9.リスク
やってみよう。
目を閉じて、唱える。リサを助ける、と。
「うっ……」
頭がいたい。
''別の世界へは変更は加えれません。''
頭の中で、聞こえて来た。
やっぱりそうか。
「だ、大丈夫ですか?」
ショウが聞いてくる。僕はしっかりと頷いておいた。
「リサは別の世界にいる。」
僕は困った顔をして、考えた。
「ショウ。何か知ってるか?」
ショウも首を振る。
「はぁ、手がかりがないと。」
「あの…。」
ショウが白い紙を差し出す。
「これ、この世界に来たとき持ってたんです。」
「開けてもいいか?」
ショウは頷いた。
僕は封を開け、中を見た。
そこには、神様の手引き-地球人向け- と書いた紙が入っている。
そこには別の世界へ行く方法。
世界のリセットする方法などが書かれていた。
僕はなんで持ってなかったのだ?
多分あいつがわざと持たさなかったんだろう。
僕はあいつの世界に行くことを決めた。
「あいつの世界に行くぞ。」
ショウはうん、と頷いた。
にしても、この世界を不在にするわけにはいかない。
さっきの手引き書を見て見た。何か使えるものはないか?
右下に注意書きとして、
「世界に神がいない場合、住民は全員無法状態になり、世界はどうなるかわからない。
別世界に行っている間は自分の世界で立つ時間は速くなる。1日が1時間くらい。」
そう書かれていた。
ずっといないと自分の世界は崩壊する。
世界が崩壊すると、神も全員消えてしまうらしい。
僕は自分の世界が崩壊するというリスクを背負いながらリサを助けることにする。