第36話「結語」
二日後の8月20日。
日本臨時政府は早くも日本再統一を宣言。
ここに、一連の危機の終息が見られた。
なお、この間に、観察対象であった内海渚、藤沢神無、田端柚姫、そして、鶴橋生駒の四名は、無事に西側へと帰還している。
その後のことをもう少し述べる。
日本臨時政府樹立宣言の立役者となった京極雅季は、その後、正式な選挙を経て首相になる。長沼も入閣し、防衛大臣となる。
元・空軍元帥、松崎は隠居を宣言。軍事はおろか政治の世界からも身を引いた。
東日本の元要人であるが、様々である。新日本政府に入った者、入らなかった者……。だが、そこに謀殺された為に、いずれにもなれない人物がいたことも忘れてはならない。稲城と久我山が好例だろう。
ちなみに、最後の国家主席であった広尾は、「自分は反戦派であり、終戦に貢献した」と主張しまくっている。そして、必要とあれば、上海だろうとニューヨークだろうと赴いた。とはいえ、誰からも相手にしてもらえていない。
さて、終戦の仕方はその後の国際秩序を変えた。法文上は、日本の独立が守られる形になったものの、事実上は中国の勢力圏に日本が入る形となった。つまり、米中の間にあった、日本という障壁が中国に取り込まれたのだ。
したがって、今回の日本での危機は米中の対立に拍車をかけたと言わざるを得ない。日本での危機は、来る米中戦争の余震となるのであろうか。これで終わらないことだけは確かである。
この世界は、果てしなく続く虚構の中に在るのだから。
(「高崎時弥レポート」より抜粋)




