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第九章 妖の歴史

第八章 あらすじ

それぞれが手がかりを見つけるためバラバラに情報を集めに行く四人。

しばらく情報を集めに行きわかった事は少年の事。

風樹と呼ばれるその少年はとてつもなく早く走る。

孫呉はそれを聞き風樹は妖だと言う。

不思議な少年、風樹の正体とは・・・

「な・・・何言ってんのよ・・・孫呉・・・」

「そ・・・そうよ、鈴鐘の言う通りよ・・・ジョーダンやめてよ。」

『いや・・・可能性はあるぜ。』

あいつの気配・・・

「あぁ・・・チーターは時速100km、最高時速は130kmだ。」

『そのチーターの速さと同じで走れるなんてありえない、普通の人間ならな。』

絶対に・・・な

「人間の時速は約600m、速くて約1kmだ。そんな人間がチーターに追いつくと思うか?」

「無理・・・でもなんで?妖は皆封印したんでしょ?悟空、鈴鐘・・・」

「えぇ・・・」

「そのはずだ・・・」

「風樹はずっと前からここに居るんだって・・・」

・・・もしかして・・・

『悟空、妖はどうやって生まれる?』

「何を聞くんだ、いきなり。」

『いいから!』

「・・・人と同じさ、普通に親から生まれる。・・・俺以外は。」

『俺以外?・・・それより、妖と人間の間に生まれることは?』

「あぁ・・・あるんじゃねぇか?俺は(いし)から生まれたもんな。」

岩?まぁいい・・・

『・・・今日帰ったら話がある。』

「・・・わかった。」


俺はしばらく風樹を追ったが何もわからなかった。

家へ帰りそれぞれの情報を話し合った・・・が

「俺は風樹を追っても何もわからなかった・・・人と話してばっかりだったぜ。」

「扉以外は何もなかったわ、あるのは花や木々ばかり・・・」

「私も町を歩いてみたけど・・・風樹の名前とか教えたものだけ・・・」

皆何もか・・・

「悟空、扉には何が書かれてたんだ?お前は字を見に行ったんだろ?」

「あぁ・・・」

どうしたんだ・・・?

「扉には『この扉開き者速き力持つて伝説の者を掩護(えんご)せん』と書かれてた。」

「・・・やっぱりそれほど速いのかしら・・・」

「チーターの速さに馬の速さ、それに妖の能力(ちから)を加えたら・・・」

「ざっと考えて時速300kmだろうな・・・」

・・・

「本気を出したら時速500kmだろう。」

「そんな速さ・・・」

「いや・・・」

それ以上だ・・・!

「元の妖の能力(ちから)を加えれば時速550km、本気を出せば時速800kmいく・・・」

「何だって・・・!」

「そんな妖が仲間になるの?」

「あぁ・・・きっとな・・・!」


そんな話をし終わって・・・

「そう言えばお前なんか話す事あるんじゃないのか?」

「あぁ・・・妖を封印したのはいつだ?」

「・・・今から約2、300年ほど前だ。」

そうか・・・

「それがどうした・・・」

「妖の歴史を教えてくれ。」

「は?」

「妖がいつどうやって生まれたか、なんで人とうまくできず封印される身になったか教えてくれ。」

それを知りたいんだ・・・!

「・・・わかった。だが・・・」

「なんだ?」

「俺じゃ知らねぇ事もあるんだ・・・」

そんな事か・・・

「鈴鐘!」

「何?」

「手伝ってくれ。」

「・・・わかった。」

・・・何かわかってんのか?


悟空たちが言うには・・・

『今から約1200年前の日本、ある地方の神社で一体の妖が生まれ、また違う地方の寺でもう一体の妖が産まれた。その二体が出会い妖の子供を産んだ。さらに違う地方の神社でまた産まれと次々と妖は増えていった。そして約1000年前、その時には妖は人の人口の半分ほど居た。人とも仲良くしていてしばらくは楽しかったんだ・・・しかしある日とんでもない妖が生まれた。そいつの名は《あやかし》。あやかしは性格が荒く誰にも止める事ができなかった。あやかしは術で妖の心を操り、邪悪に染めた。それが約650年前。そしてそいつらを使い人を(おそ)わせ、何人も殺した。その中で光を失はなかった十二の妖、つまり悟空たちが不思議な能力(ちから)を持った人、陰陽師と協力して邪悪に染まった妖たちを封印した。そしてあやかしも・・・それで全て終わった最後にその中の妖たちが暴れぬように俺たちが十二の扉それぞれに封印してもらった。それが約400年前だ。そして時がたち今にあたる・・・』


「・・・じゃあその間に違う妖が生まれることは?」

「それはないの・・・陰陽師が妖が生まれないように札を作り全国各地の寺や神社にその札を貼ったから・・・」

そうか・・・

「だったら・・・その中で逃げた妖とかは?」

「・・・どこか遠く・・・中国、韓国辺りならあやかしの術も届かないぞ!」

「・・・ならきっと風樹の祖先はどこか遠くへ行き・・・」

「あやかしが封印されるまでそこで暮らした・・・」

そうだ・・・きっとな・・・

「それなら話がつく・・・!」

「・・・でも、どうやって?どうやって中国や韓国の方に行くの?」

「奴の先祖は多分走りが自慢の奴らだろう。」

・・・もう少し聞いてみるか・・・

「その時代、走りが速い妖ってのはどれぐらいいた?」

「・・・十二の午と・・・他にいたか?」

「・・・虎族・・・獅子族くらいね・・・」

虎・・・獅子・・・

「その中にチーターみたいな奴は?」

「・・・それは・・・俺らで言う虎族だな。」

「でも虎族は速くて時速200kmよ・・・」

・・・遅いな・・・

「・・・風を操る妖は?」

「それなら・・・鳥族、龍族、あと・・・蛇族ね。」

だったら可能性あるな

「・・・虎族と鳥族が共に逃げそこで子を産めば・・・」

「足の速さと風を操る力で・・・さらにスピードが上がる!」

「そうなれば風樹は虎族と鳥族の子孫、これならチーター並みの速さでも問題ない。」

「でも・・・それなら速さはざっと考えても時速500km、チーターよりも数倍速いわ。」

鈴鐘って結構アホか・・・?

優里なんか話に追いつけてない・・・

「ずっと妖と子を産んだわけではない・・・」

「人間と子を産めばその分だけ速さは落ちるだろ・・・」

悟空はわかってるようだな。

「明日また俺は風樹を追って・・・話をしてみる。」

「じゃあ俺も行く、俺がいたほうがわかるだろ。」

「あぁ・・・」

実際に見たほうがわかるかもな

「私はもう一回森を見てみる、何かあると思うの・・・」

「じゃあ私も鈴鐘についていく。」

「わかった。」

俺らは明日のことを決め明日に備えて飯を食ってすぐに寝た。


第九章 完

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