10.地獄。
僕は壊れかけた自分の祠から、あいつの世界へ行く。
ショウも一緒に。
どうやら相手の世界では神の力は使えないらしいから、武器などは全て自分の世界で作って行く。
「あいつは一体なんなんだろうか。」
「ねぇねぇ、あいつ、あいつって行ってるけど、あいつって誰?」
ショウは本当に馬鹿だ。
けど、言ってなかった僕も悪い。
「僕を前世で轢き殺したやつ。」
嘘をついた。なぜかはわからない。
ただ、僕は嘘をついた。
訂正する間も無く、あいつの世界に到着した。
その瞬間、すごく嫌な叫び声と、すごく嫌な悪臭を感じた。
「うわわわわわあーぁああああぁ」
「いやだぁぁぁぁぁああぁあああ」
誰かが殺されているのか?
そうではなかった。みんな死んでいる。
あいつの世界は地獄だった。
僕の立っている地面は真っ赤な石だ。多分血で染まっているのであろう。
見た限りその世界は血で埋め尽くされているようであった。
本当にそこは地獄だ。僕に対しても。
溶岩のような池に、上から次々と人が落とされて行く。
叫び声を上げるまもない。
「やぁ。またあったな。今度は君から会いに来てくれたのかい?」
ショウは剣を構えた。
「はっはっはっ。こわがることないよ。心配するな。」
不気味な笑い声が聞こえてくる。あいつはどこにいるんだ?
「ほら、みんな。新しいご飯だよ。召し上がれ。」
そのとたん、壁が開き、中から血の色に染まった凶暴な蜘蛛が飛び出して来た。




