第一章 始まり
俺はある日この能力を手に入れてしまった・・・
俺はこの能力を・・・
妖記 -あやかし-
俺の名前は龍孫呉。
俺は親を早くに亡くして、一人暮らしをしている。
それ以外は普通の高校生。
普通に勉強し、
普通に友達と遊び、
普通に時間を過ごす、
普通の高校生・・・だった。
俺はある日、
「すっげーっ!」
森の中を歩いていたら、
「これは・・・扉・・・?」
ある扉を見つけた。
「なんだ・・・?何か書いてある・・・」
その扉にはこう書いてあった。
『この扉開き者、妖をよみがえらせん。
その者、強き力持ちいて伝説をよみがえらさん』
「どういう意味だ・・・?」
俺は遊び半分で
《ギィーーッ・・・》
扉を開いてしまった。
その時!
「わっ!」
俺を避け何か出てきた。
そして最後のほうで、
「あーーーー!」
俺の体を何かが通った。
「何だったんだ・・・?」
そういった直後、
「ぐはっ!」
なにか激痛が走り、自分の腕を見た。
「これは・・・!?」
俺の腕に何か絵が刻まれている。
「・・・猿?」
『何だ・・・この絵・・・』
見た事がある気がする。
そして家へ帰ってみると・・・
「!?」
俺の見覚えのない荷物が置かれていた。
「誰だよ・・・」
荷物を外に出そうと立ち上がって振り返ると・・・
「うわっ!」
俺の後ろに知らない猿・・・
「何だ・・・驚かせるなよ・・・」
「そりゃ悪かったな。」
「わかりゃいいよ。」
・・・?
今のは・・・誰の声だ?
「今しゃべったのは俺だぜ。」
「うわっ!猿がしゃべった!!」
「そんな驚くことかよ・・・」
そりゃ驚くさ・・・
お前は猿なんだから・・・
「ま、とりあえず俺の声が聞こえるってことは・・・」
「は?」
「お前あの扉を開けたな・・・」
あの扉・・・?
「それって・・・」
「森ん中にあったろ。文字の彫られた。」
あれが何だ?
「あそこに書いてあったろ『この扉開き者、妖をよみがえらせん。
その者、強き力持ちいて伝説をよみがえらさん』ってな」
「あぁ・・・。開いたが・・・何だ?」
「やっぱり・・・」
なんなんだよ・・・
「早く要件を言え。」
「あぁ。」
・・・少し時間がたって
「お前が開いたあの扉の中には妖が封印されていたんだ」
・・・は?
「妖って・・・妖怪のことか?」
「あぁ、そうだ。」
・・・マジかよ・・・
「その妖たちの封印が解かれて、妖がこの世界にある宝玉を狙うに違いない。」
「ちょっと待て!」
「なんだよ。」
なんだよって・・・
「つまり何が言いたいんだよ!」
「お前に協力してもらう。」
協力って・・・
「何を?」
「妖の封印をだ。」
「・・・は?」
第一章 完