7.あいつ
「やぁ。またあったね。」
そうだな。
「なぜここにやってきた?」
お前に聞きたいことがあるんだ。
自分の世界に潜り込む方法を。
「知らないな。神は世界を創造するだけだ。」
いや、絶対できるはずだ。
「なぜ君はそう思うんだい?私が無理だといっているのに。お前の前世にも『神』という確かな存在はいないだろう。」
じゃあ神は世界を創造しきって、目的を終えたらどうなるんだ?
「その世界から姿を消す。世界は10万年ほどまでは生き延びるが、徐々に崩壊し、破壊されるだろう。今で言う地球がそうだ。」
なぜだ?
「さっきも言っただろう。神は世界を創造するだけだ。」
よく考えるとそうだ。前世でも神様といったら世界を創造することしかしていない気がする。
「そうだろう。」
いや、そうだが、俺の前世には何人も神がいたぞ。様々な人種、宗教。
「お前には言いたくなかったが、お前の世界には神は二人しかいない。」
しか…?って、二人もいるのかよ。
「君がこの世界に来て、最初に生み出した生物だ。」
……リサ、か。
「そうだ。お前も知っている通り、リサの一族は神のように讃えられているだろう。」
リサは今どこにいるんだ。
「ふむ。やはりそういうと思った。リサはこちらで預からせてもらっている。」
なぜだ!リサを返せ!
「君が実力を見せるまでだな。」
……最後に一つ。お前のやろうとしていることはなんだ?
「すごく大きいものだ。役目を終えて、消えてしまいたくないからな。」
「あと、君に質問責めにされているから逆に質問するけど、君は今の世界をどうしたい?」
その時、夢から覚めたんだ。
今の世界をどうしたい、か。