第六章 少年
第五章 あらすじ
家に帰ると誰も居なかった。
悟空と鈴鐘の帰りを待ったが帰って来ない。
二人は悟空と鈴鐘を探しに出て水野と戦うことになった。
孫呉は水野に勝ち、四人は次の町へと向かった。
次の町はどんな所でしょうか・・・
次の町は雪の降る雪国。
悟空はここに妖の気を感じるといい、俺たちはそこへ降り立った。
この雪国に来て五日目の事、
「なぁ、悟空。本当に妖が居るのか?こんな寒い所にさ。」
「あぁ・・・妖の気は感じるんだが・・・」
「・・・鈴鐘はどうなんだ?なにか・・・においとか。」
「えぇ・・・微かににおいもあるわ。」
・・・においまであれば居るんだろうが・・・
「それにしても寒い!!」
「そうか?俺はそんな寒くねぇけど・・・」
「女の子と男の子じゃ違うの!」
何がだよ・・・
同じ人間なのに・・・
「ま、俺の場合は悟空の『炎』の能力を使ってるからな。」
「そうなの!?・・・でも悟空はそこに・・・」
「居るよ。でも俺はもう妖の能力を持っている。」
「それが悟空なんじゃ・・・」
やっぱりこいつってアホだ・・・
「俺のもともとの妖の能力を増幅させるのに加えて、
超身体能力や超怪力なんかと言うまた別の能力を手にする事で
妖と戦うように加えられるのが悟空の能力。」
「・・・うん・・・?」
わかってんのかな・・・
「だから俺はもともと能力を持っているわけだからこんな事が出来てもおかしくないんだよ。わかったか?」
「・・・まぁ・・・大体・・・」
大体・・・
「つまり俺の妖の能力を孫呉に加える事で戦いが出来るぐらいの能力を使えるんだ。」
「うん。」
「しかし、その前にこいつはこいつ自身の小さな能力を持っているんだ。」
「うん。」
「それを俺の能力で増幅させて妖と戦う。」
「うん・・・まだ・・・ちょっと・・・」
こいつ・・・
どんだけアホなんだ・・・?
「簡単に言えば孫呉の腕に刻まれた絵が孫呉自身の能力なのよ。」
「・・・なるほど!鈴鐘あったまいい!!」
・・・お前がアホなだけだって・・・
「それで俺の能力を使って体を温めてるんだ。」
「いいなぁ・・・」
いいなぁって言われても・・・
「鈴鐘は炎の札を作れないのか?」
「・・・作れないわ・・・そのためには優里の能力に私の能力を加えないと・・・それに優里はまだ札を作れないわ。」
そうか・・・
・・・そうだ。
「なぁ、鈴鐘。俺に札をくれないか?」
「いいけど・・・どんな札?」
「何も書いてないまっさらな札。」
「・・・わかった。」
鈴鐘は札を作り、
「はい。これをどうするの?」
「・・・こうするんだ。」
俺はその札を燃やした。
「何してるの!?」
「まぁ、見てな。」
俺はしばらく燃やし続けた。
そして、
「よし!出来たぞ。炎の札だ。」
「炎の札?」
「あぁ、まっさらな札に炎の能力を加えたら出来るかと思ってやってみたんだ。」
「そしたら大成功と。」
「そう言うこと。」
違う能力を加えたらまた違う札が出来るんだろうな。
「ほら優里、やるよ。」
「いいの?」
「あぁ、お前寒そうだから。カイロくらいの暖かさだと思うから。」
「・・・ありがとう。」
「あぁ。」
しばらく歩くと・・・
・・・ん?
「おい、あれ・・・」
「ん?どうした?孫・・・!」
「二人ともどうしたの?」
「・・・あの男の子がどうかしたの?」
あれは・・・
『なぁ、悟空。あの少年もしかして・・・』
『あぁ・・・かも知れねぇ。』
「・・・ちょっと俺ら用があるから。」
「さき、家戻っとけよ。」
俺たちは走り出した。
「あ・・・ちょっと・・・んもー。」
・・・しばらく走ったがどっか行っちまった・・・
「おい、悟空。お前、鼻、利くか?」
「あぁ。・・・こっちだ!」
俺たちはあの少年を追いかけた。
「居た!」
あいつはきっと・・・
俺たちと同じ・・・
いや、今からなる!
『こっそりだぞ。』
『あぁ、わかってる。』
俺たちは少年の後をついて行った。
俺たちが少年の後をついて行って見た物は・・・
第六章 完