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第四章 妖の能力(ちから)

第三章 あらすじ

孫悟空と名のる猿と共に旅へ出かけた孫呉。

孫呉は最初の町で出会った水野優を妖と(うたが)った。

そしてそこで出会った少女、竜胆(りんどう)優里(ゆり)

優里の腕には絵が彫られていた。

俺は竜胆(りんどう)優里(ゆり)に俺がしてしまったこと、悟空や妖のとこ、自分と竜胆が妖の能力(ちから)を手にしてしまったこと全てを話した。


「・・・と言うことだ」

「・・・っていう事は、私は妖怪になっちゃったの?」

「おい!竜胆だっけか?妖と妖怪は違うんだ。気を使ってほしいね。」

おいおい・・・最初から・・・

「ご、ごめんなさい・・・」

「わかればいい。」

話題を少し変えよう・・・

「それで・・・竜胆は悟空みたいな奴に会わなかったか?しゃべるウサギにさ。」

「えっと・・・いいえ・・・会わなか・・・」

「すいません・・・ちょっといいですか?」

誰だ?ドアの外か?

「はい。なんで・・・あれ?」

外を見渡したけど誰も居なかった・・・

「あの・・・下です・・・」

「・・・あ、すいません・・・ウサギ?」

「はい・・・」

なんて静かな奴だ・・・

・・・ん?

「人探しか?」

「はい・・・ここに女の子いませんか?」

やっぱり・・・

「居るよ。」

「上がっても?」

「どうぞ。」


俺はウサギを家に上げた。

「孫呉、誰だった?」

「妖だよ。」

「悟空、久しぶり。」

「お前は・・・鈴鐘(りんしょう)か?」

「なんだ、知り合いか?」

「あぁ・・・思い出してきたぜ。」

思い出したって・・・

「お前は記憶喪失者(きおくそうしつしゃ)か。」

「あぁ・・・俺はあの扉を出た後は中であったとこをほとんど覚えてなかったんだが、

こいつに会って全部思い出した!」

おいおい・・・記憶喪失だったんかい・・・


「この()は?」

「私は卯の妖、鈴鐘です。」

「卯という事は竜胆の?」

「はい。私は竜胆さんの能力(ちから)です。」

「私のことは優里でいいわ。」

「わかりました、優里さん。」

それでも敬語なんだ・・・

「それより能力(ちから)って?」

「さっき話したろ?俺の能力(ちから)悟空(こいつ)だって、それと同じだよ。」

「どういうことかわかんない・・・」

わかんないのかよっ。

「つまり俺は孫呉の妖力なんだ。」

「そういうこと。」

「へぇー。」

へぇーって・・・


「ところでさ、悟空。お前みたいな妖が十二居るんだよな?」

「あぁ。そうだが。」

「その十二人それぞれが違う能力(ちから)を持っているのか?」

「さぁ・・・そこまでは覚えてねぇーな。」

そうか・・・

「私、知ってます。」

「もう敬語はよせ、なんか変だ。それより、本当か?鈴鐘。」

「えぇ。」

「それぞれが違う能力(ちから)なのか?」

「えぇ、そうよ。子は回避、丑は耐久力、寅は破壊力、卯は術、辰は飛行、巳は防御力、午はスピード、未は知識、申は運動能力、酉は聴力、戌は嗅覚、亥は脚力。」

「そうか。なんかややこしいな・・・」

「そして、申に限っては破壊力も高いの。」

「俺だけ能力(ちから)が二つあんのか。」

悟空(こいつ)能力(ちから)だけは二つ・・・

これを使いこなして妖と戦うのか。

「私の能力(ちから)は術、これは結界を張ったり(ふだ)を作ったり出来るの。」

「結界は(たて)に、札は敵の動きを封じたり出来るな。」

「あと、妖のそれぞれが人に変化(へんげ)出来て、それぞれが炎、水、雷、()などの特殊の能力(ちから)を持っているの。」

「そうか。それは結構むずかしいな・・・」

「それぞれが何を使えるかわかるか?鈴鐘。」

「いいえ・・・そこまではわからないわ・・・」

そうか・・・でも、

「ここまでわかればいいさ。」

「・・・そうだな。」

・・・??

