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「中止」高校生の新世界作り!  作者: 星宮みつき
A章-モウイチド
16/19

16.屋敷-#3

最終的に僕は鶏をさばくこともできなかった。

マーは僕に料理を教えることを諦めたようだ。


屋敷に来て5日目。今日から本格的に救出の計画を立ててゆく。


「久しぶり。秀樹!」

そこにいたのはショウだった。

ショウはあの事件から事情聴取ということで預かられていた。


「ねぇ、秀樹様。あなたもお名前を変えてみてはどうですか?前世の名前のままだと、あまり良くないことと思います。」

ジョージがそういった。


「そうか。考えておきます。」


まぁ、前世の名前も大切だけどな。


名前…か。『秀樹』という名前がなくなるのも悲しいけどな。


その時、部屋に誰かが入って来た。ジョージは頭を下げる。

僕も軽く頭を下げる。


「座ってくれ。これからの会議をする。」

僕は近くにあった青い椅子に座った。


「これからトーラマ討伐作戦の計画会議を行う。」


「トーラマ、って?」


「秀樹はまだ知らないか。君が、『あいつ』と呼んでいるやつだよ。」

僕は頷く。あいつは王なのか。

なんの王なのか。


「トーラマは地獄の最高責任者、ではない。その一つ下の位の責任者だ。」


「地獄の最高責任者、トーラスとはもう話をしている。トーラマは暴れて、手が追えない状態だそうだ。」


「秀樹。君が生み出したリサがあいつにさらわれたことはご存知か?」


「はい。夢の中でその、トーラマという奴から聞きました。」


「やはりそうか。人の夢の中に入り込むのも禁止事項なのだがな。相当厄介な奴だ。」


「リサのお父さん、お母さんが天国安全保障強化委員会(SSS)に申し出て、そのSSSが特別に設置したのが、今回行う会だ。」


「メンバーは、私、ジョージ、ショウ、秀樹、そして、なーたんだ。」


「なーたん、って、誰ですか?」


「誰?知らないのかい?君のお助けロボットのようなものだよ。」

なんだそれ。もらっていないぞ。

「失礼しました。屋敷の方から秀樹様へお渡しする予定でございましたが、そのロボットがまだ届かないもので…。」


「ふん。宅配も遅いもんだ。早くせんかい。」


このメンバーで大丈夫だろうか。不安で仕方がない。


「まぁ、自己紹介でもするとしようか。」

そうだな。その方が皆を知れる。


「私の名前はバンサーだ。SSSで働いている。所属は剣士だ。」

バンサーという名前なのか。


次は、ジョージが立った。

「私はジョージと言います。この屋敷の執事でございます。所属は魔術ですが、最近やってないので…」


もう天国じゃないじゃん。ゲームみたいじゃん。


次はショウ。

「ぼ、ぼくはショウと言います。え、えーと…。」


「所属は?」

バンサーが聞く。

「君は剣士じゃなかったのかい。」


「は、はい。そうです。」

ショウはモジモジという。


最後は僕だ。

「僕は秀樹と言います。所属は…。」

やっぱりわからない。


まだこっちに来てからすぐだし、そんなのわからないに決まってる。


「君はまだないんだったな。」


そうなのか。まだ僕はないんだ。


ショウは俺の願いで剣士として生まれて来たが、俺はなんのために生まれたか…。


僕は机の上にあった水を手に取り、ゴクゴクと飲んだ。


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