置こう。

 たくさんかごが並べられているけど。

 どこに入れればいいのだろうか。

 みんな使う場所が決まっているのかな?

 だとしたら使ってしまうのは失礼に当たりそうだ。

 でも実際どれが誰のかなんてわからないし。

 名前が書かれているようにも見えない。

 ま。適当でいいか。

 わかりやすい場所にしておくか。

 おそらくみんな似たような服装だろうし。

 一番端っこの下の段でいいや。

 これでOK。

 

 よし、やっとだ。

 長くなったけど、ようやくお風呂に入れるぞ。

 

 扉の前に移動し、ガラガラと開ける。

 その瞬間、大浴場特有の匂いがした。

 いい匂いだ。

 湯気が立っている。

 割と広い。


 左右にシャワーがならんでいる。

 そして中央に巨大な浴槽。

 

 タイルの上を歩き出す。

 マジで久しぶりだ。

 楽しみ過ぎる。

 だけどまだ我慢だ。

 体が汚れているし、まずは洗ってから。

 それが大浴場のルールだしな。

 俺はルールを守る男。

 

 一番端の椅子に座った。

 それから温度を38度辺りに調節。

 シャワーを出して湯が出てくるのを待つ。

 大抵どこに行っても最初は冷たいからな。

 片手で水に触れながら待っていると、やがてお湯が出てきた。

 

 早速身体全身に当てる。

 あぁー、温かい。

 気持ちいい。

 だけど、いろんなところがチクチクする。

 肌が過敏になっているのだろうか。

 それとも小さな怪我をしているのか。

 どっちでもいいや。

 気持ちよさの方が圧倒的に勝る。

 お湯に触れることができるって……こんなに幸せなことなんだな。

 今まで毎日入っていたからありがたみを感じることがなかったけど。

 失って初めてお湯の大切さに気づいた。

 

 シャワーを止めて上の金具にセットする。

 まずは頭から洗おう。

 俺は基本的に上から洗っていくタイプだ。

 

 シャンプーを出し、両手で髪を擦っていく。

 あれ?

 全然泡立たない。

 髪に吸収されていくような感じ。

 よほど髪が汚れていたんだな。

 追加しよう。

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