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第十章 風樹の正体

第九章 あらすじ

孫呉は風樹の正体を知るため妖の歴史を、

そして妖の種族を聞いた。

風樹が虎族、鳥族の妖である事を確信し、

風樹を追い話をする事を決めた・・・

俺と悟空は風樹を追った。

『あいつどこに行くつもりなんだ?』

『さぁな・・・あの森じゃないか?この道だと・・・』

いや・・・きっと違う・・・

『・・・悟空。』

『なんだ?』

『お前は猿だ、だからあいつにばれないでそっと近くに行ってくれ。』

『なんかあるのか?』

あぁ・・・

『よく耳を()ましてみると・・・あいつ、なんか言ってるんだ・・・』

『何・・・?』

俺と悟空は耳を澄ました。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

『確かに・・・でも聞き取れねぇな・・・』

こいつ・・・馬鹿か・・・

『だからお前に行ってほしいんだ。』

『わかった。』

悟空は風樹にそっと近づいた。


『何かわかったか?』

『あぁ・・・』

『なんて言ってた?』

『・・・「(われ)俊彌(しゅんび)意思継()ぎし者、伝説の者探し、我伝説の者の元、忠誠(ちゅうせい)(したが)わん・・・」と』

・・・俊彌・・・午の妖の名か・・・?

『他には?』

『それだけ繰り返してた・・・』

・・・繰り返してた・・・?

『目は見てきたか?』

『あぁ・・・目は(あお)に染まっていた・・・』

・・・もしかして・・・!

「!」


俺は風樹の腕をつかみ走り出した。

向かった先は・・・

あの扉がある森。

「どうしたの?」

鈴鐘と優里が声をそろえて言った。

「こいつ・・・こいつ何かの妖に操られてる・・・」

「何っ!?」

「そいつは・・・きっと俊彌だ・・・」

「俊彌・・・!?」

鈴鐘は驚いた様子で言った。

「知ってるのか?」

「忘れたの?悟空。俊彌は・・・私の・・・彼だった・・・」

「何っ!?」

それはきついな・・・

「本当・・・?それじゃあ・・・」

「鈴鐘・・・目を(つむ)っておけ。こいつを思いっきり殴る・・・!」

「・・・!!や・・・やめ・・・」

鈴鐘が言いかけたとき・・・

《バキッ!!》

俺は風樹の横っ(つら)を思いっきり殴った。

風樹は人形のように倒れこんでしまった。


しばらく動かなかった。

「強くしすぎて死んじまったのか・・・?」

悟空が縁起のないことを言った。

その時、

「!!イッテーーッ!!!!」

風樹は痛そうに飛び跳ねた。

「・・・?誰だ・・・君たちは・・・?」

「よっ!悪かったな。」

「・・・俺を殴ったのはお前か?」

・・・記憶はなかったようだな・・・

「あぁ。」

「イテーじゃんか・・・」

「・・・なぁ聞きたいことがあるんだが。」

「・・・何?」

風樹は不機嫌で怪しそうにこっちを見た。

「お前最近なんか開けなかったか?・・・扉とかさ。」

「・・・あぁ・・・ここでなんかドア見たいの開けたような・・・」

「じゃあ・・・」

俺は真剣になって、

「お前、妖だろ。」

「・・・知ってるのか?妖の事。」

やっぱり妖か・・・

「あぁ、俺らも妖だからな。」

「そうだったのか・・・」

「だが俺らはちと違う所がある。」

「その違う所はそこの猿とウサギか。」

・・・妖の気でわかるのか。

「その通りだ、俺は孫悟空だ」

「私は鈴鐘。でもあなたも私たちのように何か能力(ちから)(みなもと)があるんじゃ・・・」

「俺は正真正銘の妖だよ。虎族と鳥族の子孫。」

「そして午の能力(ちから)を手にしたと。」

・・・なんか不思議そうな顔してるな・・・

「何で知ってんだ?」

「こいつらに動物の姿でいろいろ調べさせてもらった。」

「俺が妖であるといつから知ってた?」

・・・何でいろいろ聞くんだ?

「お前が俺らの前を走り去っていってからだろうな・・・」

「そうか・・・そう言えばお前ら見たことあると思った・・・」

・・・覚えてたのか・・・


俺たちはとりあえずその場で話を始めた。

「自己紹介が遅れたな。俺は龍孫呉、悟空の”能力の使い手(パートナー)”だ。」

「私は竜胆優里、鈴鐘の”能力の使い手(パートナー)”。」

「・・・俺は雲瓦(うんが)風樹、風を操り足の速さを倍にして走るんだ。」

そんなことが出来るのか・・・すげーな・・・

「・・・風樹、お前の知ってることを話してくれ。」

「・・・わかった・・・この話は代々雲瓦家に伝わる妖の話・・・」


風樹の話によると・・・

『あやかしと言う名の妖がこの世に産まれて皆あやかしに操られてしまったなか、俺の先祖、虎族と鳥族が駆け落ちをして中国にいた。それから600年の年月が経ち子を産んだ先祖はその子と共に日本へ帰ってきた。しかしそこには人ばかりで妖が封印されたと知らずに生きてきた』


「・・・と」

・・・

「それはまじめな話か?」

「あぁ、もちろんだ。」

「・・・・・・」

俺は

「・・・妖が駆け落ち・・・」

とつぶやいた・・・

「い、いいだろ!俺の先祖のことだ!!」

「・・・」

なぜこんなむきになる・・・

「な、なぁところでお前は俺らみたいな(しゃべ)る動物に会ってないか?」

「・・・いや・・・会ってねぇーけど。」

「そうか・・・」

「!」

その時、後ろに何か気配を感じた。

「誰だ!!」

俺は後ろを振り返った。

そこにいたのは・・・


第十章 完

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