第十二章 オーバークロスと妖の数
第十一章 あらすじ
森で新たな仲間、俊彌と出会い
その直後、ゴリラ族の中奨と戦いそして腎袁とも戦った
二人の封印に成功し、
孫呉は腎袁との戦いで新たな能力を手に入れた・・・
「クロス・アウト」
クロス・アウトをすると中奨の札も札に戻った
「・・・あれ?」
「ん?どうした?優里」
「この札よく見ると・・・」
水野さんの札には水、中奨の札には力、そして腎袁の札には硬と書いてあった
「それとさっきの呪文を唱えたら突然力が上がった」
「あれは接収取り込み 、札に封印した妖の様々な能力を使うことが出来る技だ。しかし伝説の者にしか出来ない特別な技だ」
「じゃあ中奨の怪力をクロスしたっていう事?」
「あぁ、そういうことだ。しかし、まだこれには解明されていない能力があるんだ」
・・・接収取り込み ・・・
「にしてもお前よくこれに気づいたな」
「・・・何でだろう・・・なんか、札をとったら口が勝手に・・・」
本能・・・か?
「じゃあこの水、力、硬っていうのは?」
「あぁ・・・これはそれぞれオーバークロスで使える能力だな」
「じゃあ水の能力とか使えんのか?」
「あぁ、そうだ」
・・・悟空の炎の能力に水野さんの水の能力か・・・
「・・・この硬って言うのは?」
「これは体の頑丈さを倍にする能力だ」
「へぇー・・・」
「なぁ、オーバークロスってのは二つ同時に使えるのか?」
「いや、それは無理だ。オーバークロスは元の自分の妖力に加算される物だが二つ以上使うと妖力が削られそのままだと死に至るという・・・一つだけ使うとしても普通の妖より魂の破調の大きさや精神力、体力などを求められるんだ」
魂に精神力、体力か・・・
「なら俺と悟空が選ばれたのは俺たちの魂の破調が一致したという事か?」
「そうだ。悟空は妖の中でも魂の破調は一番大きかった。そして孫呉はその悟空と魂が重なりそして必然的に悟空の扉に引き寄せられたんだ」
「もうそれは決まっていたという事か・・・」
「あぁ。そして一部の人にも何かしら能力を持っている」
・・・何かしらの能力・・・
「それは優里と鈴鐘の植物と分かち合えることが出来る能力とかそういう事か?」
「あぁ、そうだ」
「その人の持っている能力は陰陽師の子孫だけに与えられるものではないか?」
「そう、そしてその陰陽師の子孫に妖の力を与えあやかしに操られている妖を封印する」
・・・なら辻褄が合わない
「・・・妖はもうすでにこの世界にいた・・・そういうことか?」
「あぁ・・・俺の知る限りではあやかしに操られて封印されていない妖は約500だ」
「・・・そんなに・・・」
「いや・・・それでも妖の全体には全く満たない数だ」
500でも満たない・・・
「だとしたら妖の数は約20000・・・いやもっといるな・・・」
「あぁ・・・その数約40000だ」
「・・・」
優里は驚きすぎて言葉が出てない
俺だってそうだ
・・・多い・・・多すぎだ・・・
「それを全部封印するのか?」
「あぁ・・・だが大部分はあやかしの手下のような存在だ。そいつらはあやかしの元を離れることは無い・・・それでもまず封印すべき妖は約20000~30000だ」
「・・・あやかしをまず倒せば操られてた妖も正気に戻るだろうが・・・」
「奴の強さは半端ではない。命すら落とすこともありえる」
・・・そんな奴と戦わなければいけないのか・・・
「・・・奴に勝つには十二の妖と選ばれし人間を探さなければいけない・・・そうだな」
「あぁ・・・」
・・・きついか・・・
「とりあえず次の町へ行き仲間を探す。そして妖の封印だ」
「うん」
「あぁ」
「行こうぜ」
俺たちは雪国を出て次の町へ向かった
新たな仲間を探すために・・・
第十二章 完