4話 思い出した
何かを確実に忘れている
なんなのかは思い出せないけど確実に何か
凄い大切な事の筈なんだけど…
「何だろうな〜でも忘れてるってことはそんな大事なことじゃ無いでしょ」
そんなことより、
家に帰ろうかどうしようか
いやぁ帰りにくいんだよね〜
だって三者面談で先生に向かって半ばキレて母面談室置き去りで来ちゃったし
残された母は今頃何を思っているだろうか…
それにきょうは1月12日で親戚連中が集まる日なんだよね
帰ったら確実にパシられるか雑用係か悪口言われるかいびられる…
まだ高校生で家でてけとか「一族の恥」とか言われるんだよ?
妹は「一族始まって以来の才媛」らしいのあで向こうのニ城蒼いびりは尽きない…らしい
普段は優しい父もきついじじ…ゔゔん叔父さんとババ…ゔゔん叔母さんには何も言えず煮え切らない返事をしている
負けるな父さん!頑張れ父さん!
ともあれ帰りたく無い
いつまでもここにいるわけにもいかないし
取り敢えず隣のコンビニ行ってラノベ買って考えよう
どっこいしょ…と立ち上がって女子高生らしさの欠片も感じさせずノロノロと立ち上がると伸びをしてこう呟いた…
「あ〜あ、異世界いきたいなぁ」
ラノベファンタジーの世界に逃げながら歩き出す
すると目の前がいきなり真っ白に輝いた
やばい⁈
貧血?
こんな所で倒れて家に電話いったら一族の憎たらしいババ…ゔゔん叔母さんとじじ…ゔゔん叔父さんに何て言われて笑われるか
とにかく、こんな所で倒れるわけにはいかない!
しかし私の意識とは裏腹にどんどん意識が遠のいて行く…
やばいまた…
ん?
また?
またって…
何て考えてるうちに意識が遠のいて行く
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ここは?
大きい城
洋風な街並み
ここって異世界?
あ、思い出した
私…
異世界に召喚されて死んだんだ…