4.目的
「ねぇリサ、これまでのこと、覚えてない?」
リサに一様聞いてみる。
「これまでのこと…?あれ…ない…覚えて…ない…」
やっぱりそうだ。神には新しい世界を作るために前世の記憶が与えられるのだろう。
それにしても、暑い。
家を作ってやろう。
目をつぶって、唱える。いつものことだ。
目を開けると、びっくりしてこけたリサがいる。
「あはははっ」
笑ってしまった。リサの前には大きなログハウス。
これならリサも満足するだろう。
「なに…これ…家?」
「入って、どうぞ。」
リサも怖いだろう。まだ4歳なのに。
リサは恐る恐る家に入る。
家の中にはベットからキッチンまで、生活に必要なものは全て揃っている。
「ねぇ。」
ん?なんだ?
「お父さんとお母さん…」
忘れていた。家族の存在を。
リサも前の世界で死んだのだろうか。もしそうならば、この歳で…
目をつぶり、唱えた。
考えると心が痛む。ミカのお父さんとお母さんはとても優しそうだ。
さぁて、これからなにをしようか。
やることを決めよう。
国を作りたいなぁ。平和な。
もっといろんな人と遊びたい。いろんな技術を作りたい。
頭の中に構想が見えてくる。まるで未来都市。
よく考えてみると、なぜあいつはこの世界を作らせたのだろう?
なんのための世界?第二の地球を作るのか?
いろんな世界が存在するのだろう。その中の一つ。地球もその一つだ。
あえてあいつは僕のような地球人を選んだのか?
それには意味があるはずだ。
この世界も地球に似せて作られている。
やはり第二の地球を作るのか?
まあ、いいか。難しいことは後でいい。いったんの目標は第二の地球だ。
目をつぶって、唱える。
目を開けると、そこには一つの大きな村ができていた。