「ところでさ・・・封印はどうやってするんだ?」

「あ・・・」

・・・忘れてたな・・・

「妖の封印は私、卯の術を使うの。」

「そうか。・・・悟空はそれを忘れてそのまま戦う気だったな。」

「・・・あははは・・・」

「笑ってごまかすな。先に卯が見つかってよかったぜ。」

マジでよかった・・・


「さてと・・・今日はもう遅い。(めし)食って寝ようぜ。」

つっても八時だがな。

「あぁ。今日は焼きそばだ。」

「お前・・・『今日も』の間違いだろ。」

「まぁいいじゃん。」

「わーい。私、焼きそば大好き!」

「おぅ。多めに作るからじゃんじゃん食えよ!」

そんなに食えねぇだろ・・・

「私も手伝うわ、悟空。」

「ありがとな、鈴鐘。」

妖が二人で料理・・・

なんかすごい多めに作りそう・・・


「ねぇ、孫呉君。」

「ん?何?竜胆。」

「私のことは優里でいいわ。」

「あぁ、わかった。」

なんか面倒くせぇな・・・

「さっきここに帰るとき『俺もお前に似てるから』って言ってたけど、どういうこと?」

あぁ・・・

「そのことか。・・・俺も居ないんだよ、親。」

「え・・・?」

「俺も親を早くに亡くしたんだ。」

「・・・そうだったの・・・」

なんでこいつが暗くなんだ・・・?

「ま、違うのは俺は学校に行ってたことかな。」

「・・・」

「親戚の叔母(おば)さんが金を出してくれてたんだ。」

「そ、そう・・・」

「・・・なぁ、何でお前が暗くなるんだ?」

「だってなんか・・・」

なんて言おうとしてるのかがわかる・・・

「俺がかわいそうってか?」

「・・・う、うん。」

やっぱり・・・

「ならお前はどうなんだ?」

同じ身だろ?

「・・・なんか自分の事じゃなかったらすごくかわいそうに思えるの・・・」

お前な・・・!!

「それはただの同情だ!!」

「!」

「俺はそういうのが大嫌いなんだ!やめてほしいね!」

俺はついキレてた。

俺は同情は嫌いなんだ!!

「ご、ごめんなさい・・・」

でも・・・

「あ・・・いいよ・・・俺こそ悪かった。ついカッとなって・・・」

やっぱりキレるのはダメだな。

「・・・そ、孫呉君は高校生?」

「あぁ・・・一応な。」

「一応?」

「・・・俺先週から妖を封印するための旅してるって言ったろ?だからさ・・・」

・・・少し言い()ぎたかな・・・

「ねぇ・・・」

「ん?」

「あの・・・その・・・」

なんだ?

「な・・・なんだもない・・・」

「・・・あ、そう。」

へんな奴・・・


「よし。出来たぞ。」

「大盛り焼きそばお待たせー。」

・・・大盛りって・・・

「これ多すぎだろ・・・」

「そうか?」

「作りすぎちゃって・・・」

優里なんか・・・

「もぐもぐ・・・」

・・・黙々と食べ続けてる・・・

「ま、いいか・・・いただきます。」


俺が超大盛り焼きそばを口にしてから少しして・・・

「おかわりある?」

「えぇ、たくさんあるわよ。」

「わーい。」

優里は二杯目を食べようとしていた・・・

「お前・・・腹壊すぞ・・・」

「いいの!私、焼きそばは別腹(べつばら)だから。」

「・・・はいはい。」

珍しい奴だ・・・

「孫呉、別腹ってなんだ?」

「知らないのか?たとえば焼きそばは別腹って言ったら焼きそばはそれだけたくさん食べられるって事だ。」

「へぇー。」

「悟空は馬鹿なんだけど力だけは人一倍だったの。」

「馬鹿って言うな!」

「はいはい。」

こいつらすげー仲いいな。


「あー、おいしかった。」

優里は結局超大盛りを二、三杯食った。

「結局全部食べたじゃん、孫呉。」

「苦しい・・・食いすぎた・・・」

作りすぎだっての・・・

「俺、今日はこのまま寝るわ・・・」

「わかった、おやすみ。」

「あぁ。」

俺はそのまま寝た。


次の日何が待ち受けているか知らずに・・・


第四章 完

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